【安倍首相】ハーバード大学におけるスピーチ<全文・動画>など 訪米まとめ [1/5] (4月27日・2日目まで)

ページに広告が含まれる場合があります。

日本の総理大臣として初めて、連邦議会の上下両院合同会議で演説を行う安倍首相が今日、政府専用機で羽田空港を出発しました。

関連記事【安倍首相】 2015年 米国公式訪問 関連情報

菅内閣官房長官記者会見

安倍総理の米国訪問について

平成27年3月23日(月)午後

本年2月、米国政府から安倍総理に対し、米国への公式訪問の招待があったところであります。これを受け、米側と種々調整を行ってきたところ、安倍総理は、諸般の事情が許せば、4月26日から5月3日まで、米国のボストン、ワシントンD.C.、サンフランシスコ及びロサンゼルスの各都市を訪問する予定であります。このうち、4月27日から30日まで滞在予定のワシントンD.C.では、日米首脳会談を始めとする公式行事に出席をする予定であります。
昨年4月、我が国はオバマ大統領を国賓としてお迎えをしました。これに続く今般の安倍総理の米国への公式訪問は、強固な日米同盟を世界に示す上で大変有意義なものであるというふうに考えます。

出典:首相官邸

安倍晋三内閣総理大臣の米国公式訪問

平成27年4月24日

1 安倍晋三内閣総理大臣は,4月26日から5月3日の日程で,米国を公式訪問し,ボストン,ワシントンDC,サンフランシスコ及びロサンゼルスの各都市を訪問する予定です。

2 このうち,ワシントンDCでは,28日の日米首脳会談を始めとする公式行事に出席する予定です。また,29日には,日本の総理大臣として初めて,連邦議会の上下両院合同会議で演説を行います。

出典:外務省

安倍首相「新時代のメッセージ出す」 米国に出発

安倍晋三首相は26日夕、米国訪問のため政府専用機で羽田空港を出発した。

首相は、出発に先立ち羽田空港で記者団に対し、訪米の狙いについて「日米の強い絆を生かし、21世紀の平和と繁栄をつくり、新しい時代を切り開いていくメッセージを出したい」 と述べた。米議会での演説については「日本が米国とともに、どういう世界にしていくかというビジョンを語りたい」 と述べた。

出典:産経新聞

米国訪問 【1日目】(平成27年4月26日)

 平成27年4月26日(現地時間)、安倍総理は、アメリカ合衆国の ボストン市を訪問 しました。

総理は、市内の ケネディ・ライブラリーを視察 した後、ジョン・ケリー国務長官の招待に応じて私邸での夕食会に出席 しました。

視察後、総理は、次のように述べました。

ケネディ大統領のお嬢さん、キャロライン・ケネディさんには、駐日米国大使として様々な仕事に取り組んでいただいております。既に、日本と米国の関係において実績をあげていただいていると思います。
そして、正にケネディ大統領は人類を初めて月に送るという偉大な挑戦をスタートした方であって、今日ライブラリーを拝見させていただきまして、彼の輝くようなリーダーシップにおいて、いかに多くのことを成し遂げることができたかと感じ、改めて感銘を受けました。
また、日本との戦いにおいて負傷されたケネディ大統領が、米国の大統領としては初めて日本を訪問しようとしておられた。日本への深い思いに感銘を受けました。

また、総理は、ネパールにおける地震被害について次のように述べました。

「今回、たくさんの方々が死傷され、日本人も亡くなられたという報告を受けております。御遺族の方々にお悔やみを申し上げたいと思います。日本としても緊急援助隊を既に派遣しておりますが、今後の復旧・復興に対して日本もしっかりと支援していきたいと思っています。」

出典:首相官邸

米国訪問 【2日目】(平成27年4月27日)

安倍総理大臣 ホワイトハウスでの歓迎式典 平成27年4月27日(現地時間)、アメリカ合衆国を訪問している安倍総理は、午前にボストン・マラソン爆破事件跡地を訪問 した後、ハーバード大学ケネディ・スクールを訪問 し、スピーチを行いました。
その後、MIT(マサチューセッツ工科大学)関連施設を訪問 し、MIT関係者との意見交換会に出席、続いてMIT学長及び日本人研究者・日本研究者との面談を行いました。

午後には、ワシントンD.C.を訪れ、アンドリュース空軍基地での到着式典に臨んだ後、バラック・オバマ大統領の案内でリンカーン記念館を視察、散策 しました。
その後、アーリントン国立墓地とホロコースト記念博物館を訪問 しました。

訪問後、総理は、次のように述べました。

「戦後70年、そして、アウシュビッツ解放70年の節目の年に、ホロコースト記念博物館を訪れ、厳粛な気持ちになりました。
『The Holocaust,Never Again.』イスラエルで、私はホロコーストの様な悲劇を二度と繰り返さないとの決意を表明しましたが、本日の展示を見て、一層その決意を強くいたしました。
本日はまた、人間の善意についての希望を思い起こさせてくれる、特別な出会いがありました。リトアニアで杉原千畝が発給したビザによって命を助けられた人々との面会です。一人の勇気ある行動が、何千という尊い命を救うことができました。そして、彼のビザで日本に向かったユダヤ難民を助けた日本の人々も少なからずいました。
彼らの勇気に、私たちは習いたいと思います。また、こうした日本人がいたことを、私は日本人として誇りに思います。
悲劇も善意の勇気も風化させず記憶にとどめ、日本としても、世界の平和と安定のためにより積極的に貢献しなければならない、との決意を新たにしました。ありがとうございました。」

出典:出典:首相官邸

ハーバード大学ケネディ・スクールにおける安倍内閣総理大臣スピーチ

 冒頭、ネパールにおける震災で亡くなられた方々に対し、哀悼の意を表します。日本は既に緊急援助隊の派遣を決定しました。日本はアジアの友人として、あらゆる協力を惜しみません。
皆様こんにちは。ナイ教授のお力添えで大勢の人たちに会え、嬉しく思います。ケンブリッジ・コミュニティーの方々が何を知りたがっているのか。私自身、大いに興味があります。質疑応答の時間が楽しみでもありますし、どきどきもしています。
私の内閣には二人、ケネディ・スクール出身者がいます。厚労大臣の塩崎恭久さんと、農水大臣の林芳正さんであります。担当分野で、何十年ぶりという大改革を進めていただいています。
改革は、たとえその経済合理性に十分説明がついても、周到な政治プロセスを作り上げない限り、成功はしません。
政治プロセスとは、議会と内閣の関係、与党と野党の関係、そして利害関係者や国民、更にはまたマスコミとの関係です。これを適切にマネジメントできなければ、改革は成就できません。
改革を支持する人たちは、多くの場合、多数派です。しかし同時に、モノを言わない多数派でもあります。そして、それに対し、既得権をもつ人たちには、常に発言の場が用意されています。
改革は、政治資本を、政治的な資産を、消費します。歴史が教えるところ、私の国では、ひとつの政権は、ひとつかふたつ、大きな改革を手がけることができればそれで精一杯でした。
それでも私は、矢継ぎ早に改革を進めてきました。これからも、恐れずやります。なぜかというと、いまの日本には、過去のどの時点と比べても、改革を求める意欲が広く国民の間に高まっていると信じるからです。
長引いたデフレ、そのせいで冷えた民間需要、高齢化で貯蓄率が下がり、経済のマクロバランスは悪化する。私の役割は、こういう環境の中 、国民に、もう一度あの、「小さな機関車」のつもりになれるよう仕向けることです。
経済学が教えるように、日本経済を伸ばすには、労働生産性を上げるしかありません。わたしの改革は、女性の活躍を促すことにしろ、外国から知恵と資本を入れることにしろ、さらにはTPPにしても、日本で続いた長年の慣行に風穴を開け、イノベーションを開花させる点、その一点に的を絞っています。
未来に自信を持てる若者を育て、そんな若い世代が日本の経済をさらに強くしていき、グローバル・イシューに取り組んで、日本の価値を高めていく。そういう好循環を作るのが、作っていくのが、私の望みです。日本がまさにこのことによって、米国やアジアの国々にも、必ずや利益をもたらすでしょう。
日本が強くて、頼りがいのある国になると、リバランスを進める米国にとって、利益になります。そして、強い日米同盟は、地域と世界の利益になる、私はそう強く確信しています。
グローバル・イシューというと思い出すものは何ですか。エボラ? 気候変動? 途上国における女性の地位でしょうか。すべての分野で、日本と米国が手を組むと、付加価値を倍加できます。
アマルティア・セン教授らと一緒に、「人間の安全保障」という概念を唱え、普及してきたのは日本でした。貧困との戦いに勝つには、一人ひとりに力をつけなければなりません。そう考えるのが「人間の安全保障」の精髄です。
その一つが、女子教育。先日、ミシェル・オバマ大統領夫人が訪日された際には、これを共通の開発議題にするということを発表しました。日米は、災害に対する協力も前進させています。例えばフィリピンや東南アジア諸国で、一緒に救援、復興の能力増強を図っています。今後とも我々はこうしたことをしっかり進めていきたいと思っています。
と、いうように、私は、いまや日米の同盟は、グローバル・イシューとの闘いに、その価値を見出す時が来たと考えます。
最近、いくつかの調査結果が、東京を世界有数の美しい街として挙げてくれて、嬉しく思っています。
2020年にオリンピック・パラリンピックを開く東京は、これからもっと世界に開かれた街になっていきます。東京のほかにも、隠れた宝石たちが、皆さんを待っています。大変革のさなか、まるで量子的飛躍を遂げつつある日本に、来て、見ていただきたいと思います。日本の若者にも、ハーバードへどんどん行ってほしいと思っています。
最後にもう一度言いますと、改革には、抵抗がつきものです。社会からは、抑え込もうとする圧力が加わります。しかし思慮深く下した判断であるならば、やり遂げなくてはなりません。それが自分の責任だと思っていた時、JFKの残した言葉が甦りました。
リーダーシップとは何か。若きジョン・F・ケネディは、それをgrace under pressureだと表現しています。私もそうありたい。そう思っています。これでおしまいにしましょう。質問にお答えしたいと思います。最後に改めて、ナイ教授に今回のアレンジへの感謝を申し上げます。

2015年4月27日
日本国総理大臣 安倍晋三
出典:首相官邸

米国コロンビア大学・ジョージタウン大学・マサチューセッツ工科大学に対する現代日本政治・外交分野の研究支援

平成27年4月28日

1 4月27日(現地時間同日),訪米中の安倍晋三内閣総理大臣は,マサチューセッツ工科大学を訪問した際に,同大学をはじめとする米国3大学に対し,日本研究を支援するための拠出を行うことを発表しました。

2 本件は,コロンビア大学,ジョージタウン大学,マサチューセッツ工科大学における現代日本政治・外交を主な分野とした日本研究を支援するため,各500万ドルの拠出を実施するものです(コロンビア大学については拠出済)。
各大学は本件拠出金を用いて,現代日本政治・外交を専門とする教授ポストを設置するなど,当該分野の研究活動を拡充する予定です。

3 本件拠出を通じ,これら大学における当該分野の日本研究が一層発展し,将来にわたって米国における対日理解の促進に寄与することを期待します。

(参考)
本件拠出の邦貨予算額は以下のとおり。
コロンビア大学 (平成26年度補正予算) : 4億8,500万円
ジョージタウン大学 (平成27年度予算) : 5億5,000万円
マサチューセッツ工科大学 (同上) : 5億5,000万円

出典:外務省

合わせて読みたい