【南シナ海】中国人民解放軍幹部「南沙諸島埋め立ては軍事目的」明言

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中国軍幹部が、南シナ海の岩礁埋め立ての目的に軍事目的が含まれることを明言した。周辺国や日・米・EUの批判を跳ね返した形だ。

中国のこの発言が行われる2日前の29日、米国防総省のウォーレン報道部長は、中国が南シナ海で造成する人工島の1つに火砲を配備したことを明らかにしていた。これは人工島が軍事目的で使用されることを裏付ける。

火砲の配備については、米紙ウォールストリート・ジャーナルが28日、米政府当局者の話として、自走砲2台が確認されたと報道。ウォーレン部長はこの報道を確認し、「いくつかの武器を特定した。人工島の軍事化に米国は反対している」と非難していた。

中国がアメリカと戦うことになれば負けることははっきりしている。しかし中国は「米国はどうせ動かない」と見切っているのだろう。

中国軍幹部、軍事目的明言

中国人民解放軍の孫建国・副総参謀長は31日、シンガポールのアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で講演し、南シナ海での岩礁埋め立ては「軍事、防衛上の必要なニーズを満たすため」と述べ、軍事目的が含まれていると明言した。

岩礁埋め立てについて、中国軍幹部が公の場で軍事目的に言及したのは初めてとみられる。

孫氏は、埋め立ては「中国の主権の範囲内であり、完全に道理にかない合法だ」と主張し、米国や日本が介入しないようけん制。

カーター米国防長官と中谷元・防衛相は30日に埋め立てに懸念を表明し、カーター氏は「即時中止」を要求していた。

 

講演後の質疑応答で孫氏は、防空識別圏を設定するかどうかを聞かれ、「中国領空への脅威などで総合的に判断する」と述べた。中国は2013年11月に東シナ海上空に防空識別圏を設定しているが、南シナ海での設定の可能性にも含みを持たせた形だ。

孫氏はまた「米国などの代表団が(中国と関係国の)不和の種をまいていることに強く反対する」などと述べ、米国を強く牽制(けんせい)。米国を排除した新たなアジアの安全保障秩序の構築へ向け、環境づくりを図りたい思惑もある。

講演で孫氏は南シナ海の現状について「全体的には平和で安定している」と述べ、航行の自由について「埋め立て後も変化は起きていない」と強調して懸念の払拭に努めた。

参考文献:共同通信・産経新聞 2015.5.31

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