Ukraine

【ロシアのウクライナ侵攻】ゼレンスキー大統領 EU議会で演説<全文>

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ウクライナのゼレンスキー大統領は2022年3月1日、ヨーロッパ議会でオンライン演説を行いました。

演説全文

ご列席の皆様。
実は最近、私はどうあいさつをすればいいか迷っています。

なぜなら、私は
「よい朝を(おはよう)」、
「よい1日を(こんにちは)」、
「よい夜を(こんばんは)」が言えないからです。

私には言えません、これは真実です。なぜなら、間違いなくこの日は誰かにとってよい日ではなく、この夜は誰かにとって最後の夜だからです。

私はいま、命を犠牲にしてわれわれの国と自由を守っているウクライナの市民について話しています。

ここで皆様の団結した雰囲気を感じられて、とてもうれしいです。われわれがEU加盟国の皆様を団結させることができてうれしいです。しかし、これほどの犠牲を払うことになるとは思いませんでした。

このような多くの犠牲は悲劇です。私にとっての悲劇であり、すべてのウクライナ人にとっての悲劇であり、われわれの国全体にとっての悲劇です。

とてつもない犠牲です。数千人もの死者、2回の革命、1回の戦争、5日間のロシアによる本格的な軍事侵攻。

実は、私は話すとき、紙を読み上げているわけではありません。なぜなら、私の国では紙が意味をもたなくなってしまい、すべて現実になってしまったからです。犠牲になった方々も、すべて現実なのです。

価値観や権利、自由のために、あなた方と家族になりたい、あなた方と対等な存在になりたいという願望のために、われわれはいま、最も強くたくましいウクライナ人を犠牲にしています。並外れたウクライナ人を。

そして「絶対に勝つ」とわれわれはよく言ってます。あなた方がそう語っているだけでなく、そう見ていることがとてもうれしいです。そして、私たちは間違いなく勝ちます、私はそう確信しています。

「ウクライナがヨーロッパを選ぶ」という表現があります。私たちが目指していたもの、向かっていた目標です。そして、私はあなた方から「ヨーロッパが選ぶウクライナ」ということばが聞きたいのです。

砲撃が続いているので、あなた方と数分しか話すことができません。

けさはわれわれ全員にとって悲劇でした。2発の巡航ミサイルがハルキウに。ロシアとの国境に近い都市で、昔から多くのロシア人が住んでいて、互いに仲良く、とても温かい関係を築いていました。

20以上の大学があり、国内で最も大学の数が多い場所でした。若者は明るくて賢く、休日には国内最大の広場「自由の広場」に集まっていました。ヨーロッパでも最も大きい広場です。そして、そこは実際に自由の広場なのです。

想像してみてください。2発の巡航ミサイルが自由の広場に。何十人もの犠牲者。これが自由のための犠牲なのです。

われわれは、ただ自分たちの土地と自由のために戦っているだけです。

私のことばを信じてください。われわれの国のすべての大都市がいま封鎖されているにもかかわらず、誰もわれわれの自由とわれわれの国を奪いとることはできません。

信じてください。どんな名前の広場でも、自由の広場と名づけようと思います。それぞれの都市で。われわれを壊すことはできません。われわれは強い、われわれはウクライナ人なのです。われわれの子どもに生きてほしい。

これはもっともな願いだと思います。きのうは16人の子どもが亡くなりました。

プーチン大統領はこれは何かしらの作戦で、軍事インフラを打ち負かしているのだと再び言うでしょう。

われわれの子どもは?
軍事工場で働いている子どもがどこにいるというのですか?
ロケットに?
戦車に乗っているのですか?

あなたが16人の子どもを殺したのです!
皆様、われわれは非常にモチベーションの高い国民です。

われわれの権利、つまり自由と生命のために戦っています。そしていま、われわれはみずからの生き残りをかけて戦っています。

これが私たちの主なモチベーションですが、われわれはヨーロッパの対等なメンバーになるためにも戦っているのです。

そしてきょう、私はそうであることを示していると思います。われわれが一緒なら、EUは間違いなく強くなります。

あなた方がいなければ、ウクライナは孤立してしまうでしょう。われわれは少なくともあなた方と同じくらい強いということを証明しました。

(次は)あなた方が、われわれと共にあると証明してください。

われわれを手放さないと証明してください。

本当にヨーロッパの人であることを証明してください。

そうすれば、生命は死を、光は闇を克服するでしょう。

ウクライナに栄光あれ。

出典:NHK

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