アメリカNSA、日本を盗聴しファイブアイズに提供か | 政治備忘録

アメリカNSA、日本を盗聴しファイブアイズに提供か

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アメリカ 英字新聞

内部告発サイト「ウィキリークス」は31日、米国家安全保障局(NSA)が日本政府中枢や大手企業など35カ所を標的に盗聴を行っていたことを示す内部文書を入手したと公表した。

盗聴の内容は、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド(ファイブアイズ)に提供可能と記載されていたという。

日本政府は「これが事実ならアメリカに遺憾の意を伝える」としたが、米国務省は「日本から抗議ない」と答えている。

日本としては当然抗議はすべきだ。しかし同時に難しい立場でもある。
感情的には「アメリカは、中国のサイバー攻撃に文句言えないね」とでも言ってやりたいところだが、そこは国益がかかっている。

情報の信憑性は分からないが、須田慎一郎氏によると、日本の法律では「ファイブアイズ」への加入は無理でも、「ファイブアイズ+1」という形で日本も参加しようという話が水面下で進んでいるという。

そして、長い間行われてきた盗聴が、何故このタイミングでリークされたのかも考えてしまう。

まず、須田氏の話からご紹介したい。

須田慎一郎「日本もファイブアイズ+1として加入、ベンタゴンとCIAはほぼ合意」

今後、日米間、それのみならず西側の国々とミニタリーの分野で協力体制を整えていきましょうという時に、一方で、インテリジェンスの分野も構築していかなければならないという必要性に迫られている。その動きが水面下で起こってきている。

例えば、“ファイブアイズ”という活動がある。これは、アメリカ・イギリス・カナダ・ニュージーランド・オーストラリア5ヵ国の諜報に関する協定。ニュージーランド・オーストラリアが入っているのは地理的な要因。ここにレーダー、インターネットの情報の補足など、面で対応し、傍受だけでなく盗聴も含めた体制を構築している。

日本は法律上、盗聴はできないが、単独でやるよりも“ファイブアイズ”的な枠の中でやったほうがいいのではないのかという議論が水面下で起こっている。
日本は、様々な法律の制約で、他国のように、盗聴や、他人名義のパスポートを発行したりすることができないから、“シックスアイズ”は無理でも、“ファイブアイズ+1”という中でやっていこうじゃないかという状況になってきている。
要するに、情報を集めることにタッチはできないが、集めた情報に対して日本も利用できるような体制にもっていこうとしている。

これにペンタゴンとCIAはほぼ合意しており、その流れを受けて秘密保護法の制定があった。

〜須田慎一郎・有本香・居島一平〜【虎ノ門ニュース 8時入り!】』7月17日(金)より

この時の須田氏の発言については、以下の記事をご覧ください。

須田慎一郎「佐藤優はインテリジェンスとしてはプロじゃない」
須田慎一郎氏が「例えばね、外務省の分析官の佐藤優さん。インテリジェンスとしてはプロじゃないから彼は」と発言。この発言に関連して、色々まとめました。

ファイブアイズについて

ここでもう少しファイブアイズについて触れてみたい。今回の盗聴内容の報告書には「ファイブアイズ」に提供可能とする記載があったという。

ファイブアイズと聞いてまず思い出すのは、米国家安全保障局(NSA)がメルケル独首相の携帯電話を盗聴していたのがバレたときのこと。
NSAはこのとき、メルケル首相の通話記録だけでなく通話内容も入手していた。これは、米国内では令状なしには入手できない。

ファイブアイズは諜報活動で得た情報を共有するだけでなく、「非スパイ協定」を結んでいる。要するに、加盟している5ヵ国は、お互いのスパイ活動は行わない

だからメルケル首相は、ファイブアイズに触れながら「Unlike David, we are unfortunately not part of this group(デビッドと違い、残念ながらわれわれはこのグループからはずされています)」と皮肉った。デビッドとは、デビッド・キャメロン英首相のこと。

ファイブアイズ

UKUSA協定と呼ばれる、アングロサクソン系5ヵ国(米国、英国、およびカナダ、オーストラリア、ニュージーランド)で構成される国際諜報同盟。もともとは第2次大戦中に米英が結んだ秘密条約で、戦後、英連邦のカナダ、オーストラリア、ニュージーランドも加わった。
「UKUSA」は「United Kingdom - United States of America」の頭字語とされる。


このアングロサクソンの同盟に、プラス1とは言え盗聴もできない日本が加わることができるのか? わたしには信憑性は分からない。しかし、最近の外交を見ていると、このような話が進んでいることを完全に否定する気にもなれない。

また、この情報をリークする側にしてみれば、当然、一番効果的なタイミングを見計らっているはずだ。
いま日米関係が悪化して一番得をするのはどの国か・・・まず思い浮かぶのは中国だろう。

時は安保法制が話し合われる真っ最中。6月の日本年金機構ハッキング問題同様、このタイミングでリークされたということに、わたしは意図を感じる

アメリカは世界を掻き乱す面倒な国でもあるが、世界の中で群を抜いた軍事力を持つ強力な国でもある。日本としては複雑な感情もあるが、国益を思えば感情で判断してはならないと思う。

だから、抗議はすべきだが、高度な判断をしなければならない。そして今は、反米感情の高まりを抑えるべきだと思うし、(ここでちゃぶ台返しをしてしまうが)スパイ活動は当然のように行われているということを、日本人はもっと知るべきだ…と秘密保護法の議論を思い出して思う。

米国家安全保障局(NSA)による盗聴

少なくとも第1次安倍政権(2006年9月~07年8月)の頃から、日本政府中枢や大手企業の三菱商事など35カ所を標的に盗聴を行っていた。

盗聴リスト(35カ所)

盗聴リストには、以下の名前や電話番号が記載されていたと報道されている。

内閣事務局の交換台
官房長官の秘書官
経済産業相
財務省

三菱商事の天然ガス部局
三井物産の石油部門など

「政府VIPライン」と呼ばれる回線

黒田東彦・日銀総裁
日銀職員の自宅電話

報告書

盗聴した内容を記した報告書5点も公表された。

世界貿易機関(WTO)交渉
地球温暖化対策
原子力エネルギー政策
日米・日欧関係など
07年4月の安倍晋三首相の訪米に先立って、首相官邸や外務省の間で行われていたやりとり

一部は「極秘」扱いに指定されていた。

首相が07年5月に発表した世界全体の温室効果ガスの半減目標について「外務省は米国の反対を考え、事前に知らせないことを検討している」「首相官邸での協議で首脳会談で明言することが決まったようだ」と記していた。

「ファイブアイズ」に提供

報告書の中には、米国が「ファイブアイズ」に提供可能とする記載があった。

日本政府の反応

米国に事実関係を確認したうえで抗議する方針。
政府高官は「事実であれば、遺憾であると外交ルートを通じて米側に伝える」と表明。

盗聴内容は第1次安倍政権時代にさかのぼるため、政府高官は「もし事実ならいまも続いている可能性がある」としつつも「現時点では事実かどうか確認できておらず、怪文書と同じレベルだ」とも語った。

参考文献:日本経済新聞 2015.07.31

菅義偉官房長官 記者会見(3日午前)

「仮に事実なら同盟国として極めて遺憾だと思う」
「クラッパー米国家情報長官と連絡を取り合い、事実関係の確認を強く求めている」
「機密の取り扱い体制は万全を期している」

参考文献:産経新聞 2015.08.03

日本企業の反応

日銀は「情報収集中」
三井物産と三菱商事は「事実関係を確認中」

米政府の反応

米国務省 トナー副報道官(記者会見 7月31日)

「このような機密文書とされるものに信頼性を与えたくないので反応しない」
「機密とされる文書の公表については答えられない」
「日本政府から公式あるいは非公式な抗議を我々は受けていない」
「日本がこれを問題視しているとは認識していないが、仮に日本がそうであったとしても、我々は話し合い、情報共有を含む緊密な協力関係の継続を期待している」

今回の問題が日米同盟に与える影響について「日本は強固な米国の同盟国であり、日米関係はアジア太平洋地域の平和と繁栄の礎石であり続けている。このことは変わっていない」

TPP交渉について「日米関係はアジア太平洋地域の平和と繁栄の基軸であり続け、我々はさらなる関係強化を望む」

米国務省 トナー副報道官(記者会見 8月3日)

日本が抗議

「議論の内容について話すつもりはないが、連絡は取り合っている」
「日本は米国の揺るぎないパートナーであり、地域の同盟国だ」

参考文献:共同通信 2015.08.04

参考文献:時事通信・日本経済新聞 2015.07.31、朝日新聞・産経新聞 2015.08.01

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