アメリカと北朝鮮

【北朝鮮ミサイル発射】ほぼ同時にアメリカがICBM発射、各国の動き

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北朝鮮は2019年5月9日、4日に続いて更なるミサイル発射。その一方、アメリカでは11分後にICBMの発射実験が行われていました。

以下、北朝鮮のミサイル発射に関する日米韓の動きをまとめました。

米朝ほぼ同時にミサイル発射

Newsweak によると、アメリカと北朝鮮は5月9日、ほぼ同時にミサイルの発射実験を行っています。記事をご紹介しましょう。

ほとんど報じられていないが、9日の北朝鮮の1発目の発射実験から11分後には、アメリカも大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行った。カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から、約6700キロ離れた南太平洋・マーシャル諸島のクェゼリン環礁に向けて発射された。

米国防総省は、以前から予定されていた実験と説明

両国の発射実験がほぼ同時刻だったにもかかわらず、またアメリカと北朝鮮は先週も数日の間を開けてミサイル発射実験を行っているが、米空軍の地球規模攻撃軍団(AFGSC)の広報は9日、米軍の「ICBM発射実験は、世界的なできごとや地域情勢の緊張に反発、反応したものではない」とコメントした。

米国防総省は、ICBM発射実験はかなり以前から予定され、今年2月には米露が偶然、約1時間半の間に相次いでICBM発射実験を実施したこともある、と話している。

今月の2回の実験で米軍が発射したのは、核戦略のトライアド(三本柱=ICBM・潜水艦発射ミサイル・空中発射巡航ミサイル)のうちICBMとして運用されている唯一のミサイル「LGM-30G ミニットマンIII」。核弾頭の搭載も可能。

さらに9日のICBM発射実験の数時間後には、米海軍のオハイオ級原子力潜水艦ロードアイランドが、フロリダ州の沖合で核弾頭の搭載が可能なミサイルの発射実験を行った。

日米の防衛当局は「短距離弾道ミサイル」と断定

日米は、9日発射した飛翔体を「短距離弾道ミサイル」と断定。これにより国連安全保障理事会の制裁決議に違反する可能性が高まりました。

一方、韓国政府は依然「具体的な種類などに関しては韓米軍当局が引き続き分析中だ」と語っています😅

迎撃が難しいイスカンデル

専門家らの話によると、北朝鮮が「新型の戦術誘導兵器」と呼ぶこの短距離弾道ミサイルは、ロシアの「イスカンデル」の模倣との見方が強いようです。

イスカンデルの特徴は、低高度で複雑な軌道を描くため在韓米軍のミサイル防衛システムでも迎撃が難しいそうで、事実であれば韓国や在韓米軍への新たな脅威となります。

トランプ「米朝関係継続するが、北朝鮮の準備ができていない」

トランプ大統領は記者団に以下のように語りました。

「(ICBMではなく)もっと小さい、短距離ミサイルだ。誰も幸せではないが、今後の事態を注視する」
「米朝関係は今後も継続する。しかし今後の推移を見守りたい。北朝鮮は交渉を継続したがっているが、その準備が北朝鮮はできていない」

トランプ大統領は、北朝鮮の制裁解除には応じない構えを崩していませんが、米朝関係は継続すると語っています。

外務省プレスリリース

北朝鮮情勢を受けた米国及び韓国との連携

令和元年5月9日

1 本9日午後,長嶺安政駐韓大使は,訪韓中のスティーブ・ビーガン米国北朝鮮担当特別代表(Mr. Stephen E. Biegun, the U.S. Special Representative for North Korea)及び李度勲(イ・ドフン)韓国外交部朝鮮半島平和交渉本部長との間で,それぞれ電話にて意見交換を行いました。

2 また,本9日午後,訪韓中の船越健裕北米局参事官は,同じく訪韓中のマーク・ナッパー米国国務省次官補代理代行(Mr. Marc Knapper, Acting Deputy Assistant Secretary, U.S. Department of State)との間で,電話にて意見交換を行いました。

3 いずれの意見交換においても,今般の北朝鮮による何らかの飛翔体の発射の情報を受け,情報を確認・共有していくとともに,引き続き日米,日韓,日米韓で緊密に連携していくことを確認しました。

外務省

安倍首相は相手にせず

安倍総理 北朝鮮による飛翔体発射についての会見

安倍首相は9日、総理大臣官邸で会見を行い、「現時点で、我が国の安全保障に影響があるような事態は確認されていません」と語りました。

日米韓の抑制的な反応に、分かれる意見

日本・アメリカ・韓国は、理由は異なるにせよ三者揃って抑制的な反応をしていますが、このことについて日本国内では意見が分かれているようです。

主なものは「抑制的に対応することで、北朝鮮は少しずつ行動範囲を広げてきた。厳しく対応すべきだ」という意見。一方、「相手にすれば、ミサイルを発射したら交渉に応じてもらえるという誤ったメッセージを送ることになる」という意見。

日本としては拉致問題交渉への足掛かりをなくしたくないうえ予測不能な国だけに、難しい政治判断が求められます。

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