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【70年談話】安倍首相談話・記者会見質疑応答<全文・動画>

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2015.08.20 動画 貼付

政府は今日の臨時閣議で、戦後70年の安倍首相談話を決定しました。
18時から安倍首相が記者会見し、戦後70年の安倍首相談話を以下の通り発表しました。

内閣総理大臣談話

(会見時、談話冒頭に追加された発言)

8月は、私たち日本人にしばし立ち止まることを求めます。今は遠い過去なのだとしても、過ぎ去った歴史に思いを致すことを求めます。
政治は歴史から未来への知恵を学ばなければなりません。

平成27年8月14日
[閣議決定]

終戦七十年を迎えるにあたり、先の大戦への道のり、戦後の歩み、二十世紀という時代を、私たちは、心静かに振り返り、その歴史の教訓の中から、未来への知恵を学ばなければならないと考えます。

百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。

世界を巻き込んだ第一次世界大戦を経て、民族自決の動きが広がり、それまでの植民地化にブレーキがかかりました。この戦争は、一千万人もの戦死者を出す、悲惨な戦争でありました。人々は「平和」を強く願い、国際連盟を創設し、不戦条約を生み出しました。戦争自体を違法化する、新たな国際社会の潮流が生まれました。

当初は、日本も足並みを揃えました。しかし、世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった。こうして、日本は、世界の大勢を見失っていきました。

満州事変、そして国際連盟からの脱退。日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました。

そして七十年前。日本は、敗戦しました。

戦後七十年にあたり、国内外に斃れたすべての人々の命の前に、深く頭を垂れ、痛惜の念を表すとともに、永劫の、哀悼の誠を捧げます。

先の大戦では、三百万余の同胞の命が失われました。祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、戦陣に散った方々。終戦後、酷寒の、あるいは灼熱の、遠い異郷の地にあって、飢えや病に苦しみ、亡くなられた方々。広島や長崎での原爆投下、東京をはじめ各都市での爆撃、沖縄における地上戦などによって、たくさんの市井の人々が、無残にも犠牲となりました。

戦火を交えた国々でも、将来ある若者たちの命が、数知れず失われました。中国、東南アジア、太平洋の島々など、戦場となった地域では、戦闘のみならず、食糧難などにより、多くの無辜の民が苦しみ、犠牲となりました。戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません。

何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた事実。歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。一人ひとりに、それぞれの人生があり、夢があり、愛する家族があった。この当然の事実をかみしめる時、今なお、言葉を失い、ただただ、断腸の念を禁じ得ません。

これほどまでの尊い犠牲の上に、現在の平和がある。これが、戦後日本の原点であります。

二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。

事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない。植民地支配から永遠に訣別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。

先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら不戦の誓いを堅持してまいりました。七十年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たちは、静かな誇りを抱きながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。

我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。

こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。

ただ、私たちがいかなる努力を尽くそうとも、家族を失った方々の悲しみ、戦禍によって塗炭の苦しみを味わった人々の辛い記憶は、これからも、決して癒えることはないでしょう。

ですから、私たちは、心に留めなければなりません。

戦後、六百万人を超える引揚者が、アジア太平洋の各地から無事帰還でき、日本再建の原動力となった事実を。中国に置き去りにされた三千人近い日本人の子どもたちが、無事成長し、再び祖国の土を踏むことができた事実を。米国や英国、オランダ、豪州などの元捕虜の皆さんが、長年にわたり、日本を訪れ、互いの戦死者のために慰霊を続けてくれている事実を。

戦争の苦痛を嘗め尽くした中国人の皆さんや、日本軍によって耐え難い苦痛を受けた元捕虜の皆さんが、それほど寛容であるためには、どれほどの心の葛藤があり、いかほどの努力が必要であったか。

そのことに、私たちは、思いを致さなければなりません。

寛容の心によって、日本は、戦後、国際社会に復帰することができました。戦後七十年のこの機にあたり、我が国は、和解のために力を尽くしてくださった、すべての国々、すべての方々に、心からの感謝の気持ちを表したいと思います。

日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。

しかし、それでもなお、私たち日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります。

私たちの親、そのまた親の世代が、戦後の焼け野原、貧しさのどん底の中で、命をつなぐことができた。そして、現在の私たちの世代、さらに次の世代へと、未来をつないでいくことができる。それは、先人たちのたゆまぬ努力と共に、敵として熾烈に戦った、米国、豪州、欧州諸国をはじめ、本当にたくさんの国々から、恩讐を越えて、善意と支援の手が差しのべられたおかげであります。

そのことを、私たちは、未来へと語り継いでいかなければならない。歴史の教訓を深く胸に刻み、より良い未来を切り拓いていく、アジア、そして世界の平和と繁栄に力を尽くす。その大きな責任があります。

私たちは、自らの行き詰まりを力によって打開しようとした過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきである。この原則を、これからも堅く守り、世界の国々にも働きかけてまいります。唯一の戦争被爆国として、核兵器の不拡散と究極の廃絶を目指し、国際社会でその責任を果たしてまいります。

私たちは、二十世紀において、戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、そうした女性たちの心に、常に寄り添う国でありたい。二十一世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしてまいります。

私たちは、経済のブロック化が紛争の芽を育てた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、いかなる国の恣意にも左右されない、自由で、公正で、開かれた国際経済システムを発展させ、途上国支援を強化し、世界の更なる繁栄を牽引してまいります。繁栄こそ、平和の礎です。暴力の温床ともなる貧困に立ち向かい、世界のあらゆる人々に、医療と教育、自立の機会を提供するため、一層、力を尽くしてまいります。

私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。

終戦八十年、九十年、さらには百年に向けて、そのような日本を、国民の皆様と共に創り上げていく。その決意であります。

 平成二十七年八月十四日
内閣総理大臣 安倍晋三

(会見時、談話の後に追加された発言)

以上が、私たちが歴史から学ぶべき未来への知恵であろうと考えております。
冒頭、私は、21世紀構想懇談会の提言を歴史の声として受けとめたいと申し上げました。同時に、私たちは歴史に対して謙虚でなければなりません。謙虚な姿勢とは、果たして聞き漏らした声がほかにもあるのではないかと、常に歴史を見つめ続ける態度であると考えます。
私は、これからも謙虚に、歴史の声に耳を傾けながら未来への知恵を学んでいく、そうした姿勢を持ち続けていきたいと考えています。
私からは以上であります。

【質疑応答】

(内閣広報官)

それでは、これから質疑に移ります。質問される方、私のほうから指名させていただきます。所属とお名前を明らかにされた上でお願いいたします。なるべく多くの方に質問をしていただけるよう、各自の質問は簡潔にお願いしたいと思います。
それでは、初めに幹事社から御質問をいただきます。どうぞ。

(記者)

幹事社の共同通信の杉田と申します。
総理は、戦後70年談話について、世界に発信するものだと位置づけてきました。国内外に最も伝えたいメッセージは何でしょうか。また、過去の村山談話や小泉談話と違う形で、お詫びの気持ちや侵略の文言を入れた理由をお聞かせください。

(安倍総理)

戦後70年という大きな節目に当たり、先の大戦への道のり、戦後の歩み、20世紀という時代を大きく振り返りながら、その教訓を胸に刻み、戦後80年、90年、100年に向けて、どのような日本を創り上げていくのか、それを世界に向けて発信したいと考えました。
作成に当たっては、国民の皆様とともに、日本が目指すべき国家像を描くという意味で、できるだけ多くの国民と共有できるような談話を作っていく、そう心がけました。より幅広い国民とメッセージを共有するという観点からは、一部だけを切り取って強調することよりも、談話全体としてのメッセージを御覧いただきたい、受け取っていただきたいと思います。
先の大戦における行いに対するお詫びの気持ちは、戦後の内閣が一貫して持ち続けてきたものであると考えています。そうした気持ちが戦後50年においては村山談話という形で表明され、さらに60年を機に出された小泉談話においてもそのお詫びの気持ちは引き継がれてきたと考えています。こうした歴代内閣が表明した気持ちを私の内閣においても揺るぎないものとして引き継いでいく。そして、恐らく今後の内閣もそうでしょう。そのことを今回の談話の中で明確にしたところであります。
次に、侵略という言葉についてでありますが、今回の談話は21世紀構想懇談会において有識者の方々が共有した認識、その報告書の上に立って作成したものであります。その報告書の中にもあるとおり、中には侵略と評価される行為もあったと思います。だからこそ、談話においては事変、侵略、戦争といった言葉を挙げながら、いかなる武力の威嚇や行使も国際紛争を解決する手段としてはもう二度と用いてはならないことを先の大戦への深い悔悟の念と共に誓ったと表現しました。
先の大戦における日本の行いが侵略という言葉の定義に当てはまれば駄目だが、当てはまらなければ許されるというものではありません。かつて日本は世界の大勢を見失い、外交的・経済的な行き詰まりを力の行使によって打開し、あるいはその勢力を拡大しようとしました。その事実を率直に反省し、これからも法の支配を尊重し、不戦の誓いを堅持していくということが今回の談話の最も重要なメッセージであると考えています。その上で、具体的にどのような行為が侵略に当たるか否かについては歴史家の議論に委ねるべきであると考えています。
重要な点は、いかなる武力の威嚇や行使も国際紛争を解決する手段としてはもう二度と用いてはならないということであります。これが私たちが過去から学び、教訓とし、反省すべきことであると考えます。

(内閣広報官)

それでは、幹事社の方、もう一社、どうぞ。

(記者)

東京新聞の関口と申します。
総理は、2009年ですが、月刊誌の対談で村山談話について、村山談話以降、政権が代わるたびにその継承を迫られるようになる。まさに踏み絵です。村山さんの個人的な歴史観に日本がいつまでも縛られることはない、と述べておられます。これらの発言と今回の談話の整合性について、分かりやすく説明してください。

(安倍総理)

村山談話につきましては、これまでも全体として引き継ぐと繰り返し申し上げてきたとおりであります。同時に私は、政治は歴史に対し謙虚であるべきであるとも申し上げてきました。その信念のもと、今回の談話の作成に当たっては、21世紀構想懇談会を開き、学者、歴史家をはじめ、有識者の皆さんにお集まりをいただき、20世紀の世界と日本の歩みをどう捉えるか、大きく世界と時代を超えて俯瞰しながら御議論をいただきました。視座や考え方の異なる有識者の皆さんが、最終的に一定の認識を共有できました。
私はこの21世紀構想懇談会の報告書を歴史の声として受けとめたいと思います。そして、その報告書の上に立って、先の大戦への道のり、20世紀という時代を振り返りながら、その教訓を胸に刻んで、日本がどのような国をつくり上げていくべきか。戦後70年の大きな節目に当たって談話として取りまとめたものであります。
その上で、これからも果たして聞き漏らした声があるのではないか。ほかにもあるのではないかと常に謙虚に歴史の声に耳を傾け、未来への知恵を学んでいく。そうした姿勢を持ち続けていきたいと考えています。

(内閣広報官)

これからは幹事社以外の方の御質問をお受けしますので、御希望される方は挙手をお願いします。私が指名いたします。再度、自らお名前と社名を明らかにした上でお願いします。

(記者)

産経の阿比留です。
今回の談話には、未来の子供たちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりませんとある一方で、世代を超えて過去の歴史に真正面から向き合わなければなりませんと書かれています。
これはドイツのヴァイツゼッカー大統領の有名な演説の、歴史から目をそらさないという一方で、自らが手を下してはいない行為について、自らの罪を告白することはできないと述べたのに通じるような気がするのですが、総理のお考えをお聞かせください。

(安倍総理)

戦後から70年が経過しました。あの戦争には何ら関わりのない私たちの子や孫、その先の世代、未来の子供たちが謝罪を続けなければいけないような状況、そうした宿命を背負わせてはならない。これは今を生きる私たちの世代の責任であると考えました。その思いを談話の中にも盛り込んだところであります。
しかし、それでもなお私たち日本人は、世代を超えて過去の歴史に真正面から向き合わなければならないと考えます。まずは何よりも、あの戦争の後、敵であった日本に善意や支援の手を差し伸べ、国際社会に導いてくれた国々、その寛容な心に対して感謝すべきであり、その感謝の気持ちは世代を超えて忘れてはならないと考えています。
同時に、過去を反省すべきであります。歴史の教訓を深く胸に刻み、より良い未来を切り拓いていく。アジア、そして世界の平和と繁栄に力を尽くす。その大きな責任があると思っています。
そうした思いについても、あわせて今回の談話に盛り込んだところであります。

(内閣広報官)

では、イザベルさん。

(記者)

ブルームバーグニュースのレイノルズです。
今回の談話の効果の期待についてお聞きしたいのですけれども、例えば今年中に中国に訪問して、習近平国家主席と3回目の首脳会談を行う可能性が高くなると思いますか。
そして、今のタイミングですけれども、大変中国の経済後退が懸念されているところですけれども、その中での談話のインパクトが薄れる可能性はあると思いますでしょうか。

(安倍総理)

中国の皆さんには、戦後70年に当たっての我が国の率直な気持ちを、ありのまま受けとめていただきたいと願っています。
中国とは習近平国家主席との2度にわたる首脳会談を通じて、戦略的互恵関係の考え方に基づいて関係を改善していくことで一致しています。日本と中国は地域の平和と繁栄に対して大きな責任を共有しています。両国の経済関係は非常に密接であり、今後も様々なレベルで対話を重ねながら、安定的な友好関係を発展させ、国際社会の期待に応えていきたいと思っておりますし、首脳会談についても、機会があればそういう機会を生かしていきたいと考えております。日本の対話のドアは常にオープンであります。

(内閣広報官)

さらにいかがでございますか。
では、七尾さん。

(記者)

ニコニコ動画の七尾です。よろしくお願いします。
談話を踏まえまして、安保法案についてお聞きします。改めて、法案に関します識者などの御発言を見ていきますと、その中の一つに軍事をめぐる中国の動向を脅威と見るか見ないかで、安保法案に対する賛否が分かれるといった傾向が見られます。
こうした考えの隔たりは国民も見ていると思うのですが、いずれにしましても、日本の安全保障上、このような大きな認識の違いをどう御覧になっているのでしょうか。
よろしくお願いします。

(安倍総理)

70年前、私たち日本人は二度と戦争の惨禍を繰り返してはならないという不戦の誓いを立てました。この不戦の誓いは今後も決して変わることはありません。
今回の平和安全法制は、戦争を未然に防ぐためのものであります。まずもって外交を通じて平和を守る。このことが重要であることは言うまでもないと思います。今後とも、積極的な平和外交を展開してまいります。
その上で、万が一への備えも怠ってはなりません。この法案は、国民の命、平和な暮らしを守り抜いていくためのものであります。もちろん特定の国を想定したものではありません。今回の法制によって、日本が危険にさらされたときには、日米同盟が完全に機能する。このことを世界に発信することによって紛争を未然に防ぐ力はさらに強くなっていく、高まっていく。日本が攻撃を受ける可能性はより低くなっていくと考えています。
国民の皆様の御意見、御批判にも真摯に耳を傾けながら、この大切、必要な法制について理解が深まるように今後も努力を重ねていく考えであります。

(内閣広報官)

それでは、もう一問だけ質問をいただきます。
では、竹内さん。

(記者)

日本テレビの竹内です。
歴史認識の問題など、やはり国民の間でも意見が分かれている部分があると思うのですけれども、そういう中でこの談話、あえて総理が込められた、国民への思いとか、国民にどう受け取ってほしいかというメッセージはどういうところなのでしょうか。

(安倍総理)

まず、今回の談話においては、より多くの皆様に御賛同していただけるものを作成していきたいと考えました。
その上において、アジアの国々をはじめ、多くの国々と共に未来への夢を紡ぎ出していく、そういう基盤にしていきたいと考えたところであります。
今回の談話を作成するに当たりまして、「国策を誤り」といった抽象的な用語に終わらせることなく、どのように針路を誤ったか、歴史の教訓を具体的に酌み取らなければならないと考えました。そして、21世紀構想懇談会を設けて、有識者の皆さんに、その具体的な作業をお願いしたわけであります。
世界に目を向ければ、残念ながらいまだ紛争は絶えません。ウクライナ、南シナ海、東シナ海など、世界のどこであろうとも、力による現状変更の試みは決して許すことはできない。また、貧困やテロの問題は深刻さを増している現実があります。
そうした時代にあって、70年前の歴史から学べる教訓を発信していくことは、日本一国のみならず、世界に対しても大きな現代的な意義を持つと考えています。

(内閣広報官)

以上をもちまして、予定した時間を回りましたので、会見を終わらせていただきます。皆様の御協力に感謝を申し上げます。ありがとうございました。

(安倍総理)

ありがとうございました。

出典:首相官邸

「21世紀構想懇談会」メンバーの一人、宮家邦彦氏の話

過去の談話は反省とおわびにばかり重点が置かれてきたが、今回の談話はより総合的で成熟した内容という印象だ。

戦争に至る当時の国際環境や、日本がなぜ国策を誤ったかについて丁寧に説明している。
『頭を垂れる』『痛惜』という自分自身の言葉を使っており、外交的にもバランスがとれている。

保守政治家として知られる安倍晋三首相が、右でも左でもない客観的な内容の談話を発表したことで、歴史認識に関する国論の分裂を修復する第一歩になるのではないか。

出典:産経 2015.8.14

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安倍内閣総理大臣記者会見<動画>

//www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/0814kaiken.html

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