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【APEC 2014】北京APEC 首脳会議 日露・日中首脳会談概要

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アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が10日午後(日本時間同)、中国・北京で開幕した。

 

日露首脳会談 平成26年11月9日

11月9日午後9時30分(北京時間)から約90分間,安倍総理は,APEC首脳会議出席のため訪問中の中国・北京において,プーチン・ロシア連邦大統領と首脳会談を行った(最後に約10分間の首脳間のみのやり取りを含む。)。第一次安倍政権を含めると,安倍総理とプーチン大統領との会談は10回目。十分に時間をとって会談を行うのは2月のソチ五輪の際の首脳会談以来であり,両首脳は和やかな雰囲気で議論を行い,個人的信頼関係を維持・再確認するものとなった。

1 冒頭発言

会談の冒頭,プーチン大統領から,モスクワにおいて日本武道代表団の演武会に出席したことに言及しつつ,同代表団の派遣に感謝の意の伝達があった。また,これは,日本文化の大きな一部であり,それ(日本文化)は,経済においても,政治分野においても近年極めて順調に発展してきた二国間関係の発展の最良の基礎である旨述べた。さらに,政治分野について,平和条約締結に向けた交渉の再開も念頭に置いている旨述べ,APEC首脳会議の機会に安倍総理と会談し,日露の協力関係のあらゆる側面について共に分析する機会があり嬉しく思う旨述べた。
これに対し安倍総理から,ASEMの際の会談に続きお会いできて嬉しい,今回の会談は第一次政権から数えると10回目であると述べた。また,今般,日本武道代表団の演武会を見ていただいて感謝,柔道家であるウラジーミルの武道への理解,日本への理解が日露関係の発展にとって重要と述べた上で,本日は,しっかり時間をとって,日露関係全般及び国際情勢につき意見交換したい旨述べた。

2 今後の政治日程

両首脳は,明年の適切な時期にプーチン大統領訪日を実現するための準備を具体的に開始することで一致した。その準備として,外務次官級協議等を実施し,岸田外務大臣の訪露についても引き続き検討していくこととなった。

3 平和条約締結問題

安倍総理から,今後の平和条約締結交渉の進め方に関し,昨年4月の共同声明(PDF)PDFに基づき進めていくことを中心とする考え方を述べた上で,プーチン大統領との間で率直な意見交換が行われた。

4 各分野における協力

両首脳は,2月のソチ五輪の際の日露首脳会談以降も,日露間の実務協力が進んでいることを確認した。経済関係については,例えば,都市環境や極東の農業等の分野で協力プロジェクトが行われていること,文化・スポーツ交流については,日露武道交流年の目玉行事として日本武道代表団をモスクワに派遣中であり,また,来週サンボの世界選手権が日本で開催されること等が指摘された。

5 国際情勢

(1)ウクライナ情勢については,安倍総理から,東部での分離派によるいわゆる「選挙」が事態を複雑化させていることへの憂慮を表明し,停戦合意の完全履行と事態の改善に向けロシアが建設的役割を果たすことを強く求めた。これに対しプーチン大統領からは,ロシア側の立場について説明があった。

(2)また,ISIL問題を始めとするテロとの闘い,北朝鮮を含むアジア情勢等についても,率直な意見交換を行った。

出典:外務省ホームページ

 

日中首脳会談 平成26年11月10日

APEC首脳会議出席のために中国・北京を訪問中の安倍総理は、11月10日(月曜日)11時(日本時間12時)50分頃から約25分間、習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席との間で日中首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおり(日本側同席者:加藤官房副長官、谷内国家安全保障局長、木寺駐中国大使他、中国側同席者:楊潔チ国務委員他)。

会談室に入る前、習主席が安倍総理を迎えた際、安倍総理から、こうしてお会いできうれしいと述べつつ、両首脳は握手を交わした。

1. 冒頭、習近平主席から、安倍総理の今回の北京APECへの参加に対する歓迎の言葉を述べた上、安倍総理からの発言を促した。

2. 安倍総理からの主な発言は以下のとおり。

(1) APEC首脳会合への出席にあたり、習主席はじめ中国の皆さんから温かい歓迎を受けたことに感謝している。APECは日本としても重視しており、貴主席と最大限協力して、今回のAPEC首脳会合の成功に寄与したい。

(2) 習主席とは今回が初めての正式な会談だが、これを契機として、習主席とともに日中関係の改善に努めていきたい。

(3) 習主席は、就任以来、国内の経済改革等に大胆に取り組み、力強いリーダーシップを発揮しておられる。私も日本の経済と社会に活力を取り戻すことに尽力している。

(4) 中国の平和的発展は国際社会と日本にとって好機であり、その好機を活かし、世界第2、第3の経済大国として協力しつつ、地域と国際社会の平和と繁栄に向けた両国の責任を共に果たしていきたい。

(5) 我が国は引き続き平和国家としての歩みを堅持し、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の下、世界の平和と安定に一層貢献していく。

(6) 私の日中関係に対する思いは2006年10月の訪中時から全く変わっておらず、両国は先般公表した4項目の一致点を踏まえ、今こそ「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻り、それを再構築すべき。

(7) 日中間には、隣国同士、個別の問題もあるが、それにより全般的関係を損なうことは避けるべき。我が国の具体的関心は外相会談で既にお伝えしている。是非、前向きに対応してほしい。

(8) 習主席と自分との間では、大局的、長期的な視点から 21世紀の日中関係のあり方を探求したい。私としては、(ア)国民間の相互理解の推進、(イ)経済関係の更なる深化、(ウ)東シナ海における協力、(エ)東アジアの安全保障環境の安定、の4点につき双方が様々なレベルで協力していくことが重要と考える。

(9) 特に、防衛当局間の海上連絡メカニズムの早期運用開始等、安全保障分野の対話や協力を推進することで、相互不信の芽を摘み取り、地域と国際社会の平和と安定に共に貢献していきたい。

(10) 私は先月、中国のバレエ劇「朱鷺(トキ)」を鑑賞した。こうした文化交流は重要であり、自分としても一層促進したい。

さらに、安倍総理より、地域と国際社会の共通の課題にも日中が協力して対処すべきであるとして、北朝鮮情勢とエボラ出血熱対策についてごく簡単に触れた。

3. これに対する習近平主席からの主な発言は以下のとおり。

(1) 日中間の4つの基本文書と今回の4項目の一致点を踏まえて、戦略的互恵関係に従って、日中関係を発展させていきたい。

(2) 中国の平和的発展はチャンスだという日本側の発言を重視している。日本には、歴史を鑑とし、引き続き平和国家の道を歩んでほしい。

(3) 我々が今回会ったことは、関係改善に向けた第一歩である。今後、様々なレベルで徐々に関係改善を進めていきたい。また、APECにおける協力を進めていきたい。

(4) 海上での危機管理メカニズムについては、既に合意ができており、あとは事務レベルで意思疎通を継続していきたい。

出典:外務省ホームページ

 

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