日米共同記者会見

【菅首相訪米】日米首脳会談<概要>、日米首脳共同声明<全文>、日米共同記者会見 <冒頭発言>

令和3年4月15日(現地時間)、菅総理は、アメリカ合衆国のワシントンD.C.を訪問しました。

翌16日(現地時間)、総理は、アーリントン国立墓地で献花をした後、カマラ・ハリス副大統領による表敬を受けました。

午後には、ホワイトハウスでジョセフ・バイデン大統領と会談及び共同記者会見を行い、共同声明を発出しました。その後、日米首脳会談等について会見を行いました。


日米首脳会談(令和3年4月16日)

日米首脳会談

現地時間16日午後13時40分(日本時間午前2時40分)から、ワシントンDC訪問中の菅義偉内閣総理大臣は、ジョセフ・バイデン米国大統領(The Honorable Joseph R. Biden, Jr. President of the United States of America)と日米首脳会談を行ったところ、概要以下のとおりです(計150分間(テタテ(1対1)会合を約20分間、少人数会合を約55分間、拡大会合を65分間)実施。)。また、両首脳は共同声明を発出しました。

  1.  冒頭、バイデン大統領から、バイデン政権発足後初めて訪米する外国首脳として菅総理を心から歓迎する旨述べました。これに対して、菅総理から、バイデン大統領の友情とおもてなしに対する深い謝意を述べました。
  2.  両首脳は、自由、民主主義、人権、法の支配等の普遍的価値を共有し、インド太平洋地域の平和と繁栄の礎である日米同盟をより一層強化していくことで一致しました。また、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、日米両国が、豪州やインド、ASEANといった同志国等と連携しつつ、結束を固め、協力を強化していくことを確認しました。
  3.  また、両首脳は、中国、北朝鮮、韓国、ミャンマー等の地域情勢について意見交換を行いました。
    (1)両首脳は、インド太平洋地域と世界全体の平和と繁栄に対して中国が及ぼす影響について意見交換を行いました。東シナ海や南シナ海における一方的な現状変更の試みや、威圧に反対することで一致しました。その上で、こうした問題に対処する観点から、中国との率直な対話の必要性が指摘されるとともに、普遍的価値を擁護しつつ、国際関係における安定を追求していくことで一致しました。
    (2)北朝鮮については、両首脳は、北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認し、北朝鮮に対して国連安保理決議の下での義務に従うことを求めることで一致しました。また、菅総理から、拉致問題の即時の解決に向けて引き続きの理解と協力を求め、バイデン大統領から、拉致問題の即時解決を求める米国のコミットメントが改めて示されました。さらに、両首脳は、日米韓の三か国協力が安全保障と繁栄に不可欠であるとの認識で一致しました。
    (3)ミャンマーについては、ミャンマー国軍・警察の実力行使により多数の民間人が死傷している状況を強く非難し、民間人に対する暴力の即時停止、被拘束者の解放、民主的な政治体制の早期回復をミャンマー国軍に対し日米で連携しながら強く求めていく方針を改めて確認しました。
  4.  こうした一層深刻化する地域の安全保障環境を踏まえ、両首脳は、日米同盟の抑止力・対処力を強化していくことで一致しました。両首脳は、同盟強化の具体的方途につき、検討を加速することで一致しました。菅総理から、日本の防衛力強化への決意を述べ、バイデン大統領からは、日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用を含む、米国による日本の防衛へのコミットメントが確認されました。同時に、両首脳は、沖縄を始めとする地元の負担軽減を図る観点から、普天間飛行場の固定化を避けるための唯一の解決策である辺野古への移設を含め、在日米軍再編を着実に推進することで一致しました。
  5.  両首脳は、日米間の緊密な経済関係を更に発展させていくことで一致するとともに,インド太平洋地域やグローバルな経済における日米協力の重要性を確認しました。
  6.  両首脳は、こうした議論を踏まえて、日米首脳共同声明「新たな時代における日米グローバル・パートナーシップ」を発出することで一致しました。この声明は、今後の日米同盟の「羅針盤」となるものです。
  7.  また、両首脳は、両国が世界の「より良い回復」をリードしていく観点から、「日米コア(CoRe)・パートナーシップ」に合意し、日米共通の優先分野であるデジタルや科学技術の分野における競争力とイノベーションの推進、コロナ対策、グリーン成長・気候変動などの分野での協力を推進していくことでも一致しました。
  8.  気候変動については、米国主催の気候サミットを始め、COP26及びその先に向け、日米で世界の脱炭素化をリードしていくことを確認しました。また、パリ協定の実施、クリーンエネルギー技術、途上国の脱炭素移行の各分野での協力を一層強化していくために、「野心、脱炭素化及びクリーンエネルギーに関する日米気候パートナーシップ」を立ち上げることで一致しました。
  9.  また、菅総理から、本年夏、世界の団結の象徴として、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を実現する決意を述べたのに対して、バイデン大統領から改めて支持が表明されました。菅総理から、東日本大震災後にとられた福島県産のコメを含む日本産食品の米国の輸入停止措置について、撤廃を要請しました。
  10.  両首脳は、初の対面での会談を通じて日米同盟の結束を再確認し、菅総理から、バイデン大統領の早期訪日を招請しました。両首脳は、引き続き、新型コロナ感染症の状況を見極めつつ、ハイレベルでの要人往来を通じ、二国間関係を強化していくことで一致しました。

日米首脳共同声明<全文>

現地時間4月16日、ワシントンDC訪問中の菅義偉内閣総理大臣は、ジョセフ・バイデン米国大統領(The Honorable Joseph R. Biden, Jr. President of the United States of America)と日米首脳会談を行い、共同声明を発出しました。

日米首脳共同声明「新たな時代における日米グローバル・パートナーシップ」

2021年4月16日

ジョセフ・バイデン大統領は、同大統領の政権下で初めて米国を訪問する外国首脳となる菅義偉総理大臣を歓迎でき、光栄に思う。

今日、日本と米国は、インド太平洋地域、そして世界全体の平和と安全の礎となった日米同盟を新たにする。

海が日米両国を隔てているが、自由、民主主義、人権、法の支配、国際法、多国間主義、自由で公正な経済秩序を含む普遍的価値及び共通の原則に対するコミットメントが両国を結び付けている。

我々は共に、自由民主主義国家が協働すれば、自由で開かれたルールに基づく国際秩序への挑戦に対抗しつつ、新型コロナウイルス感染症及び気候変動によるグローバルな脅威に対処できることを証明することを誓う。

この日米両国の友情の新たな時代を通じて、両国の民主主義はそれぞれより強く成長するだろう。

日米両国の歴史的なパートナーシップは、両国の国民の安全と繁栄にとって不可欠である。

争いの後に結ばれた日米同盟は、日米両国にとっての基盤となった。

世界は幾度も変化したが、我々の絆はより固く結ばれた。

日米両国の民主主義は花開き、経済は繁栄し、そして両国はイノベーションを先導するようになった。

日米両国の文化的あるいは人的つながりはかつてなく深まり、多国間機関において、あるいは、グローバルな通商及び投資の拡大において、さらにはインド太平洋地域の平和、安全及び繁栄の推進において、両国は共に先頭に立ってきた。

日米両国の長年にわたる緊密な絆を祝福し、菅総理とバイデン大統領は、消え去ることのない日米同盟、普遍的価値及び共通の原則に基づく地域及びグローバルな秩序に対するルールに基づくアプローチ、さらには、これらの目標を共有する全ての人々との協力に改めてコミットする。

日米両国は、新たな時代のためのこれらのコミットメントを誓う。

自由で開かれたインド太平洋を形作る日米同盟

日米同盟は揺るぎないものであり、日米両国は、地域の課題に対処する備えがかつてなくできている。

日米同盟は、普遍的価値及び共通の原則に対するコミットメントに基づく自由で開かれたインド太平洋、そして包摂的な経済的繁栄の推進という共通のビジョンを推進する。

日米両国は、主権及び領土一体性を尊重するとともに、平和的な紛争解決及び威圧への反対にコミットしている。

日米両国は、国連海洋法条約に記されている航行及び上空飛行の自由を含む、海洋における共通の規範を推進する。

菅総理とバイデン大統領は、このビジョンを更に発展させるために日米同盟を一層強化することにコミットするとともに、2021年3月の日米安全保障協議委員会の共同発表を全面的に支持した。

日本は同盟及び地域の安全保障を一層強化するために自らの防衛力を強化することを決意した。

米国は、核を含むあらゆる種類の米国の能力を用いた日米安全保障条約の下での日本の防衛に対する揺るぎない支持を改めて表明した。

米国はまた、日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを再確認した。

日米両国は共に、尖閣諸島に対する日本の施政を損おうとするいかなる一方的な行動にも反対する。

日米両国は、困難を増す安全保障環境に即して、抑止力及び対処力を強化すること、サイバー及び宇宙を含む全ての領域を横断する防衛協力を深化させること、そして、拡大抑止を強化することにコミットした。

日米両国はまた、より緊密な防衛協力の基礎的な要素である、両国間のサイバーセキュリティ及び情報保全強化並びに両国の技術的優位を守ることの重要性を強調した。

日米両国は、普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策である、辺野古における普天間飛行場代替施設の建設、馬毛島における空母艦載機着陸訓練施設、米海兵隊部隊の沖縄からグアムへの移転を含む、在日米軍再編に関する現行の取決めを実施することに引き続きコミットしている。

日米両国は、在日米軍の安定的及び持続可能な駐留を確保するため、時宜を得た形で、在日米軍駐留経費負担に関する有意義な多年度の合意を妥結することを決意した。

菅総理とバイデン大統領は、インド太平洋地域及び世界の平和と繁栄に対する中国の行動の影響について意見交換するとともに、経済的なもの及び他の方法による威圧の行使を含む、ルールに基づく国際秩序に合致しない中国の行動について懸念を共有した。

日米両国は、普遍的価値及び共通の原則に基づき、引き続き連携していく。

日米両国はまた、地域の平和及び安定を維持するための抑止の重要性も認識する。

日米両国は、東シナ海におけるあらゆる一方的な現状変更の試みに反対する。

日米両国は、南シナ海における、中国の不法な海洋権益に関する主張及び活動への反対を改めて表明するとともに、国際法により律せられ、国連海洋法条約に合致した形で航行及び上空飛行の自由が保証される、自由で開かれた南シナ海における強固な共通の利益を再確認した。

日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す。

日米両国は、香港及び新疆ウイグル自治区における人権状況への深刻な懸念を共有する。

日米両国は、中国との率直な対話の重要性を認識するとともに、直接懸念を伝達していく意図を改めて表明し、共通の利益を有する分野に関し、中国と協働する必要性を認識した。

日米両国は、北朝鮮に対し、国連安保理決議の下での義務に従うことを求めつつ、北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認するとともに、国際社会による同決議の完全な履行を求めた。

日米両国は、地域の平和と安定を維持するために抑止を強化する意図を有し、拡散のリスクを含め、北朝鮮の核及びミサイル計画に関連する危険に対処するため、互いに、そして、他のパートナーとも協働する。

バイデン大統領は、拉致問題の即時解決への米国のコミットメントを再確認した。

日米両国は、皆が希求する、自由で、開かれ、アクセス可能で、多様で、繁栄するインド太平洋を構築するため、かつてなく強固な日米豪印(クアッド)を通じた豪州及びインドを含め、同盟国やパートナーと引き続き協働していく。

日米両国はインド太平洋におけるASEANの一体性及び中心性並びに「インド太平洋に関するASEANアウトルック」を支持する。

日米両国はまた、韓国との三か国協力が我々共通の安全及び繁栄にとり不可欠であることにつき一致した。

日米両国は、ミャンマー国軍及び警察による市民への暴力を断固として非難し、暴力の即時停止、被拘束者の解放及び民主主義への早期回復を強く求めるための行動を継続することにコミットする。

新たな時代における同盟

日米両国が共有する安全及び繁栄のためには21世紀に相応しい新たな形の協力が必要であることを認識し、菅総理とバイデン大統領は「日米競争力・強靱性(コア)パートナーシップ」を立ち上げた。

日米両国のパートナーシップは、持続可能な、包摂的で、健康で、グリーンな世界経済の復興を日米両国が主導していくことを確実にする。

それはまた、開かれた民主的な原則にのっとり、透明な貿易ルール及び規則並びに高い労働・環境基準によって支えられ、低炭素の未来と整合的な経済成長を生み出すだろう。

これらの目標を達成するため、このパートナーシップは、1競争力及びイノベーション、2新型コロナウイルス感染症対策、国際保健、健康安全保障(ヘルス・セキュリティ)、3気候変動、クリーンエネルギー、グリーン成長・復興に焦点を当てる。

日米両国は、デジタル経済及び新興技術が社会を変革し、とてつもない経済的機会をもたらす可能性を有していることを認識する。

日米両国は、生命科学及びバイオテクノロジー、人工知能(AI)、量子科学、民生宇宙分野の研究及び技術開発における協力を深化することによって、両国が個別に、あるいは共同で競争力を強化するため連携する。

菅総理とバイデン大統領は、第5世代無線ネットワーク(5G)の安全性及び開放性へのコミットメントを確認し、信頼に足る事業者に依拠することの重要性につき一致した。

日米両国は、活発なデジタル経済を促進するために、投資を促進し、訓練及び能力構築を行うため、両国の強化されたグローバル・デジタル連結性パートナーシップを通じて、他のパートナーとも連携する。

日米両国はまた、両国の安全及び繁栄に不可欠な重要技術を育成・保護しつつ、半導体を含む機微なサプライチェーンについても連携する。

日米両国は、デジタル貿易協力、気候変動に関する目標に資する通商政策の策定、世界貿易機関(WTO)改革、インド太平洋における包摂的な成長の促進を含む、共通の利益を推進し、両国の強固な二国間通商関係を維持し、更に強化することにコミットしている。

日米両国は、二国間、あるいはG7やWTOにおいて、知的財産権の侵害、強制技術移転、過剰生産能力問題、貿易歪曲的な産業補助金の利用を含む、非市場的及びその他の不公正な貿易慣行に対処するため引き続き協力していく。

日米両国は志を同じくするパートナーと連携しつつ、インド太平洋地域における繁栄を達成し、経済秩序を維持することに対するコミットメントを再確認する。

気候危機は、世界にとって生存に関わる脅威であることを認識し、日米両国は、この危機と闘うための世界の取組を主導していく上で、両国が極めて重要な役割を果たさなければならないことを認識する。

日米両国は、双方が世界の気温上昇を摂氏1.5度までに制限する努力及び2050年温室効果ガス排出実質ゼロ目標と整合的な形で、2030年までに確固たる気候行動を取ることにコミットした。

この責任を認識し、菅総理とバイデン大統領は、「日米気候パートナーシップ」を立ち上げた。

このパートナーシップは、1パリ協定の実施と2030年目標/国が決定する貢献(NDC)の達成、2クリーンエネルギー技術の開発、普及及びイノベーション、3各国、特にインド太平洋におけるその他の国における脱炭素化を支援する取組、の三本柱からなる。

新型コロナウイルス感染症は、日米両国及び世界に対して、我々が生物学的な大惨事への備えができていないことを示した。

この目的のため、日米両国はまた、健康安全保障(ヘルスセキュリティ)の推進、将来の公衆衛生危機への対応及びグローバルヘルスの構築のための協力を強化する。

2021年3月12日の史上初の日米豪印(クアッド)首脳会議において、日米両国は、多国間の取組を補完するため、インド太平洋地域への安全で有効な新型コロナウイルス・ワクチンの製造、調達及び配送を拡大することを目的とした、日米豪印(クアッド)ワクチン専門家作業部会を立ち上げた。

新型コロナウイルス感染症に対処する中で、日米両国は、次のパンデミックに備え、グローバルな健康安全保障(ヘルスセキュリティ)やグローバルヘルスに関する二国間の官民協力も強化しなければならない。

日米両国は、潜在的な衛生上の緊急事態の早期かつ効果的な予防、探知及び対処を通じてパンデミックを防ぐ能力を強化するとともに、透明性を高め、不当な影響を受けないことを確保することによって世界保健機関(WHO)を改革するために協働する。

日米両国はまた、新型コロナウイルスの起源、あるいは将来の起源不明の感染症の検証に関する、干渉や不当な影響を受けない、透明で独立した評価及び分析を支持する。

日米両国は、インド太平洋がより良い地域的なパンデミックへの備えを構築することを支援するために決定的な行動を取ることを決意するとともに、世界健康安全保障アジェンダといった既存のイニシアティブを通じたものや健康安全保障のためのファイナンシングのメカニズム、地域的なサージ・キャパシティ及び迅速な対応のためのトリガーについて連携する新たなパートナーシップを通じたものを含め、感染症の発生を予防・探知・対処するための全ての国の能力を構築するために両国及び多国間で協働する。

さらに、より健康でより強靱な未来を見据え、日米両国はCOVAXへの支援を強化する。

日米両国はまた、パンデミックを終わらせるため、グローバルな新型コロナウイルス・ワクチンの供給及び製造のニーズに関して協力する。

これらの新たなパートナーシップは、驚くべき地政学的変化の時代において、科学、イノベーション、技術及び保健に関する日米両国のリーダーシップを活用する。

これらのパートナーシップにより、インド太平洋地域をより強靱で活気に満ちた未来に導くべく、この地域のより良い回復が可能となるだろう。

今後に向けて

今日、日米両国が担う責任は重大なものだが、両国は決意と結束をもってそれらに向き合う。

日米両国は、両国が有する地域のビジョンに対する挑戦にもかかわらず、両国の安全保障関係が確固たるものであること、世界的な悲しみと困難の1年を経て、両国のパートナーシップが持続可能なグローバル経済の回復を支えるものであること、そして、ルールに基づく国際秩序の自由及び開放性に対する挑戦にもかかわらず、そのような国際秩序を主導するため、日米両国が世界中の志を同じくするパートナーと協力することを確実にする。

人的つながりが日米両国の友情の基盤となっており、マンスフィールド研修計画といったイニシアティブを通じ、日米両国は、将来にわたって日米同盟を支える二つの社会の間の架け橋を築き続ける。

バイデン大統領は、今夏、安全・安心なオリンピック・パラリンピック競技大会を開催するための菅総理の努力を支持する。

両首脳は、東京大会に向けて練習に励み、オリンピック精神を最も良く受け継ぐ形で競技に参加する日米両国の選手達を誇りに思う旨表明した。

日米両政府は、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた我々の政策を調整・実施するためのものを含め、あらゆるレベルで意思疎通することを継続する。

何よりも、日米両国は、両国のパートナーシップが今後何十年にもわたり、両国の国民の安全と繁栄を可能にすることを認識し、確固たる同盟という考え方そのものへの投資を新たにする。

日米共同記者会見 菅総理冒頭発言(令和3年4月16日)

日米共同記者会見

 この度、ここワシントンD.C.への訪問を実現できたことを大変嬉(うれ)しく思います。温かくお迎えいただいたバイデン大統領とハリス副大統領に心から感謝申し上げます。そして、準備に御尽力いただいた全ての米政府関係者の皆様に御礼を申し上げます。

 米国は日本の最良の友人であり、日米は、自由、民主主義、人権などの普遍的価値を共有する同盟国であります。日米同盟は、インド太平洋地域、そして、世界の平和、安定と繁栄の礎として、その役割を果たしてきましたが、今日の地域情勢や厳しい安全保障環境を背景に、同盟の重要性はかつてなく高まっております。

 このような共通認識の下で、本日の首脳会談では、お互いの政治信条、それぞれが国内で抱える課題、そして、日米が共有するビジョンなどについて、幅広く、率直な意見交換を行うことができました。

 バイデン大統領とは、先月の日米「2+2」で一致した認識を改めて確認し、その上に立って、更に地域のために取り組むことで一致いたしました。「自由で開かれたインド太平洋」についても話し合いをしました。この地域の平和と繁栄を確保していくために、日米がこのビジョンの具体化を主導し、ASEAN(東南アジア諸国連合)、豪州、インドを始めとする他の国々、地域とも協力を進めていくことで一致いたしました。

 また、インド太平洋地域と世界全体の平和と繁栄に対して中国が及ぼす影響について、真剣に議論を行いました。東シナ海や南シナ海における、力による現状変更の試み、そして、地域の他者に対する威圧に反対することでも一致しました。その上で、それぞれが中国と率直な対話を行う必要もあること、そして、その際には、普遍的価値を擁護しつつ、国際関係における安定を追求すべきであることでも一致いたしました。

 北朝鮮については、全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な方法での廃棄)へのコミットメント、そして、北朝鮮に対し、国連安保理決議の下での義務に従うことを強く求めることで一致いたしました。拉致問題については、重大な人権問題であり、日米が連携して、北朝鮮に対して即時解決を求めていくことを再確認しました。

 また、北朝鮮への対応やインド太平洋地域の平和と繁栄にとって日米韓の3か国協力がかつてなく重要になっているという認識で一致し、この協力を推進していくことを確認いたしました。

 一層厳しさを増す地域の安全保障環境を踏まえ、日米同盟の抑止力、対処力を強化していく必要があります。私から、日本の防衛力強化への決意を述べ、バイデン大統領からは、日米安保条約第5条の尖閣(せんかく)諸島への適用を含む、米国による日本の防衛へのコミットメントを改めて示していただきました。

 さらに、同盟強化の具体的な方途について、両国間で検討を加速することを確認しました。同時に、沖縄を始め、地元の負担軽減を進める観点から、普天間飛行場の固定化を避けるための唯一の解決策である辺野古(へのこ)移設を含め、在日米軍再編を着実に推進することで一致いたしました。

 現下の国際社会が直面する、新型コロナウイルス、気候変動といった過去に例のない危機に対処していく上でも、日米両国は互いに欠かすことのできないパートナーであります。バイデン大統領とは、両国が、これらの課題の解決に向けた多国間の取組を主導していく大きな責任を持っていることを確認しました。その上で、多国間主義と法の支配に基づく国際秩序を尊重しつつ、国際社会のより良い回復に向けて、共同のリーダーシップを発揮することで一致いたしました。

 これらの会談結果を踏まえ、本日、日米首脳共同声明「新たな時代における日米グローバル・パートナーシップ」に一致いたしました。この声明は、今後の日米同盟の羅針盤となるものであり、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた日米両国の結束を、力強く示すものであります。

 また、バイデン大統領とは、両国が世界のより良い回復をリードしていく観点から、「日米コアパートナーシップ」に合意し、日米共通の優先分野でもあるデジタルや科学技術の分野における競争力とイノベーションの推進、コロナ対策、グリーン成長、気候変動などの分野の協力を推進することでも一致いたしました。

 競争力とイノベーションについては、特に、デジタル経済や新しい技術が社会の変革と大きな経済機会をもたらすとの認識の下で、デジタル分野を始めとする様々な分野の研究、開発の推進に、日米が協力して取り組んでいくことで一致しています。

 コロナ対策については、短期的対応から将来の同様の事態に備える長期的取組に至る、重層的な協力の推進に取り組んでいきます。ワクチン供給全体や、国際保健分野における日米間の官民協力の強化についても、両政府間で引き続き協力していくことを確認しました。特に、途上国を含めたワクチンの公平なアクセスの観点から、多国間や地域の協力を推進してまいります。

 気候変動については、来週に予定されます米国主催の気候サミットを始め、COP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)及びその先に向けて、日米で世界の脱炭素をリードしていくことを確認しました。また、パリ協定の実施、クリーンエネルギー技術、途上国の脱炭素移行の各分野での協力を一層強化していくために、バイデン大統領とは、脱炭素化及びクリーンエネルギーに関する「日米気候パートナーシップ」を立ち上げることでも一致しました。

 これらのイニシアティブの下に、具体的で包括的な日米協力に弾みをつけていきたいと思います。
 バイデン大統領とは、全米各地でアジア系住民に対する差別や暴力事件が増加していることについても議論し、人種などによって差別が行われることは、いかなる社会にも許容されないことでも一致いたしました。バイデン大統領の、差別や暴力を許容させず、断固として反対するとの発言を大変心強く感じ、アメリカの民主主義への信頼を新たにいたしました。

 また、私から、今年の夏、世界の団結の象徴として、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を実現する決意であることをお伝えしました。バイデン大統領からは、この決意に対する支持を改めて表明していただきました。我が国としては、WHO(世界保健機関)や専門家の意見を取り入れ、感染対策を万全にし、科学的・客観的な観点から安全・安心な大会を実現すべく、しっかりと準備を進めてまいります。

 自由、民主主義、人権、法の支配。日米両国が共有する、こうした普遍的価値をしっかり擁護しながら、本日の有意義な会談の結果を実践に移し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、ジョーと連携、協力を深めていくことを楽しみにしています。

 今回のお招きに、あらためて、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

出典:外務省・首相官邸

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