【潮目が変わった国際社会の対韓対応】 歴史問題における米仏の韓国への苦言

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2015/03/15 フランスのファビウス外相からも同様の発言があったため追記。

諸外国の韓国への対応が徐々に変わりつつあるようだ。
思い返せば2009年から2012年の民主党政権下、ジャパン・パッシングで日本はどの国からも相手にされず、それどころか日中韓関係では中韓の情報戦に敗れ、アメリカのマスコミ、知識人、政治家は中韓の思惑通りの発言をしていた。特に慰安婦の問題はセンシティブで、真実を語る事さえ難しく感じた。

佐藤優氏などは、「慰安婦は理屈抜きに否定的な感情になる。日本に勝ち目はない」と繰り返し語っていた。

「それが歴史上真実であろうとなかろうと、力を持つ者が正義になるのだ」と当時のわたしは暗澹たる思いで月日を過ごした。当時、中韓の勢いは凄まじく、「日本はもう過去の国だ、これからは中韓だ」というように、はっきりと諸外国の対応は変わっていた。

3・11以降もその気持ちは募った。日本は終わったと各国が見ているのが、手に取るように分かったものだ。アメリカは日本と距離を取り始め、中国に近づいた。震災後の弱った隙を狙ったかのような中国、ロシアの態度も忘れられない。国際社会の厳しさ、残酷さを日本人も思い知った。

しかし、日本は丁寧に説明を重ねているのだろう。最近、日中韓関係に関わる潮目が変わったのを肌で感じる。オバマは既に中国の手に落ちている面があるからオバマ政権の間は難しいことも多いだろうが、政権が変わればこれだけ変わるのかと驚くことが多い。危機のときに現れた安倍政権に、わたしは感謝している。もちろんすべての政策に賛同できるわけではないし、以前、安倍首相自身が「すべてやりたい通りにできるわけではない。初めから高望みすると倒れてしまう」と語ったこともある。しかしそれは当然のことで、大局的にどう判断するかが問題だ。民主党政権時の凋落、不安を忘れてはならないと思っている。

 

以下は日韓関係に関するシンポジウムで語られた、キャンベル前米国務次官補、ローレス元国防副次官の発言だ。韓国を批判しているわけでも日本に理解を示しているわけでもなく、両国に釘を刺しているという感じだが、この程度の公平な発言でもこれまではほとんどなかった。

先日、シャーマン米国務次官が慰安婦を「Sex Slave」ではなく「Comfort Women」と表現し、さらに「愛国的感情というものは依然として利用可能であり、どこの政治指導者にとっても、かつての敵を貶すことで安っぽい賞賛を得るのは難しいことではない」と発言したことも記憶に新しい。
関連記事「シャーマン国務次官発言」をめぐる米韓の発言と「駐韓米大使襲撃事件」

 

日韓関係に関するシンポジウムで語られた苦言(3月13日)

キャンベル前米国務次官補の発言

1期目のオバマ米政権で東アジア外交を担当したキャンベル前米国務次官補は13日、日韓関係の悪化について、「米国にとって有害であり、これを直さなければ(アジア重視の)リバランス政策はできない」と述べた。ワシントンで開かれた日韓関係に関するシンポジウムで語った。

キャンベル氏は、オバマ大統領が昨年3月の日米韓首脳会談を主導したことを評価しながらも、「十分ではなく、なすべきことはもっとある」として、3カ国の安全保障協力の推進などを促した

韓国の指導者に対して「北朝鮮の指導者とは前提条件なしにいつでも会うと言っている」にもかかわらず、日本の指導者とは会おうとしないと指摘。他方、「日本の指導者は『韓国には疲れ切った』と言っている」とし、こうした状況が長期的にみて米国の損害になっていると強調した。(中略)

ローレス元国防副次官の発言

一方、ブッシュ政権でアジア・太平洋を担当したローレス元国防副次官は戦後70年を機に中国が韓国との関係を強化しようとしているとした上で「日本だけでなく、韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権も自らの国益のため、今後数カ月間の言動を自制する必要があると述べた。

出典:産経新聞(見出しはブログ主が加えています)

 

フランスのファビウス外相「日韓は独仏と異なる」(3月14日)

フランスのファビウス外相は14日、東京都内の仏大使公邸で記者会見し、フランスとドイツを引き合いに、日本に歴史認識での反省を求めた韓国外務省当局者の発言に関し、「(仏独と)アジアでは取り巻く状況も地理的条件も異なることを忘れてはいけない」と述べ、単純に比較できないとの見解を示した。
ファビウス外相は「仏独は(歴史上)互いを侵略したが、第2次大戦終結を機に和解した。今では世界で最も仲の良い国だ」と強調。「そこから何か感じてもらえると思う」と語った。(以下略)

出典:時事通信

日本にも言い分はあるが、それでも「日本は悪くなかった」と言いたいのではない。ただ、日本はやれるだけのことはやってきたように思う。日本人の本音は、上述【「日本の指導者は『韓国には疲れ切った』と言っている」】とあるように、指導者だけでなく国民もほとほと疲れてしまった。「結局何をしても、難癖つけて謝罪と賠償を求めるんだな、どんな手を使ってでも…」と韓国に対する見方が固く定まってしまっている。この疲労感、冷め切った対韓感情は、もうどうにもならない。

韓国側にも口先だけでない未来志向の対応をしてもらいたいものだ。

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