【安倍首相】ロシア訪問、プーチンとの首脳会談など概要まとめ | 政治備忘録

【安倍首相】ロシア訪問、プーチンとの首脳会談など概要まとめ

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160506 プーチン露大統領と握手する安倍総理
安倍総理は平成28年5月6日(現地時間)、ロシア連邦のソチを訪問し、ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン大統領と会談を行った。

ロシアまでの欧州歴訪については、下のリンクにまとめています。

【安倍首相】欧州訪問(イタリア・フランス・ベルギー・ドイツ・イギリス)会談・会見まとめ
安倍晋三首相は昭恵夫人と共に欧州(イタリア・フランス・ベルギー・ドイツ・イギリス)とロシアを訪問している。会談・会見の内容をまとめた。
POINT
北方領土問題 これまでの交渉の停滞を打破するため「新しいアプローチで交渉を精力的に進める。その際、日露二国間の視点だけでなくグローバルな視点も考慮する。
平和条約締結交渉 6月中に東京で実施。
プーチン大統領の訪日 ロシア側、準備はできている。
安倍首相の訪露 招待受け9月訪露決定。首脳会談も実施予定。
経済分野
日本から8つの提案
(1)健康寿命の伸長 (2)快適・清潔で住みやすく活動しやすい都市作り (3)中小企業交流・協力の抜本的拡大 (4)エネルギー (5)ロシアの産業多様化・生産性向上 (6)極東の産業振興・輸出基地化 (7)先端技術協力 (8)人的交流の抜本的拡大
安全保障 日露安全保障協議及びテロ対策協議を近く実施。
北朝鮮 各国による安保理決議の履行の徹底が必要、日露の立場は一致。
ウシャコフ大統領補佐官「プーチン訪日の準備はできている」

日露首脳会談に先立ち、ロシアのウシャコフ大統領補佐官は5日、9月2、3両日に極東ウラジオストクで開催する東方経済フォーラムに安倍晋三首相を招待すると明らかにしていた。

また、プーチン氏の訪日について「準備はできている」とし、日本から具体的に日付が提示されるのを待っていると述べた。

互いに記念品交換

安倍首相とプーチン露大統領は互いに記念品を交換した。

安倍首相は、東京・神田駿河台にニコライ堂を建てたことで知られるロシア人宣教師、ニコライの日記と、日本製の双眼鏡を贈呈した。これに対しプーチン氏は「ウラジオストクでは、これでシンゾウを発見しよう」と語り笑いを誘った。

一方プーチン氏は、ロシア・サンクトペテルブルクに保管されていた、江戸時代の絵師、川原慶賀が描いた植物の絵に関する本を贈った。

日露首脳会談

160506 日露首脳会談1

160506 日露首脳会談2

5月6日,ロシアのソチを非公式に訪問した安倍総理大臣は,プーチン大統領との間で,約3時間10分にわたり日露首脳会談を行った。

会談は,午後3時50分から約2時間の首脳会談(通訳のみを交えた両首脳による35分間の会談を含む),その後約1時間10分間のワーキングディナーという形式で行われた。

1 平和条約締結問題

(1)両首脳の間で北方領土問題について突っ込んだやり取りが行われた。

その結果,これまでの交渉の停滞を打破し,突破口を開くため,双方に受入れ可能な解決策の作成に向け,今までの発想にとらわれない「新しいアプローチ」で,交渉を精力的に進めていくとの認識を両首脳で共有した。

日露二国間の視点だけでなく,グローバルな視点も考慮に入れた上で,未来志向の考えに立って交渉を行うこととし,このアプローチに立って,次回の平和条約締結交渉を6月中に東京で実施することで一致した。

(2)この関連で安倍総理から日露双方が静かな交渉環境を維持するために互いの国民感情に配慮し,相手の国民感情を傷つけるような行動や発言を控えるべきであることを指摘した。

2 日露関係全般(政治対話・要人往来)

(1)ハイレベルの政治対話と往来を活発に行っていくこと,首脳レベルでも様々な国際会議の機会も活用し対話を続けていくことで一致した。

プーチン大統領から安倍総理に対し,9月にウラジオストクで行われる東方経済フォーラムへの招待があり,安倍総理はこの招待に応じ,その際に再度首脳会談を行うことで一致した。

(2)プーチン大統領の訪日については,その準備を進めていくことを確認し,今後,中身のある訪問となるよう準備を進める中で,引き続き最も適切な時期を探っていくことで一致した。

(3)これ以外にも,5月のトルトネフ副首相兼極東連邦管区大統領全権代表,6月のナルィシュキン国家院議長,本年後半のマトヴィエンコ連邦院議長の訪日といった今後のハイレベルの往来を確認した。

3 経済,安全保障分野,文化・人的交流等の二国間関係

両首脳は,経済,安全保障,文化・人的交流等の分野での日露間の協力が進んでいることを評価し,大統領の訪日に向け,こうした二国間の協力を進めていくことで一致した。

(1)経済分野

(ア)プーチン大統領から経済分野をはじめ幅広い分野での協力への関心が示され,安倍総理から我が国として日露経済交流の促進に向け作業を行っていることを紹介し,8つの項目(下記注)からなる協力プランを提示した。プーチン大統領から高い評価と賛意が表明された。

(注)
(1)健康寿命の伸長,(2)快適・清潔で住みやすく,活動しやすい都市作り,(3)中小企業交流・協力の抜本的拡大,(4)エネルギー,(5)ロシアの産業多様化・生産性向上,(6)極東の産業振興・輸出基地化,(7)先端技術協力,(8)人的交流の抜本的拡大

(イ)両首脳は製造業,農業,エネルギーなどの分野における最近の協力プロジェクトの進捗を確認しつつ,貿易経済政府間委員会,近代化諮問会議等も活用しながら,互恵的な協力を進めていくことで一致した。

(ウ)安倍総理から,さけ・ますの流し網の代替漁法により,日本の漁船の操業機会が確保されるよう,ロシア側の協力を要請したのに対し,プーチン大統領から,代替漁法の検討に向け日本とよく協力し,漁業分野の協力に取り組んでいきたいとの反応があった。

(2)安全保障分野

信頼醸成や透明性確保の観点から日露安全保障協議及びテロ対策協議近く実施すること,防衛当局間の交流及び海上保安庁・国境警備局間の交流を継続することで一致した。

(3)文化・人的交流

文化・人的交流を活性化させることで一致した。
安倍総理から,人的往来に関連し,我が国が査証緩和を戦略的に検討する中で,ロシアも重点対象の一つとしていることを紹介した。

4 国際情勢

ウクライナ,北朝鮮,シリア,中央アジア,アフガニスタン等の国際情勢について率直な意見交換を行い,安倍総理から,国際社会の重要なプレイヤーであるロシアが様々な国際問題において建設的な役割を果たすことへの強い期待を伝達した。

(1)ウクライナ

安倍総理から,全ての当事者によるミンスク合意の完全な履行が実現し,情勢が改善することを強く期待するとして,ロシアによる武装勢力への影響力行使と情勢改善への貢献を求めた。同時に,安倍総理から,先月訪日したポロシェンコ大統領に対してもミンスク合意の完全な履行を働きかけたことを紹介した。

(2)北朝鮮

安倍総理から,北朝鮮では本日6日から党大会が行われているが,弾道ミサイル発射等の挑発行動が継続していることを深刻に受け止めており,各国による安保理決議の履行の徹底が必要である,拉致・核・ミサイルといった諸懸案の解決に向けて圧力を強化すべき,決議違反に対しては安保理が一致して明確かつ迅速なメッセージを送ることが重要である旨述べた。

プーチン大統領から,北朝鮮について日露の立場は一致しており,北朝鮮による核保有,冒険的行為は認められないとの反応があり,両首脳は北朝鮮が更なる挑発活動を行わないよう,引き続き日露で連携していくことで一致した。

(3)シリア情勢

安倍総理から「敵対行為の停止」に向けた米露の協力を歓迎しつつ,シリアの政治プロセスにおいて,ロシアが一層建設的な役割を果たすことで事態の打開が図られることを期待する旨,また,アサド政権によると考えられる空爆で病院が被害を受け,市民が犠牲になっていることに関し,ロシアからの働きかけを要請した。

(4)中央アジア・アフガニスタン

安倍総理から物流網の整備で中央アジアの連結性を高めつつ,テロや麻薬の流れを絶つとの目標の達成に日本も積極的に関与していることを強調し,この地域での日露の協力も進めたい旨,日本はアフガニスタンへの主要援助国であり,麻薬対策分野でも様々な協力を行っている,同分野における日露協力を今年から中央アジアにも拡大していると述べたのに対し,プーチン大統領から協力事業への高い評価が示された。

安倍首相、会談後の記者団への発言

160506 記者の質問に答える安倍総理

総理は、会談後、次のように述べました。

「プーチン大統領とは、じっくりと時間をかけながら、膝を突き合わせて、胸襟を開いて、平和条約について、あるいは様々な課題について、率直な議論ができたと思います。
二国間の将来についてだけではなくて、ウクライナ、北朝鮮、あるいはシリア、そしてテロ対策といった国際的な課題についても、お互いに深い議論ができたと思います。

そして、平和条約については、今までの停滞を打破する突破口を開く、という手応えを得ることができたと思います。これは、プーチン大統領も同じ認識だと思います。この問題は、二人で解決をしていこう、未来志向の日露関係を構築をしていく中で解決をしていこう、その考えで一致をいたしました。今までの発想にとらわれない、新しいアプローチで交渉を進めていくということになります。そして、9月にウラジオストックで更に会おうということで合意をいたしました。」

「平和条約交渉、四島の問題を解決をして、平和条約を締結をする、この基本的な考え方の下に、平和条約交渉を進めている日本の姿勢でありますが、プーチン大統領とは、戦後70年経っても、平和条約は締結をされていない、この異常な状況を終わらせなければならないという一致をしたのでありますが、残念ながら、条約交渉は停滞をしていたと言わざるを得ないと思います。この停滞状況を打破するためには、今までのアプローチとは違う、今までの発想とは違う、新たな発想に基づいて、交渉を進めなければならないと考え、そのなかで、新しいアプローチで進めていきたい。その考えをプーチン大統領に伝え、そしてプーチン大統領も、その基本的な考え方に合意をしたと、そういうことです。」

「プーチン大統領の訪日については、適切な時期について、更に検討していきたいと考えています。」

出典:首相官邸外務省

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