【G20 2016】杭州サミット首脳宣言骨子、日中首脳会談<概要> | 政治備忘録

【G20 2016】杭州サミット首脳宣言骨子、日中首脳会談<概要>

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160904 G20 公式記念撮影
安倍首相は、9月4日から中国の浙江省杭州で開催されたG20サミットに出席しました。以下、サミットと日中首脳会談の概要をご紹介します。

備忘録として残しましたが、特にPOINTとして特記すべき内容はなかったような気がします。

G20杭州サミットとは

(1)日時:9月4日(日曜日)~5日(月曜日)
(2)場所:中国・杭州
(3)出席予定国・国際機関:

ア G20
日本,伊,加,仏,米,英,独,EU,中,露,アルゼンチン,豪,ブラジル,印,インドネシア,韓,メキシコ,サウジアラビア,南ア,トルコ

イ 招待国
スペイン,シンガポール,ラオス(ASEAN議長国),セネガル(アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)運営委員会議長国),チャド(アフリカ連合(AU)議長国),タイ(G77議長国),エジプト,カザフスタン

ウ 国際機関
国際連合,国際通貨基金(IMF),世界銀行,世界貿易機関(WTO),金融安定理事会(FSB),国際労働機関(ILO),経済協力開発機構(OECD)

G20 杭州サミット出席等

2016.09.04 1日目

1日目のざっくりとした流れ

160904 G20 中華人民共和国・杭州に到着した安倍総理

平成28年9月4日(現地時間)、安倍総理は、G20(金融・世界経済に関する首脳会合)出席のため中華人民共和国の杭州を訪問しました。

総理は、エジプト・アラブ共和国のアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領と会談しました。

160904 G20 日エジプト首脳会談2

160904 G20 日エジプト首脳会談

その後、中華人民共和国の習近平国家主席による出迎えを受け、公式写真撮影に臨みました。

160904 G20 習近平国家主席による出迎えを受ける安倍総理

160904 G20 公式記念撮影2

続いて、開会式に出席した後、「政策協調の強化と成長への新たな道筋の開拓」を議題としたG20第1セッションに出席しました。

160904 G20 開会式・第1セッション

夜には、歓迎式典に出席し、公式写真撮影に臨みました。

160904 G20 歓迎式典で習国家主席夫妻による出迎えを受ける安倍総理

160904 G20 歓迎式典で習国家主席夫妻による出迎えを受ける安倍総理2

160904 G20 歓迎式典における公式記念撮影

160904 G20 歓迎式典における公式記念撮影2

G20 杭州サミット<概要>

2016年9月4-5日に開催された、中国・杭州のG20杭州サミット概要は以下のとおり。

1 総論

(1)本年の議長国・中国は,世界経済が様々な下方リスクに直面している中,Innovative(創造的),Invigorated(活力のある),Interconnected (連結された),Inclusive (包摂的)な世界経済を構築すべく,G20がいかに政策協調を強化するかについて首脳間で意見交換を行い,首脳会合後に首脳声明骨子(PDF)仮訳(PDF)英文(PDF))を採択した。(ブログ主:骨子は次項に引用しています。)

(2)今次サミットの主な成果として,金融・財政政策,構造改革等の全ての政策手段を個別にまた総合的に用いることへの決意を確認し,最新のマクロ経済政策・構造政策が盛り込まれた「杭州アクションプラン」が採択された。今次サミットでは,構造改革とともに,イノベーション・新産業革命・デジタル経済等も取り上げられ,これらに関する「革新的成長のためのブループリント」が発出された。

(3)また,質の高いインフラ投資の推進,鉄鋼等の過剰生産能力問題への対処,保護主義の防止や多角的貿易体制の維持・推進を確認するとともに,2030アジェンダの国内外の実施等に向けた「行動計画」が採択された。

(4)更には,テロに関し,G20の連帯した対応,特にテロ資金供与のすべての資金源,技術等と戦っていくことで一致した。

2 今後のG20サミット

明年はドイツが,2018年はアルゼンチンがG20サミットを開催する予定。

G20 杭州サミット首脳宣言(骨子)

前文

  • 世界経済の回復が継続しているが,引き続き成長は期待よりも弱く,下方リスクが存在
    革新的で,活力に富み,相互に連結され,包摂的な世界経済を助長するよう決意。
  • 先見性,統合,開放性,包摂性に基づく政策と行動のパッケージ「杭州コンセンサスを採択。

政策協調の強化

  • 強固で,持続可能で,均衡ある,かつ,包摂的な成長を達成するため,全ての政策手段―金融,財政及び構造政策―を個別にまた総合的に活用。
  • 構造改革の重要な役割を強調しつつ,共通の成長目標を支えるために財政政策が同様に重要であることを強調。財政政策を機動的に実施。また,質の高い投資を優先。
  • 為替レートの過度の変動や無秩序な動きは,経済・金融の安定に悪影響を与え得ることを再確認。以前のコミットメント(通貨の競争的な切り下げ回避,競争力のために為替レートを目標とはしないことを含む。)を再確認。

成長のための新たな道の開拓

  • 中長期的な成長可能性を解き放つために,サプライサイドの制約に対処することが不可欠であると確信。
  • イノベーション,新産業革命及びデジタル・エコノミーの諸分野における政策・措置を包含する新たなアジェンダとして,「革新的成長に関する G20 ブループリント」を支持。この文脈で,構造改革の重要性を認識。
  • 「G20 イノベーション行動計画 2016」,「G20 新産業革命行動計画」,「G20 デジタル・エコノミー開発・協力イニシアティブ」及び「強化された構造改革アジェンダ」を実行することで一致。

より効果的で効率的なグローバルな経済・金融ガバナンス

  • 資本フロー:過大な変動に起因するリスクの管理を引き続き改善。資本フローへの対処に係る各国の経験と生じつつある問題についての IMF による見直し作業を本年末までに期待。
  • IMF 改革:2010 年の IMF クォータ・ガバナンス改革の発効を歓迎。第 15 次クォータ一般見直しを 2017 年の年次総会までに完了させることに取り組む。
  • 金融規制:開かれた強じんな金融システムの構築は成長と発展に極めて重要。資本賦課を大きく引き上げることなくバーゼル III を年内に最終化することを含め,規制枠組みの残された重要な要素を最終化。合意された改革の適時,完全かつ整合的な実施にコミットし,改革の実施と影響に対する監視を向上。
  • 国際課税:世界規模で公正かつ現代的な国際課税システムを達成し,成長を促す,税源浸食と利益移転(BEPS),税に関する情報交換,途上国の能力構築及び租税政策に関する税の国際的協力を支持。京都で開かれた「BEPS 包摂的枠組み」第 1 回会合を歓迎。合意の適時・一貫・広範な実施を支持し,未コミット国・地域の参加を求める。
  • 環境的に持続可能な成長を世界的に支えるため,グリーン資金の拡大が必要と認識。
  • 腐敗対策:「腐敗関係の捜査対象者及び財産回復に係る協力に関する G20 ハイレベル原則」並びに公的部門及び民間部門の透明性及び清廉性を向上させるための「G20 腐敗対策行動計画 2017-2018」を支持。
  • エネルギー:十分に機能する,開放的で,競争的で,効率的で,安定的で,透明性の高いエネルギー市場の構築にコミット。継続的な投資の重要性を強調。無駄な消費を助長する非効率な化石燃料補助金の中期的な合理化及び段階的廃止にコミット。天然ガスの採掘,輸送及び加工を促進する解決策に関する協力を強化。

強固な国際的な貿易と投資

  • 多角的貿易体制:世界貿易機関(WTO)が中心的な役割を担う多角的貿易体制を確保する決意を再確認。また,「貿易円滑化協定」を年内に批准すること,「WTO 環境物品協定(EGA)」交渉の年内完了を目指す。
  • 保護主義への反対:貿易と投資におけるあらゆる形態の保護主義への反対を再確認し,スタンドスティルとロールバックへのコミットメントを 2018 年末まで延長。
  • 地域貿易協定/自由貿易協定:二国間及び地域的な貿易協定が,貿易の自由化及び貿易ルールの発展において果たし得る重要な役割に留意。
  • 過剰生産能力:鉄鋼及びその他の産業における過剰生産能力が世界的な課題と認識。グローバル・フォーラムの設立を通じた情報共有と協力を促進。

包摂的で相互に連結された開発

  • 持続可能な開発を G20 アジェンダにおいて重視し,2030 アジェンダの実施に貢献することにコミット。「持続可能な開発のための 2030 アジェンダの実施のための G20 行動計画」を支持。
  • インフラ:量と質の両面に焦点を当てたインフラ投資促進のためのコミットメントを再確認。ライフサイクル・コストから見た経済性,安全性,自然災害に対する強じん性,雇用創出,能力構築及び技術とノウハウの移転の確保など,質の高いインフラ投資の重要性を強調。
  • 質の高い雇用創出は,持続可能な開発のために不可欠。より多くのより良い雇用を創出することを確保するよう取り組む。「起業に関する G20 行動計画」に対するコミットメントを強化し,「実習制度の質を高めるための G20 イニシアティブ」を支持。
  • 食料安全保障,栄養,持続可能な農業の成長及び農村開発に関する作業を引き続き優先。

世界経済に影響する重要で世界的な更なる課題

  • 英国の国民投票:経済上及び金融上の結果に積極的に対処。将来英国が EU の緊密なパートナーであることを希望。
  • 気候変動:パリ協定に各国の手続が許容する限りにおいて可及的速やかに参加するため,それぞれの国内手続を完了することにコミット。同協定の 2016 年末までの発効を可能にするための取組を歓迎。
  • 難民問題:難民危機の影響,保護の必要及び根本原因に対処するため,協調して取り組むよう改めて呼びかける。難民のための人道支援及び開発支援の強化を求める。
  • テロ:テロとの戦いにおける団結と決意を再確認。テロ資金供与の全ての資金源,技術及びチャネルと戦っていく。
  • 薬剤耐性(AMR)は,公衆衛生,成長及び世界経済の安定に深刻な脅威。耐性を防止し,緩和する方法を開発することによって包摂的な方法で薬剤耐性と戦う必要性を確認。
  • 2017 年にドイツで,2018 年にアルゼンチンで再び会合する。

日中首脳会談<概要>

2016年9月5日

160905 G20 習国家主席と握手する安倍総理

G20サミット出席のため中国・杭州を訪問中の安倍総理は、9月5日19時半(日本時間20時半)頃から約35分間、西湖国賓館において、習近平・中国国家主席との間で日中首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおり(日本側同席者:萩生田官房副長官、谷内国家安全保障局長、横井駐中国大使他、中国側同席者:楊潔篪国務委員、王毅外交部長、程永華駐日大使他)。

全体として、日中間で協力できるところは協力して両国関係の「プラス」の面を増やし、懸案についてはマネージして「マイナス」の面を減らしていくとの両首脳の共通の認識に基づく、前向きで充実した会談になった。

1 冒頭

160905 G20 日中首脳会談

(1)冒頭、習主席から、安倍総理のG20サミット出席に改めて歓迎の意を表明の上、日中両国は互いに近隣であり、両国関係の長期的かつ健全な発展は、両国国民の利益に合致する、2014年11月以降、両国関係は改善プロセスにあるが、複雑な要素の干渉を受け、敏感な問題が突出している、両国関係が早期に正常な軌道に戻るよう努力すべきである旨述べた。

(2)これに対し、安倍総理から、G20サミットの準備に敬意を表し、成果に祝意を表した上、今次サミットは世界経済の持続可能な成長を実現する上で重要、日中間には困難な課題も少なくないが、「戦略的互恵関係」の考えに立って、困難な課題をマネージしつつ、大局的な観点から協力や交流を進めることにより、安定的な友好関係を築いていきたい旨述べた。

(3)更に安倍総理から、北朝鮮が本日再び弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)に落下、G20サミット開催中にこのような発射を強行することは許し難い暴挙である旨述べた。

2 日中関係

(1)総論

ア 安倍総理から、昨年4月にジャカルタで会談して以来、日中関係には紆余曲折があったが、我々がより頻繁に会談し、大局的観点に立って、中長期のカレンダーを見据えながら、「戦略的互恵関係」を推進していきたい旨述べた。

イ 習主席から、これに応ずる発言があり、両首脳は、日中双方が2014年11月に四項目について意見の一致をみたことを再確認し、「協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」という2008年の日中共同声明での合意を実際の行動に移し、更なる関係改善・発展に努めるという決意を確認した。

(2)対話・協力・交流

ア 日中間の具体的な協力に関し、安倍総理から、日本側から提案している「5つの協力分野」(注1)や「3つの共通課題」(注2)など、様々な分野における対話・協力・交流を進め、両国関係の肯定的な面を拡大していきたい旨述べた。

(注1)5つの協力分野:(1)マクロ経済・財務・金融、(2)省エネ・環境、(3)少子高齢化、(4)観光、(5)防災

(注2)3つの共通課題:(1)北朝鮮、(2)国連、(3)テロ対策・中東情勢

イ 習主席から、来年、再来年を見据えた発言があり、両首脳は、以下の点で一致した。

「戦略的互恵関係」の考え方に基づき、日中両国が直面する共通課題に関する対話や協力、各種交流を進め、両国関係の肯定的な面を拡大することにより、相互信頼を高め、課題を適切にマネージするとともに、両国の国民感情を改善していくこと。

テロ対策に関する協力を強化していくこと。この一環として、9月28日に東京でテロ対策協議を開催する予定。
金融協力の深化について、更に協議を深めていくこと。
来年の国交正常化45周年、再来年の平和友好条約40周年、更に2020年、22年の両国でのオリンピック開催を見据え、様々な分野の交流を拡充していくこと。

ウ また、安倍総理から、年内の日中韓サミットの際の李克強総理訪日に言及するとともに、以下についても述べた。

日本産食品の輸入規制の早期撤廃及び日本産精米の輸出促進に関する事務レベルの協議を推進したい。
近く日本経済界約230人の合同ミッションが訪中予定であり、経済交流の絶好の機会。中国指導部と充実した対話を期待。
これに対し、習主席から、経済面での関係強化は重要であり、経済代表団の訪中を歓迎する旨の発言があった。

(3)東シナ海

160905 G20 日中首脳会談2

ア 安倍総理から、東シナ海での中国公船・軍による特異な活動は極めて遺憾であり、一方的に緊張を高める行動をなくし、状況を改善するよう述べた。そして、東シナ海の安定なくして日中関係の安定はなく、これを真の意味で「平和・協力・友好の海」とするために、共に努力していくことを求めた。

イ これに対し、習主席からは、東シナ海の平和と安定を維持していく旨述べた。

ウ さらに両首脳は、9月14日から広島で高級事務レベル海洋協議を開催し、その機会に東シナ海資源開発に関する「2008年合意」に基づく国際約束締結に関する交渉の再開について協議することで一致した。

エ また、防衛当局間の海空連絡メカニズムを早期に運用開始するため、協議を加速することで一致した。

3 地域情勢

(1)南シナ海

ア 安倍総理から、地域の平和と安定に直結し、日本を含む国際社会共通の関心事項である南シナ海問題に関し、中国の適切な行動を期待する旨述べた。さらに、国際法のルールを守り、周辺国等の不安解消に努めるよう求めた。

イ これに対し、習主席から、従来どおりの中国側の立場が述べられた。

(2)北朝鮮

安倍総理から、会談当日の弾道ミサイル発射や先月のSLBM発射を始め、度重なる北朝鮮の挑発行動に対し、具体的措置を講ずべきとして、責任ある常任理事国としての中国の建設的な対応を求めた。また、拉致問題に関し、協力を期待する旨述べた。

出典:外務省首相官邸

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