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安倍首相 令和元年 広島平和記念式典挨拶

【安倍首相】広島平和記念式典挨拶<全文>令和元年

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令和元年8月6日、安倍総理は、広島市の平和記念公園で開催された広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式に参列しました。

74回目の原爆の日に行われたこの式典には、被爆者や遺族ら約5万人が参列するとともに、国連等国際機関、89か国と欧州連合(EU)の代表らも出席しました。

広島市の松井一實市長と遺族代表が、今年1年間で新たに追加された原爆死没者の名簿を広島平和都市記念碑(原爆死没者慰霊碑)に奉納し、遺族、被爆者の代表や安倍総理らが献花した後、原爆が投下された午前8時15分、「平和の鐘」が鳴らされ、参列者全員が1分間の黙とうを行いました。

続いて、松井市長の「平和宣言」、子供代表2名による「平和への誓い」が述べられた後、安倍総理が哀悼の意を表し、挨拶を述べました。

式典後、市内のホテルに場所を移して、「被爆者代表から要望を聞く会」に出席し、7団体の代表者らから要望を受けた後、記者会見を行いました。

広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式あいさつ

安倍首相 令和元年 広島平和記念式典挨拶

今から74年前の今日、原子爆弾により、十数万ともいわれる貴い命が失われました。街は焦土と化し、人々の夢や明るい未来が容赦なく奪われました。一命をとりとめた方々にも、筆舌に尽くし難い苦難の日々をもたらしました。
原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠を捧(ささ)げます。
そして、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。
核兵器によってもたらされた広島と長崎の悲劇を決して繰り返してはなりません。唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」の実現に向けた努力をたゆまず続けること。これは、令和の時代においても、変わることのない我が国の使命です。新しい時代を平和で希望に満ち溢(あふ)れた時代としなければなりません。
近年、世界的に安全保障環境は厳しさを増し、核軍縮をめぐっては各国の立場の隔たりが拡大しています。
我が国は、「核兵器のない世界」の実現に向け、非核三原則を堅持しつつ、被爆の悲惨な実相への理解を促進してまいります。核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努め、双方の協力を得ながら対話を粘り強く促し、国際社会の取組を主導していく決意です。
明年は、核兵器不拡散条約(NPT)発効50周年という節目の年を迎え、5年に1度のNPT運用検討会議が開催されます。この会議において、意義ある成果を生み出すために、一昨年、ここ広島から始まった核軍縮に関する「賢人会議」の提言等を十分踏まえながら、各国に積極的に働きかけていく決意です。
私たちには、唯一の戦争被爆国として、核兵器の非人道性を、世代や国境を越えて伝え続ける務めがあります。
被爆者の方々から伝えられた被爆体験を、しっかりと、若い世代へと語り継いでいく。
そして、広島や長崎を訪れる世界中の人々が、被爆の悲惨な実相に触れることで、平和への決意を新たにすることができる。そうした取組を我が国として、着実に推し進めてまいります。
被爆者の方々に対して、保健、医療、福祉にわたる支援の必要性をしっかりと受け止め、今後も、被爆者の方々に寄り添った援護施策を総合的に推進してまいります。特に、原爆症の認定について、引き続き、一日も早く結果をお知らせできるよう、できる限り迅速な審査を行ってまいります。
結びに、「国際平和文化都市」として発展を遂げた、ここ広島市において、「核兵器のない世界」と恒久平和の実現に向けて力を尽くすことをお誓い申し上げます。原子爆弾の犠牲となられた方々のご冥福と、ご遺族、被爆者の皆様、並びに、参列者、広島市民の皆様のご平安を祈念いたしまして、私の挨拶といたします。

令和元年8月6日
内閣総理大臣・安倍晋三

出典:首相官邸

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