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【北方領土問題・プーチン来日1日目】安倍首相会見<全文>

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ロシアとの北方領土交渉、ウリュカエフ経済発展相が逮捕された頃から、目に見えて様子が変わりましたよね。

以前は日本の報道だけを聞いていると「2島返還は当然」みたいな気楽なムードもありましたが、それも急に変わりました。

トランプの登場、ロシアと癒着のある人物を重用するトランプの人事、OPECの原油増産凍結決定など、ロシアにとって好都合な要因が重なり、メンタルが弱いわたしはこの問題について記事の更新もできず重い気持ちで過ごしておりました。

専門家や記者からは「期待値を上げないようにとプーチンからの要望があった」という話も耳にするため、これは、「話は順調に進んでいるが、世論を落ち着かせている」と考えていいのか、それとも見たまんま「明らかに潮目が変わった」のか。

ロシアの態度が変わったのは、むしろ交渉が動く良い兆しだと言う人も割と多いし、昨年から安倍首相と面談を繰り返す鈴木宗男氏のブレーンである佐藤優氏は今朝、「2島は返ってくる」と断言しました。

それにしても岸田外務大臣との会談に続き、なんと安倍首相との会談にも約3時間の遅刻で姿を現した無礼なプーチン。

それでも笑顔で迎える日本側の対応を見て、青山繁晴氏は「無いものねだりだけど、岸田大臣、あそこで嫌味の一言も言って欲しかったけど、明らかに言ってる様子はないな」と『ザ・ボイス』で語っていました。確かにおっしゃる通りですが、しかしそれをすれば相手の思う壺のようにも思えます。

いつものように心理戦を仕掛けられているのですから、意に介さず通常通り対応した日本側の姿は正解かもしれません。

これは大変大切な会談なので、いつまでも部屋の隅で膝を抱いているわけにもいきませんので、頑張ってまとめて記録に残しておきたいと思います。

プーチン・ロシア連邦大統領の訪日

1 12月15日から16日まで,ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン・ロシア連邦大統領(H.E. Mr. Putin, Vladimir Vladimirovich, President of the Russian Federation)が実務訪問賓客として訪日します。

2 滞在中,安倍晋三内閣総理大臣は,山口県(長門市)及び東京において,プーチン大統領と会談する予定です。

3 プーチン大統領の訪日により,我が国とロシア連邦との関係が一層進展することが期待されます。

参考

(1)プーチン大統領は,これまでに5回訪日歴あり(大統領としての訪日は3回)。

(2)第一次安倍政権と合わせ,安倍総理大臣とプーチン大統領との間で,本年11月のペルー・リマAPEC首脳会合の際の日露首脳会談を含め,15回の日露首脳会談が実施されている。

出典:外務省

プーチン・ロシア大統領との会談についての会見

平成28年12月15日、安倍総理は、東京国際空港(羽田空港)で会見を行いました。

総理は、ロシア連邦のウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン大統領との会談について、次のように述べました。

私のふるさとであります長門市にプーチン大統領をお招きいたしました。プーチン大統領を心から歓迎したいと思います。

山あいの川沿いにある温泉で、ゆっくりとした雰囲気の中で、そしてまた静かな雰囲気の中で、夜のしじまの中で、じっくりと交渉したいと思います。

先般、元島民の皆さんとお話をする機会がございました。元島民の皆様の切実な思いをしっかりと胸に刻んで、日本を代表して交渉したいと思います。

出典:首相官邸

日露首脳会談

平成28年12月15日、安倍総理は、山口県長門市でプーチン大統領と首脳会談等を行いました。

両首脳は会談を行い、その後、安倍総理は会見を行いました。続いて、両首脳は会談(ワーキングディナー)を行いました。

総理は、会見で次のように述べました。

プーチン大統領と約3時間にわたって首脳会談を行いました。

私の地元での開催、そしてまた、地元の皆様が温かく迎えていただいた結果、大変いい雰囲気の中で首脳会談を行うことができたと思います。

この後、主に経済関係について更に会談を行う予定でございますが、少人数の会談におきましては、二国間の問題、あるいは国際的な課題について、そして、その国際的な課題についてロシアが建設的な役割を果たしていくことの重要性、あるいはまた、日本とロシアが共に取り組んでいくことによって様々な問題を解決していくことができるということについて会談を行いました

また、2人だけの会談については、約95分会談を行いました。平和条約の問題を中心に議論をしたところでございます。

本日は、これまでの、ソチ、ウラジオストク、そしてリマでの議論を踏まえまして、元島民の皆さんの故郷への自由訪問、そして、四島における日露両国の特別な制度の下での共同経済活動、そして、平和条約の問題について、率直かつ非常に突っ込んだ議論を行うことができたと思っています。

2人だけの会談においては、先般、お目にかかった元島民の皆様からお預かりをした手紙をお渡しいたしました。その場で1枚の手紙を、ロシア語で書かれていた手紙については、その場でプーチン大統領は読んでおられました。もう平均年齢が81歳になります。正に時間がないという気持ちの元島民の皆様のお気持ちをしっかりと胸に刻んで会談を行いました。

議論は今日また続くわけでございますし、明日また東京に場所を移しまして、引き続き、議論を行ってまいります。そして、2人の会談の結果につきましては、2人で明日会見の場において、御報告をしたいと、こう思っています。

出典:首相官邸

明日、東京での会談後に行われる会見、あらゆる覚悟を決めた上で楽しみにしています。

わたしは、これはきっと賛同者は少ないと思いますが--最悪の場合、仮に領土問題が進展しなかったとしても、世界情勢の変化や国際的なパワーバランスの変化を見たとき、ロシアとの経済交流は深めた方がいいと考えています。

頭でそう考えても心がなかなかついてきませんが・・・心を強くして会見を待ちたいと思います。

追記翌日行われた共同記者会見全文

【北方領土問題・プーチン来日】プーチン2島返還道筋に言及、日露共同記者会見<全文>

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