「沖縄基地移設は唯一の解決策」「土地返還前倒し」菅官房長官とケネディ駐日米国大使、日米共同記者発表

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平成27年12月4日 金 午後2 ケネディ駐日米国大使との共同記者発表 政府インターネットテレビ

今日、午後5時15分頃から約15分間、菅義偉内閣官房長官は、キャロライン・ケネディ駐日米国大使と官邸において共同記者発表を行い、日米共同報道発表「沖縄における在日米軍施設・区域の統合のための日米両国の計画の実施」を発出。

そこで、一部の重要な土地について、計画を前倒して返還するとの合意が得らたことや、基地移設については普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であることが発表された。

この計画が完全に実施されると、嘉手納空軍基地以南の土地の68%、および沖縄北部にある未開発の土地4000ヘクタールが返還され、これらの全ての返還を合わせると、沖縄で米軍が管理する土地および施設全体の20%以上が縮小されることとなる。

菅内閣官房長官とケネディ駐日米国大使による日米共同記者発表

「沖縄における在日米軍施設・区域の統合のための日米両国の計画の実施」

平成27年12月4日 金 午後2 ケネディ駐日米国大使との共同記者発表 政府インターネットテレビ 2

平成27年12月4日

1 本4日午後5時15分頃から約15分間、菅義偉内閣官房長官は、キャロライン・ケネディ駐日米国大使(H.E. Caroline Kennedy, U.S. Ambassador to Japan)と官邸において共同記者発表を行い、日米共同報道発表「沖縄における在日米軍施設・区域の統合のための日米両国の計画の実施」(和文英文)を発出しました。(共同記者発表における菅官房長官の発言ケネディ大使の発言

2 共同記者発表に先立ち、菅官房長官は、午後5時頃から約10分間、ケネディ大使及びジョン・ドーラン在日米軍司令官(Lt. Gen. John L. Dolan, Commander, U.S. Forces Japan)による表敬を受けたところ、概要は以下のとおりです。

(1) 冒頭、菅官房長官から、本件共同報道発表が日米間で合意に至ったことを確認したい、今回の合意は、日米両国は普天間飛行場の辺野古移設を含めて沖縄との約束を守るということを県民に示すことができた、今後も両国で共に取り組みつつ、日米同盟をより一層深化させていきたい、米国政府の理解と協力をお願いしたい旨述べました。

(2) これに対し、ケネディ大使から、この合意に至る上での菅官房長官の深いコミットメントに感謝する、日米双方はこのために全力をあげて取り組んだ、この勢いを維持していきたい旨述べました。

また、ドーラン司令官から、統合計画の実施のための菅官房長官の尽力に感謝する、在日米軍としても力を合わせて前に進んでいきたい、在日米軍は安全な運用を第一の優先事項としながら、沖縄を始めとする日本全国の良き隣人でいたい旨の発言がありました。

ケネディ駐日米国大使との共同記者発表 動画

http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg12813.html

報道発表「沖縄における在日米軍施設・区域の統合のための日米両国の計画の実施」

日米共同報道発表(和文)

1.日本政府及び合衆国政府は、強固で安定的な在日米軍の前方プレゼンスによって、日米同盟が日本の防衛及び地域の平和と安全のために必要な抑止力及び能力を提供することが可能となることを再確認した。

その上で、日米両政府は、次の措置に基づき更新される2013年4月の「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」において更に精緻なものとされた、2006年5月の「再編実施のための日米のロードマップ」における再編案を実施するとのコミットメントを再確認した。

2.日米両政府は、地元への米軍の影響を軽減しつつ、地域全体の将来の課題及び運用に関わる緊急事態に効果的に対応することができる兵力態勢の維持を目的とした、沖縄における米軍の統合のプロセスを前進させるため、沖縄における在日米軍施設・区域の返還又は共同使用に関する次の措置について一致した。

普天間飛行場

3.日米両政府は、普天間飛行場の代替施設(FRF)をキャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に建設することが、運用上、政治上、財政上及び戦略上の懸念に対処し、普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であることを再確認した。日米両政府は、この計画に対する両政府の揺るぎないコミットメントを再確認した。

4.日米両政府は、1990年6月の日米合同委員会で確認された、普天間飛行場の東側沿いの土地(約4ヘクタール)の返還に向けた作業を加速することを確認した。日米両政府の意図は、日本政府による必要な措置及び手続の完了を条件として、この返還を2017年度(以下、日本国の会計年度)中に実現することである。この返還は、「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」の3年ごとの更新に反映される。

キャンプ瑞慶覧(キャンプ・フォスター)のインダストリアル・コリドー

5.日米両政府は、統合の取組の一環として、宜野湾市が、国道58号と西普天間住宅地区跡地を接続するためにキャンプ瑞慶覧(キャンプ・フォスター)の一部区域の上に高架式道路を設置する工事を2017年度中に開始できるよう、速やかに共同使用の合意を行うことで一致した。
このため、日米両政府は、2016年に開始される調査を含む必要な作業のための宜野湾市による当該区域への立入りを支援する。

6.日米両政府は、キャンプ瑞慶覧(キャンプ・フォスター)について、「返還の条件が満たされ、返還のための必要な手続の完了後、(中略)返還可能」、「インダストリアル・コリドー南側部分の返還をできる限り早期に行う取組を、段階的返還を考慮することにより行う。」と記載する「沖縄における在日米軍施設・区域の統合計画」に従って、取組を継続する意図を改めて表明した。
また、日米両政府は、統合計画の一貫した、かつ包括的な実施を維持するために、キャンプ瑞慶覧(キャンプ・フォスター)の段階的返還に係る更なる議論は、「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」の3年ごとの更新の文脈で行うと理解する。

牧港補給地区(キャンプ・キンザー)

7.日米両政府は、国道58号を拡幅し、交通渋滞を緩和するため、国道58号に隣接する牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の土地(約3ヘクタール)の返還を2017年度中に実現するために、速やかに必要な作業を開始することで一致した。この返還は、米軍の安全基準を満たすインフラの建設及び米軍の安全基準を満たすその他の手段を含む、日米両政府による必要な措置及び手続の完了を条件とする。

8.日米両政府は、「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」に基づき、牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の全面返還に向け、引き続き積極的に取り組む意図を確認した。また、日米両政府は、統合計画の一貫した、かつ包括的な実施を維持するために、牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の返還に係る更なる議論は、「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」の3年ごとの更新の文脈で行うと理解する。

北部訓練場

9.日米両政府は、1996年のSACO最終報告で確認された北部訓練場の過半(約3,987ヘクタール)の返還の意義及び緊急性を再確認した。その上で、日米両政府は、北部訓練場の迅速な返還を促進するために必要な、二国間で合意された条件を満たすとのコミットメントを再確認した。
(了)

日米共同報道発表(英文)

Implementation of Bilateral Plans for Consolidating Facilities and Areas in
Okinawa
Japan-U.S. Joint Press Release

1. The Governments of Japan and the United States reaffirmed that the robust and stable forward presence of U.S. forces in Japan enables the Alliance to provide deterrence and the capabilities necessary for the defense of Japan and the peace and security in the region. The two Governments therefore reconfirmed their commitment to implement the initiatives in the May 2006 “Japan-United States Roadmap for Realignment Implementation,” as further refined in the April 2013 “Consolidation Plan for Facilities and Areas in Okinawa,” which will be updated based upon the following.

2. To advance the process of U.S. forces consolidation in Okinawa, which is designed to maintain a force posture capable of responding effectively to uture challenges and operational contingencies across the region, while mitigating the impact of U.S. forces on local communities, the two Governments shared the view regarding the following measures on the return or joint use of facilities and areas in Okinawa:

Marine Corps Air Station (MCAS) Futenma

3. The Governments of Japan and the United States reconfirmed that the plan to construct the Futenma Replacement Facility (FRF) at the Camp Schwab-Henokosaki area and adjacent waters is the only solution that addresses operational, political, financial, and strategic concerns and avoids the continued use of MCAS Futenma. The two Governments reconfirmed their unwavering commitment to the plan.

4. The two Governments confirmed that they would accelerate work on the return of lands along the eastern side of MCAS Futenma (approximately 4ha), which was confirmed at the Japan-U.S. Joint Committee in June 1990. The bilateral intent is to realize this return in JFY 2017, subject to the completion of necessary steps and procedures by the Government of Japan. This return is to be reflected in the triennial update of the “Consolidation Plan for Facilities and Areas in Okinawa.”

The Industrial Corridor of Camp Zukeran (Camp Foster)

5. As part of the consolidation effort, the Governments of Japan and the United States also shared the view to establish a Joint Use Agreement promptly that will enable Ginowan City to begin construction in JFY 2017 of an elevated road above portions of Camp Zukeran (Camp Foster) to connect Route 58 to the former West Futenma Housing Area. To this end, the two Governments will support Ginowan City’s access to the area for necessary work, including surveys to be started in 2016.

6. The two Governments reiterated their intent to continue their efforts in accordance with the “Consolidation Plan for Facilities and Areas in Okinawa,” which notes, regarding Camp Zukeran (Camp Foster), that it “[c]an be returned upon completion of conditions and necessary procedures for return” and “[e]fforts will be made to return the south end of the Industrial Corridor at the earliest possible date by considering a phased return.” The two Governments also understand that in order to maintain coherent and comprehensive implementation of the consolidation plan, any further discussions of phased returns regarding the Camp Zukeran (Camp Foster) will occur in the context of the triennial update of the “Consolidation Plan for Facilities and Areas in Okinawa.”

Makiminato Service Area (Camp Kinser)

7. The Governments of Japan and the United States shared the view to commence necessary work promptly to achieve in JFY 2017 return of the land (approximately 3ha) of Makiminato Service Area (Camp Kinser) adjacent to Route 58 for the purpose of widening the Route and reducing traffic congestion.

This return is subject to the completion of necessary steps and procedures by the two Governments, which include construction of infrastructures that meet the U.S. forces security standard as well as other measures that meet the U.S. forces security standards.
8. The two Governments confirmed the intent to continue their efforts in a proactive manner towards the total return of Makiminato Service Area (Camp Kinser) based on the “Consolidation Plan for Facilities and Areas in Okinawa.” The two Governments also understand that in order to maintain coherent and comprehensive implementation of the consolidation plan, any further land return discussions regarding Makiminato Service Area (Camp Kinser) will occur in the context of the triennial update of the “Consolidation Plan for Facilities and Areas in Okinawa.”

Northern Training Area

9. The Governments of Japan and the United States reaffirmed the significance and urgency of the return of a major portion (approximately 3,987 ha) of the Northern Training Area, which was confirmed in the 1996 SACO Final Report. The two Governments therefore reconfirmed their commitment to complete the bilaterally agreed conditions necessary to facilitate the Northern Training Area’s expeditious return.

菅官房長官の発言

沖縄における在日米軍施設・区域の返還に関する日米共同報道発表
(菅官房長官発言)

●今し方、私とケネディ大使とで会談をいたしまして、沖縄の在日米軍施設・区域に関し、一部の重要な土地について、具体的な年限を付して統合計画を前倒して返還するとの合意が得られましたので、発表いたします。

●本日、日米間で合意した内容は、次のとおりです。

➀まず、本年3月に返還された西普天間住宅地区跡地と国道 58 号をつなぐアクセス道路の建設を、宜野湾市が 2017 年度中に開始できるようにするための措置をとることで一致をしました。

➁また、浦添市の牧港補給地区の国道 58 号沿いの土地約3ヘクタールについて、統合計画を前倒して 2017 年度中の返還を実現をするため、速やかに必要な作業を開始することで一致をいたしました。

➂さらに、普天間飛行場の東側の一部土地約4ヘクタールについて、2017 年度中の返還を実現すべく、作業を加速化することを確認をいたしました。

●これらは、沖縄の人々の生活に資する、大きな意義を有するものであり、沖縄の負担軽減のために政府が行ってきた米国との様々な話し合いが実を結んだ、目に見える成果であると考えます。

➀キャンプ瑞慶覧におけるアクセス道路の建設は、本年3月に返還された西普天間住宅地区跡地と国道をつなぐものです。地元宜野湾市から強い要望が寄せられていたアクセス道路が建設をされることで、跡地の開発がより力強く進んでいくものと期待をいたしております。

➁また、牧港補給地区の一部返還は、1996 年の SACO 最終報告に記載された案件であり、これまで実現をしてきませんでしたが、今回の合意により統合計画を前倒した返還及び国道拡幅に向けた作業が具体的に動き出します。

国道が拡幅されれば、同地区の渋滞が大幅に緩和され、住民の交通利便性が向上することが期待をされます。

➂さらに、普天間飛行場の東側の一部土地は、1990 年に返還に向けた手続を進めることを米国と確認したものの、実現をするに至っていなかった案件であります。

宜野湾市が市道を整備するために重視し強く要望していたものであり、返還の具体的目処を立てることができました。

●本日の合意は、日米両政府の関係者の努力によるものでありますけれども、特に、この場に在席しておられますケネディ大使及びドーラン在日米軍司令官のリーダーシップなしにはなしえないものであり、心から感謝申し上げる次第であります。今回の合意が着実に実施され、沖縄の皆様に我々の取組を実感をしていただくとともに、日米同盟が一層強固になることを強く希望いたします。

ケネディ大使の発言

平成27年12月4日 金 午後2 ケネディ駐日米国大使との共同記者発表 政府インターネットテレビ 3

(仮翻訳)

こんにちは。

本日、沖縄における土地の早期返還に関し日本政府および米国政府の間で達した重要な合意を、菅官房長官と共に発表でき ることを光栄に存じます。安倍首相ならびに菅官房長官のリーダーシップと、沖縄県民の生活を向上させようとする日々の真摯(しんし)な 取り組みに敬意を表します。

基地を受け入れている日本の全ての地域社会、特に沖縄の地域社会に対し、長年にわたり米軍を支援、歓迎していただいている ことに米国民の謝意を伝えたいと思います。米軍将兵たちは、条約上の義務の順守、日米同盟の強化および地域の平和と繁栄の確保と いう重要な任務を果たしつつ、同時によき隣人になろうと懸命に努力しています。

また、この場をお借りして、この度の取り組みの成功に重要な役割を果たした方々に謝意を表したいと思います。在日米軍のドーラ ン司令官のリーダーシップに感謝いたします。沖縄のニコルソン米海兵隊第3海兵遠征軍司令官からは欠くことのでき ない支援をいただきました。ありがとうございました。今日という日を実現するために尽力してくださった、在日米軍、米海兵隊太平洋基地、そして外務省および防衛省の皆さまにも感謝申し上げます。さらに在日米国大使館、在沖縄米国総領事館ならびにワ シントンの米国政府関係者にも、このプロセスを終始一貫して見守ってくれたことに感謝いたします。

官房長官がおっしゃったように、これらの返還は沖縄県民の日常生活にプラスの影響を与えることとなります。交通渋滞が起きやすい 地域で国道58号が拡幅されることとなります。またアクセス道路が建設され、普天間飛行場との境界にある区域に加え、今年3月に返還された 西普天間住宅地区の開発が加速されます。

本日議論した複数の区画の返還が前倒しになることをうれしく思います。しかし、これらは「沖縄における在日米軍施設・区域に関 する統合計画」というより広範な計画、および太平洋地域における米軍の戦略的再編の一部であることを忘れてはいけません。この計画が完全に実施されると、米軍プレゼンスの沖縄への影響が大幅に軽減され、嘉手納空軍基地以南の土地の68%、および沖縄北部にある未開発の土地4000ヘクタールが返還されることとなります。これらの全ての返還を合わせると、沖縄で米軍が管理する土地および施設全体の20%以上が縮小されることとなります。

米国政府はこの計画全体の可能な限り早期の実施に引き続き取り組み、実現に向け日本政府と連携してまいります。

ありがとうございました。

出典:首相官邸、米国大使館

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