【TBS】普通に考えて、岸井発言って放送法違反ですよね。(一連の流れまとめ)
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2016.03.01 追記
その後の展開「民放キャスターの「電波停止発言、驚きと怒り」声明に呆れる」リンク貼付
2015.12.27 追記
「放送法遵守を求める視聴者の会」による公開質問状
TBS・総務省が公開質問状に回答 岸井氏は回答せず
世間では色々気になるニュースが飛び交っておりますが、中でも気になるニュースは岸井発言を巡る動き。
安保関連法の審議が大詰めを迎えていた9月16日、TBSの『NEWS23』で岸井成格氏が、以下の発言をしました。
岸井成格氏:(安保関連法は)
「メディアとしても廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」
2015.09.16 TBS『NEWS23』
これに対し、作曲家のすぎやまこういちさんが代表呼びかけ人を務める任意団体「放送法遵守を求める視聴者の会」が11月26日、番組アンカーの岸井氏やTBS、総務相に公開質問状を送りましたね。
その時の意見広告は以下の通り(クリックすると大きな画像が開きます)。
読むのが面倒な人は、下の画像の円グラフだけでも見て下さい。
いかにメディアが偏向しているか、一目で分かります。
上の画像の円グラフは、赤が安保反対を取り上げた時間、青が安保賛成を取り上げた時間を示しています。
・・・と、ここまではそれほど関心が高いわけでもなかったのですが、本題はこの次の展開。
その前にちょっとここで、「放送法遵守を求める視聴者の会」なる団体のことをご紹介しておきます。
放送法遵守を求める視聴者の会
賛同者
呼びかけ人 すぎやまこういち
賛同者 渡部昇一、鍵山秀三郎、渡辺利夫、ケント・ギルバート、上念司、小川榮太郎
記者会見ダイジェスト版
https://www.youtube.com/watch?v=bUf-GfruOCc
ぜひ頑張って頂きたいです。
正直、メディアが偏向していることに慣らされてしまって、わたしのような弱い人間は「あぁまたか・・・発言するのも面倒だな」と思ってしまうんですよね。
最近、大きな声で言ったもん勝ち、嘘を繰り返したもん勝ち、手法が汚いもん勝ちという場面が増えた気がするんです。ネットの普及で隠し切れなくなった面もありますが、世界の動きからして、もはやそのような態度を隠そうともしなくなってきていると思うんです。
ただ、一方でその揺り戻しが起きているとも感じています。
黙っていれば、煩い方が勝つということが助長されるばかりなので、やはり、1つ1つ声を挙げねばなりません。
だから、著名な方がこうして活動してくれることに感謝しつつ応援したいと思います。
「放送法遵守を求める視聴者の会」による公開質問状
以下、質問のみを抜粋してご紹介します。
岸井成格氏宛
【質問】質問 1
自らアンカーを務める「NEWS23」が放送法第 4 条を遵守するよう配慮する意思をお持ちでしょうか。
質問 2
アンカーとしての貴殿の発言が、TBS を代表する見解として視聴者から受け止められ得るとの認識はお持ちでしょうか。
質問 3
2015 年 9 月 16 日における貴殿の上記発言は、放送法第 4 条に抵触しないものとお考えでしょうか。
質問 4
同発言を放送法に抵触する恐れがあるとして撤回するお考えはありませんでしょうか。
質問 5
上記発言を撤回されないとすれば、今後も、メディアとして安全保障関連法の廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだとの意見表明を続けるお考えなのでしょうか。
TBS宛
【質問】質問 1
「メディアとしても(安保法案の)廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」とする岸井氏の発言が貴社としての意見、すなわち社見であるのか明らかにされるよう求めます。
質問 2
貴社としても、今後も「平和安全法制関連 2 法の廃止に向けてずっと声を上げ続けていく」考えなのかを明らかにしてください。
質問 3
貴社武田信二社長は 9 月 30 日の定例会見で、貴社の報道について、「安保法制の議論は国論を二分している。法案が通っても、まだ疑問に思っていたり、『説明が足りない』と思ったりしている人が多いのは間違いない。弊社(TBS)の報道が『一方に偏っていた』というご指摘があることも存じ上げているが、われわれは公平・公正に報道していると思っている」と述べておられます。武田社長は、我々の指摘した諸点を見てもなお、貴社当該放送の放送法への抵触をお認めになりませんか。
認めた場合、社としての謝罪、今後の放送法準拠への社則の制定などの対応、また岸井氏への処分はどうなさいますか。
逆に、もし、放送法違反を認められないのならば、なぜ認めないか、上記我々の指摘に対して個別的・具体的・明確に回答願います。
総務省宛
【質問】放送法第 4 条が求める、放送の政治的公平性や多様な見解への配慮については、平成 19 年の総務大臣の答弁において、「一つの番組ではなく当該放送事業者の番組全体を見て、全体としてバランスの取れたものであるかを判断することが必要」との見解が示されています。この見解に従うなら、2015 年 9 月 16 日の「NEWS23」という単独の番組が不公平で一方的であったとしても、直ちには「TBS が放送法に違反している」とは言えないことになります。しかし、この総務大臣見解そのものが、そもそも不適切なのではないでしょうか。
一般視聴者は、ある一局の報道番組全体を見ることはできません。従って、なるべく一つの報道番組内で公平性や多様な意見の紹介に配慮しようと努めるのは、放送事業者の当然の責務だと我々は考えます。そのような配慮によってこそ、放送法第 4 条の理念は守られ、国民の知る権利が守られるはずです。
ところが、上記総務大臣答弁が「当該放送事業者の番組全体を見て」、公平性を担保すると言う、現実には誰にも確認不可能な判断を示したため、放送事業者がこれを盾に、個々の番組の中で公平性や意見の多様性に配慮することを怠る結果となっています。
この「怠り」の積み重ねこそが、放送法第 4 条の事実上の死文化を招いているのです。
また、放送法第 4 条は倫理規定であり、この条文をもとに行政が放送内容に立ち入る事は公権力による言論弾圧だとする見解が、学界に広く行われていますが、仮に放送法第 4 条が倫理規定だとする見解を受け入れたとしても、我々の調査結果を見れば、放送事業者が倫理規定としてもこの条文を全く守っていないことは明らかです。放送法第 4 条が死文化し、放送局の恣意的で一方的な意向に支配された政治報道が横行する事態は、国民の知る権利を保障する日本国憲法第 21 条への重大な違反です。
私たちは、虚偽内容の放送で自分の名誉などの人権が侵害された時は裁判所に提訴したり、または BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送人権委員会に申し立てをして人権救済を求めることができますが、虚偽内容の放送や偏向報道によって国民の知る権利一般が侵害されたとしても個人の人権侵害がなければ裁判所にも BPO にも提訴することができません。BPO は放送倫理検証委員会を設置していますが我々が申立てをすることは認めていません。それではいったい誰が国民の知る権利を守るのでしょう。恣意と偏向に満ちた編集がなされた放送を是正できないまま国民の知る権利の侵害を指を加えて放置する他ないのでしょうか。
昔、政府は国民の人権を制限するものであるとの前提でした。しかし、いまでは政府が国民の人権を守る行政国家観・福祉国家観を否定する者はいないでしょう。政府の関与の程度については極めて慎重な議論が必要ですが、逆に、国民の知る権利を明らかに害する偏向報道などに対して許認可権を有する行政官庁が何も言えないという状況もおかしいと思います。総務大臣におかれては、監督官庁の長として、国民の重大な権利である「知る権利」を、放送局の恣意から守るために、以下のような基準での新たな大臣見解を示されるよう、請願申し上げます。
- 放送事業者は、報道局編成の報道番組に関しては、個々の番組内で放送法第 4 条を充分尊重すること。
- 放送法第4条の個々の規定を厳密に遵守することは条文の性質上困難であるが、最も分り易い基準として、大きく賛否が分かれる政治的主題については、賛否の放映時間を常識の範囲内で公平に保つこと。
- 放送局の報道の自由は当然権力から守られねばならないが、一方で、放送局は、国民の知る権利を損ねてはならないこと。
- 放送事業者は、許認可事業であることを自覚し、報道番組の編集基準について国民からの疑義とそれに対する回答を公開すること。
日本ジャーナリスト会議「岸井氏への不当な攻撃を許さない」と声明発表
・・・というわけで、日本のメディアが腐っている事が周知の事実過ぎて当初は「またか」という感想しかなかったわたしが、とうとうこうして記事を書こうと思ったのは、なんと、日本ジャーナリスト会議(JCJ)が12月4日、「岸井氏への不当な攻撃を許さない」との声明を発表したからなんです。これには驚きました。
JCJは「安保法に対する国民の反対の声を伝えたもので放送法違反ではない。岸井氏への不当な攻撃はメディアの萎縮効果を狙ったものだ」と例のごとくわけのわからない指摘をしており、一応JCJのサイトやブログも見に行ってみたけど、頭がクラクラしてきました。
センスも酷いし同じ日本語が書かれているとは思えないレベル。まあセンスは仕方ないにしても、内容が・・・。
例えばこんな具合。
自民党の「情報通信戦略調査会」会長は今春、BPOを「お手盛り」と誹謗し「テレビ局がお金を出し合っている機関ではチェック出来ない」として「独立した機関」に言及している。この「独立した機関」とは事実上、自主的なBPOの解体後、戦前型の「報国放送機関」とされることは、火を見るより明らかだ。
BPOの意見書が公表されるや、14日に産経新聞、15日には読売新聞に異様な意見広告が掲載された。TBSの「NEWS23」アンカー岸井成格氏のコメントを槍玉に挙げ、「放送法違反の報道」と悪罵を浴びせたのだ。そのコメントは、安保法に対する圧倒的多数の国民の反対の声を伝えたもので、放送法違反でも何でもない。岸井氏への不当な攻撃は、昨年の朝日・植村元記者への攻撃と同様、メディアの萎縮効果を狙ったもので、この時機に大衆煽動に加担した読売新聞などの見識が疑われる。
私たちは、メディアを思いどおりに支配しようと企む、安倍政権の攻勢が新たな段階に入ったことに、深刻な危機感を表明する。ジャーナリズムに携わるすべての個人・団体に呼びかけたい。この危機を真剣に受け止め、不当な攻撃・介入を視聴者・読者・市民と共に総がかりではね返そう。
2015年12月5日
日本ジャーナリスト会議(JCJ)
まず感じたのは、ジャーナリストのわりに、変な文章。最近、メディアの文章力が落ちていませんか?そのことをとても感じます。
そして、思考回路や言葉の選び方、ノリが中韓そっくり。
ご丁寧に一文一文つっこみどころを用意したのかと思うほどのイミフ密度。
偏向報道をしておいて開き直り、自分達の発言を国民の圧倒的多数の意見だと言い、挙句の果てには朝日新聞の元記者植村氏の名まで出し、不当な攻撃をされた、大衆扇動だと言い出す始末。
どっちが扇動してんだよって話です。
それに、安保法制整備そのものついては賛成する人が多数という調査結果もありますがね。どうしてそんな一方的なことを平然と書けるんでしょうか。これが日本のジャーナリズムなんでしょうか。
そもそも岸井発言は不偏不党の立場から明らかに逸脱した発言ですよね、どう聞いても。ということは、総務省が言う「極端な場合」に該当し、一般論として「政治的に公平であること」を確保していないんじゃないでしょうか。わたしは、これは明らかな放送法違反だと考えます。
この手の人たちは、すぐ「国民の意志はこうだ」と勝手に国民の代表面するけど、それどこの国民?と思うんですよ、常々。
勝手に国民を代表しないで欲しい。国民の一人であるわたしの意見はこうです。
わたしは安保法案に反対していません!
放送法4条とは
放送法4条
放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。
(1)公安及び善良な風俗を害しないこと
(2)政治的に公平であること
(3)報道は事実をまげないですること
(4)意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
TBS・総務省が公開質問状に回答 岸井氏は回答せず
「放送法遵守を求める視聴者の会」は22日、TBSや総務省から公開質問状の回答があったことを明らかにした。それぞれの回答、やりとりは以下の通り。
TBS
拝啓 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
早速ですが、11月26日付けの貴信にてご照会のありました件につきまして、下記のとおりご回答申し上げます。
敬具
報道・情報番組において、経験豊富なキャスターやアンカーがニュースに対して解説、論評をすることは、これまでも広く受け入れられていると認識しています。
私どもは公平・公正な番組作りを行っており、今後もその様につとめて参ります。
以上
また、TBSは岸井格成氏が質問に答えないことを承知した。
高市早苗総務相
放送の政治的公平性について、「1つの番組というより、放送事業者の番組全体を見て判断する必要がある」と回答。
平成27年11月27日に、貴会より公開質問状をいただきました。
放送法第4条第1項第2号の「政治的に公平であること」について、総務省としては、これまで、政治的な問題を取り扱う放送番組の編集に当たっては、不偏不党の立場から、特定の政治的見解に偏ることなく、番組全体としてバランスのとれたものでなければならないとしてきたところであり、基本的には、一つの番組というよりは、放送事業者の番組全体を見て判断する必要があるという考え方を示して参りました。
他方、一つの番組のみでも、例えば、
- 選挙期間中又はそれに近接する期間において、殊更に特定の候補者や候補予定者のみを相当の時間にわたり取り上げる特別番組を放送した場合のように、選挙の公平性に明らかに支障を及ぼすと認められる場合、
- 国論を二分するような政治課題について、放送事業者が、一方の政治的見解を取り上げず、殊更に、他の政治的見解のみを取り上げて、それを支持する内容を相当の時間にわたり繰り返す番組を放送した場合のように、当該放送事業者の番組編集が不偏不党の立場から明らかに逸脱していると認められる場合
といった極端な場合においては、一般論として「政治的に公平であること」を確保しているとは認められないと考えております。
以上は、私が国会答弁でも申し上げていることであります。
今般の質問状のご趣旨としましては、政治的公平に関する総務省の考え方について、分かりにくいのではないかということかと存じますが、現在、総務省に「放送を巡る諸課題に関する検討会」を設置しており、本件についても議論の対象となる課題から排除されるものではないと考えております。一方、表現の自由等との関係から大変難しい課題でもあり、現時点で総務大臣としての見解を即答申し上げることが困難であることも、ご承知ください。
以上、よろしくお願い申し上げます。
岸井氏無回答
岸井氏からは、結局無回答となりましたが、その経緯は以下の通りでした。
12月4日
公開質問状の返答期限であり、TBSからの回答は既に到着していた為、18時頃、当会事務局よりTBSに回答の確認電話を入れ、同社総務局総務部木村氏と次のやり取りがありました。・木村氏からは、岸井氏が返答しない旨のお答えがありました。
・当会は文書で質問状を出しているので、内容についての返答をしない旨の回答は文書で頂きたいと伝えました。
・また、その決定は、岸井氏個人の見解か、局としての態度かの返答も併せて求めました。
・木村氏からは、岸井氏に確認するとの回答を得ました。12月7日
午前、当会事務局より、木村氏に改めて電話連絡したところ、・局としてどう対応するかを検討する旨の回答を得ました。
・夕方、関係者が多く調整がなかなか進まない、遅くとも一両日中に返事するとの電話連絡が入りました。12月8日
木村氏より最終回答として、下記の3点を承りました。①岸井氏は回答しないことに決めた。
②TBSも局として無回答を承知した。
③岸井氏、TBSともに、岸井氏への公開質問状に関しては一切のペーパーを出さないと決定した。
「放送法遵守を求める視聴者の会」の反応
甚だ残念。(岸井氏が)無回答という回答さえもTBSに代行させたのは、自ら、言論人の矜持を根底から放棄したに等しいと言える。
(TBSには)3点についての社の見解を伺いましたが、一つとして正面から回答されていません。
確かにTBSは何一つ正面から回答していない。
しかしTBSの回答で「キャスターやアンカーがニュースに解説、論評をすることは広く受け入れられている」というのは、論点のすり替えにも見えるが、実は少しだけ回答している。
なぜかと言えば、総務省が以前から「1つの番組というより、放送事業者の番組全体を見て判断する必要がある」との見解を示している事を利用し、はっきり言えば「番組内で偏った論評するのは、セーフだろ」という回答をしたわけだ。
しかし、「公平・公正な番組作りを行っており、今後もその様につとめて参ります」というのは明らかな嘘であり、局の全体の偏りについては全く触れていない。
「キャスターが偏ったことを言ってもいいだろ」と開き直りつつ、局全体の偏りに触れないのは、大きな欺瞞であり、結局「TBSは逃げた」のだ。
岸井発言のみならず、局全体として見ても「放送法違反」と言うほかないだろう。
出典:放送法遵守を求める視聴者の会