メイ首相が言語化した世界共通の一般市民感情と有本香氏が分析する英米の帝国再構築 | 政治備忘録

メイ首相が言語化した世界共通の一般市民感情と有本香氏が分析する英米の帝国再構築

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今朝の「虎ノ門ニュース」で、有本香氏がメイ首相の発言を引用し、現在の英米の変動と日本のあるべき態度について説明していた。

非常に素晴らしい内容だった。早速その発言をご紹介したい。

有本香氏が分析する英米の帝国再構築

有本香氏の発言(要約)

イギリスのメイ首相が、党大会の演説でこのように語った。

「金融危機の後に最大の犠牲を払ったのは富裕層ではなく、一般の労働者階級世帯だった。庶民の感情を馬鹿にしてきたメディアと一部の政治家が、現実の問題を全く受け入れられずにいる」

この変化は英国だけでなくトランプ現象も同じで、これは英米が弱くなって内向きになったという話だけではなく、新たな帝国再構築の動きかもしれない。

日本はこの地殻変動に備えなければならず、現在最も政治を不安定化させるべきではない。

出典:11/3(木)〜有本香・小川榮太郎・居島一平〜【真相深入り!虎ノ門ニュース】【Toranomon NEWS】

メイ首相も、有本氏も、多くの一般市民が感じている漠然とした不満、あるいは不安を見事に言語化したように思う。

格差社会への不満、それは自分が貧しくなったことに対する不満だけではない不公平感が根底に横たわっている。しかしそれは既得権者にとって「不都合な」真実だ。だから誰も取り上げない。

多くの人が感じていても、それを言語化できる人は少ない。

わたしは久しぶりに興奮し、仕事がたまっているのを少し脇に置いて記事を更新することにした。

まず、メイ首相が党大会の演説で何を言ったのか、詳しく知りたくなった。

イギリスのメイ首相 党大会演説

メイ英首相、政府権限を使いより公平な英国を 党大会演説

保守党は政府権限を駆使して、英国に「公平性を復活」させ、富を今までより幅広く配分する――。テリーザ・メイ英首相は5日、バーミンガムで開かれた党大会でこのように演説した。

(中略)

首相は、欧州連合(EU)離脱を決めた国民投票は「国を決定的に変更する一世一代のチャンス」だったと評価。国民投票で世論が割れたことは認めつつも、どう投票したかに関わらず「この瞬間に見事に立ち会うため、私と一緒に進んで欲しい。一緒にこのチャンスをとらえてほしい」と呼びかけた。
多くの英国民がEUを拒絶したのは、英国に影響する政策や法律の決定に英国がもっと決定権を持ちたいからというほかに、何十年とかけて出来上がってしまった国内の深い分断を反映していると首相は指摘。労働者が「特権と権力のある人々」にあまりに無視されていると批判した。

金融危機の後に最大の犠牲を払ったのは、富裕層ではなく、一般の労働者階級世帯だった」と首相は述べた。

家計の支払いが一気に増えたのに、仕事を失ったり、就労時間を減らされたり、給料が下がったりした人なら、あるいは、これを認めたくない人が大勢いるのは知っているけれども、低技能移民のせいで職を失ったり給料が下がったりした人なら、世の中はまったく不公平だと思うはずです。他人のせいで自分の夢が犠牲になったと、そういう感じがするでしょう」とメイ氏は述べ、政府として雇用を守り、適正に機能しない自由市場は「修理する」と約束した。

「責任ある資本主義」を目標として掲げた首相は、納税は「任意オプション」に過ぎないと考える企業や、英国労働者をないがしろにして「安い外国人労働者」を雇う企業を、「追及していく」と強い姿勢を示した。

メイ氏はさらに、過去の保守党党首は国家の市場介入を減らそうとしてきたが、自分の政府は不正を特定し解決策を見つけて変化を推進するため、速やかに行動するつもりだと強調。さらに保守党こそが「普通の労働者階級の人たち」の党になるべきだと呼びかけ、「政治家や評論家が一般市民について、何と聞いてみるといい」と批判した。

首相は、政界やメディアの一般市民との分断を指摘し、「(市民の)愛国心は不快だと言い、移民問題を心配するのは視野が狭い、犯罪についての考えはリベラルでないし、職を守りたいと思う気持ちは不都合だと、市民をみている。1700万人以上もの人が欧州連合から出たいと投票した事実に、ひどく混乱してまったく受け入れられずにいる」と述べた。

(後略)

出典:BBC 2016年10月6日

線を引いているところが有本氏が番組中に読み上げた箇所だ。

未来への準備

今回有本氏は英米の動きに対し「自国が弱くなって内向きになったという話だけではなく、新たな帝国再構築の動きかもしれない。だから日本は政治を不安定化させるべきではない」と分析したが、グローバリズムの流れにおける不公平感という点で言えば、(有本氏とは意見が異なるかもしれないが)これは世界共通の市民感情だろう。程度の差はあれ日本も例外ではない。

この、「受け入れられない」「不都合な」市民感情というものが、いかに無視できないレベルに達しているかということを、日本のメディア、政治家、あるいは既得権者も、そろそろ受け入れる準備をすべきだと思う。

そして有本氏の日本に対する提言、「政治を不安定化させるべきではない」という点で言えば、わたしたち国民も、空気や感情で流されるのでなく、現実的で総合的、あるいは大局的な判断を下せる準備をしておかなくてはならないだろう。

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