• 政府
  • 政府の動き、プレスリリースなど
日米防衛相会談

【マティス米国防長官来日】北非核化連携確認・尖閣に安保適用再確認<各省庁プレスリリース>

ページに広告が含まれる場合があります。

マティス米国防長官が来日し、安倍晋三首相への表敬訪問、小野寺五典防衛相・河野太郎外相との会談を行いました。

各省庁から出されたプレスリリースは短いですがポイントとなることは多く、以下9点挙げておきます。

POINT
  1. マティス氏は米韓合同軍事演習の中止に関し「朝鮮半島に平和的な解決をもたらす展望を高めるための決定だ」と説明。
  2. 北朝鮮による生物・化学兵器を含むすべての大量破壊兵器と中短距離を含むあらゆる射程の弾道ミサイルの完全廃棄に向け、日米が緊密に連携していく方針で一致。
  3. 日米共同訓練を着実に実施し、日米同盟の抑止力を強化していくこと、中国が東シナ海南シナ海で軍事活動を活発化させている情勢への警戒感も共有。
  4. 北朝鮮の船に洋上で積み荷を移し替える「瀬取り」への対応を有志国と継続する重要性でも合意。
  5. マティス氏は日本人拉致問題に言及し「常に協議の中に含まれる課題だ」として、解決への協力を約束
  6. 中国の脅威を念頭に、尖閣諸島に日本防衛を定めた日米安全保障条約第5条が適用されることを再確認。
  7. 法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋地域を実現するため、ビジョンを共有する全ての国と連携を深め、特に海洋安全保障分野での協力や持続可能な経済開発における協力を進めていくことで一致。
  8. 沖縄を始めとする地元の負担軽減も図るため、在日米軍の再編を着実に進める。
  9. 小野寺氏は相次ぐ米軍機の事故に触れ、米軍の安全な運用確保を要請

以下、首相官邸・防衛省・外務省から発信されたプレスリリースと画像です。

【首相官邸】マティス米国防長官による表敬

平成30年6月29日

マティス米国防長官による表敬

マティス米国防長官による表敬

平成30年6月29日、安倍総理は、総理大臣官邸でアメリカ合衆国のジェームズ・マティス国防長官による表敬を受けました。

【防衛省】日米防衛相会談の概要

日米防衛相会談

平成30年6月29日

平成30年6月29日、9時15分から約65分間、小野寺防衛大臣とマティス米国防長官は、防衛省において会談を行ったところ、概要は次のとおり。

1 北朝鮮

両閣僚は、直近の北朝鮮問題をめぐる状況を踏まえ、今後の北朝鮮問題への対応に関し、防衛当局間の認識・方針をすり合わせ、一致していることを改めて確認した。両閣僚は、国連安保理決議に従い、北朝鮮による生物及び化学兵器を含む全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での廃棄を実現するため、日米が国際社会と連携して取り組むことで一致し、北朝鮮によるいわゆる「瀬取り」に対し、引き続き日米が有志国と連携して取り組むことを確認した。

この際、マティス長官から、米韓合同軍事演習の停止について説明があり、両閣僚は、在韓米軍の撤退・縮小は検討されていないこと、在韓米軍を含む地域における米軍の抑止力の重要性を再確認した。また、マティス長官から、日本防衛へのコミットメントが改めて示され、日米共同訓練の着実な実施をはじめ、同盟の抑止力・対処力強化の取組を進めることで一致した。両閣僚は、いかなる事態に対しても同盟として連携した対応をとるため、引き続き緊密なコミュニケーションを図ることで一致した。

2 地域情勢等

両閣僚は、マティス長官の中国訪問を踏まえ意見交換を行い、尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用範囲であること、同諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対することを改めて確認し、引き続き東シナ海の情勢を注視し、平和と安定のために協力していくことで一致した。

また、両閣僚は、法の支配、航行の自由等の基本的原則の定着に向けた協力の重要性を確認した。

3 防衛装備分野における取組

両閣僚は、FMSに関わる諸課題の改善等が進捗していることを歓迎し、日本側が効率的な調達をできるよう引き続き協力して取り組んでいくことを確認した。

4 在日米軍

両閣僚は、米軍再編計画の着実な進展のため、日米で緊密に協力していくことで一致し、小野寺大臣から、米軍の安全な運用の確保に向けた協力を要請した。

(以上)

【外務省】河野外務大臣とマティス米国国防長官との会談

河野外務大臣とマティス米国国防長官との会談

平成30年6月29日

本29日午後0時35分から約40分間,河野太郎外務大臣は,訪日中のジェームズ・マティス米国国防長官(The Honorable James Mattis, Secretary of Defense of the United States of America)と会談したところ,概要は以下のとおりです。

1 冒頭,河野大臣から,昨年2月以来となるマティス長官の訪日を歓迎するとともに,本年3月のワシントンD.C. 訪問の際のおもてなしに謝意を表した上で,日米同盟の対処力・抑止力の一層の強化に向け,緊密に連携したい旨述べました。これに対し,マティス長官から,日米同盟は優先事項であり,防衛当局が外交当局の取組を支えるべく責務を果たしたい旨述べました。

2 双方は,北朝鮮情勢について意見交換を行い,先般の米朝首脳会談において朝鮮半島の完全な非核化に向けた金正恩委員長の意思を改めて確認したことは,諸懸案の包括的解決に向けた一歩であり,今後のプロセスにおいて日米が常に共にあることを確認しました。
また,双方は,

    • (1)大規模な米韓合同軍事演習の停止の継続は,全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な廃棄(CVID)実現に向けた北朝鮮の行動次第であること,
    • (2)日米同盟及び米韓同盟,並びにこれらに基づく抑止力は,北東アジア地域における安全保障に不可欠な役割を果たしており,在韓米軍の撤退・縮小は検討されていないこと,
    • (3)同時かつ段階的なアプローチを採らず,CVIDの達成まで安保理決議に従った措置は維持されること,「瀬取り」対策は引き続き重要であることを確認しました。

さらに,河野大臣から,拉致問題の早期解決のため米国国防省とも協力したい旨述べたのに対し,マティス長官から,米国国防省としても,朝鮮戦争の捕虜及び行方不明者に係る取組を進めており,これらはいずれも人権に関わる問題であり,情報共有をも通じて最大限の協力を行いたい旨述べました。

3 双方は,マティス長官の訪中を踏まえ,中国との関係について意見交換を行いました。双方は,中国は北朝鮮問題を含む地域の平和と安定のために重要な役割を果たしており,中国との建設的な関係を築いていくことが重要であることで一致しました。

4 また,双方は,法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋地域を実現するため,ビジョンを共有する全ての国と連携を深め,特に,海洋安全保障分野での協力や持続可能な経済開発における協力を進めていくことで一致しました。

5 双方は,東シナ海及び南シナ海における状況について懸念を共有し,引き続き日米で緊密に連携していくことを確認しました。

6 さらに,双方は,中東を含む地域情勢についても意見交換を行いました。

7 双方は,在日米軍の運用能力及び抑止力を維持するため,引き続き,日米共同訓練を引き続き実施するとともに,沖縄を始めとする地元の負担軽減も図るため,在日米軍の再編を着実に進めるとのコミットメントを再確認しました。

出典:首相官邸防衛省外務省ロイター

合わせて読みたい