岸田外務大臣会見「NPT運用検討会議、ケリー国務長官訪韓、世界遺産申請案件、訪ロシア」<全文・動画>
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最近注目される興味深い話題が多いので、ぜひご覧ください。
岸田外務大臣会見記録
平成27年5月19日(火曜日)8時45分 於:官邸エントランスホール
NPT運用検討会議
【日本テレビ 有田記者】
NPTの運用検討会議で世界各地の指導者の広島,長崎訪問について,中国に次いで韓国の消極的な姿勢が報道されているようですが,このことの受け止めと,杉山外務審議官がニューヨークに行って,現地でスピーチされたそうですが,今後の復活に向けて,どのような話をしていくのか,そういったことについてお伺いしたいと思います。
【岸田外務大臣】
NPT運用検討会議に対しましては,我が国として,5つの課題を中心に提言を行い,そしてそれが成果文書に盛り込まれるよう,努力をしております。
そして,ご指摘の世界の指導者に被爆地を訪問してもらうということにつきましては,このNPDIの枠組のもとに関係国と協力をしながら,世界の指導者に被爆の実相に触れてもらうことは,核軍縮・不拡散の機運を高める上からも,大変有意義であるという考えの基に成果文書への盛り込みを求め,努力をしているところです。
NPT運用検討会議自身は,引き続き議論を行われております。是非,こうした我々の提案が,成果文書に盛り込まれるよう,引き続き努力を続けていきたいと考えています。
韓米外相会談
【日本テレビ 有田記者】
アメリカのケリー国務長官が韓国を訪韓しまして,尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と会談しまして,日韓関係の改善も話題として出たということですけれど,6月22日の日韓基本条約調印50年まで一ヶ月後になりますけれど,今後どういう形で首脳会談等,日韓関係の改善をつとめていきたいと考えておられますでしょうか。
【岸田外務大臣】
先ずご指摘の点については,報道等で承知しております。そして日韓の間には難しい問題が存在いたしますが,是非,我が国としては,韓国は大切な隣国でもあり,未来志向で関係を推進していきたいと考えておりますし,今年,日韓国交正常化50年という節目の年です。是非,この年を前向きな年にするべく努力をしていきたいと考えております。
日韓の間においては,対話のドアはオープンであるとずっと申し上げ続けています。是非,首脳を始め,様々なレベルでの対話を積み重ねることが重要であると認識しております。
世界遺産申請案件(明治日本の産業革命遺産)について
【毎日新聞 小田中記者】
韓国の問題で世界遺産の問題がありますけれど,5月22日に局長協議がされるのではないかというのがありますが,改めて現在の調整状況についてですね,韓国側は7施設の除外を求めていると思われるのですが,改めてどのような交渉姿勢で臨まれるのでしょうか。
【岸田外務大臣】
先ずご指摘の件につきましては,世界遺産委員会において技術的,専門的見地から議論が行われ審議され,そして決定がされるよう,韓国を始め,世界遺産委員国各国に対しまして働きかけを続けております。世界遺産にふさわしいとするイコモス勧告が尊重され,その勧告どおり,決定がなされるよう,今後とも,韓国を含む世界遺産委員国に対して働きかけを続けていきたいと考えています。
引き続き努力は続けられております。しっかり情報を確認しながら政府として対応をしていきたいと考えております。
ジェブ・ブッシュ氏による日米同盟に関する発言
【日経新聞 黒沼記者】
来年のアメリカの大統領選に関連しまして,共和党有力候補であるジェブ・ブッシュ氏が弊社のインタビューに答えまして「日米同盟に関しても特別に重要である」それから「安倍首相の日米同盟の関与を評価している」との発言がありましたけれども,これに対する受け止め,感想を頂ければと考えます。
【岸田外務大臣】
先ず,先日の安倍総理の訪米については,その訪米において,戦後,いかに日米両国が地域や世界の平和や安定に貢献してきたか,こういった点を確認し,これからも日米同盟が大変重要である,一層強化していくべきである,こういった点について確認できたと受け止めています。
ご指摘のジェブ・ブッシュ氏による発言,こうした日米双方による,同盟の重要性が米国国内においても十分浸透している,こういったことの証左の一つではないかと受け止めています。
岸田外相の訪露
【朝日新聞 今野記者】
ロシアについて,本格的に訪露を検討しているという報道がありますが,タイミングと訪露の意義ですね,あとどの程度調整が進んでいるのかお願いします。
【岸田外務大臣】
去年11月APECでの日露首脳会談におきまして,本年のしかるべき時期に,プーチン大統領が訪日するということが首脳間で一致確認しています。ただ,訪日に向けてはまだ,今,様々な情勢を勘案して総合的に判断するということであり,まだ何も決まっておりません。
その前段として外相の訪露につきましても,いまのところまだ決まっておりません。引き続き総合的に判断をしていくことになると考えます。
出典:外務省