【全国戦没者追悼式】天皇陛下のおことば・安倍首相式辞<全文>
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71回目となった終戦の日の15日、およそ310万人の戦没者を慰霊する政府主催の全国戦没者追悼式が東京の日本武道館で行われ、天皇、皇后両陛下や遺族の代表などおよそ6000人が参列しました。
天皇陛下は昨年、おことばで「さきの大戦に対する深い反省」に戦没者追悼式で初めて言及されましたが、今年も「深い反省」が盛り込まれました。
しかし、「さきの大戦に対する」という言葉は削除され、一昨年以前に戻っています。
でも厳密に言うと、昨年と今年とでは異なっているし、元に戻ったというのも違います。両方、一部だけを取り出しているんですよね。
相変わらず、天皇陛下のおことばを政治利用する向きが強すぎて、本当に心が痛みます。
このような政治利用をする人達の言葉に振り回されず、静かに天皇陛下のおことばを受け止めたいと思います。
天皇陛下のおことば(全国戦没者追悼式)<全文>
平成28年8月15日(月)(日本武道館)
本日,「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり,全国戦没者追悼式に臨み,さきの大戦において,かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い,深い悲しみを新たにいたします。
終戦以来既に71年,国民のたゆみない努力により,今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが,苦難に満ちた往時をしのぶとき,感慨は今なお尽きることがありません。
ここに過去を顧み,深い反省とともに,今後,戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い,全国民と共に,戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し,心から追悼の意を表し,世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。
Address by His Majesty the Emperor on the Occasion of the Memorial Ceremony for the War Dead (August 15, 2016)
On this Day to Commemorate the War Dead and Pray for Peace, my thoughts are with the numerous people who lost their precious lives in the last war and their bereaved families, as I attend this Memorial Ceremony for the War Dead with a deep and renewed sense of sorrow.
Seventy-one years have already passed since the end of the war, and our country today enjoys peace and prosperity, thanks to the ceaseless effort made by the people of Japan, but when I look back on the sufferings and tribulations of the past, I cannot help but be overcome with deep emotion.
Reflecting on our past and bearing in mind the feelings of deep remorse, I earnestly hope that the ravages of war will never be repeated. Together with all of our people, I now pay my heartfelt tribute to all those who lost their lives in the war, both on the battlefields and elsewhere, and pray for world peace and for the continuing development of our country.
安倍総理大臣 全国戦没者追悼式式辞<全文>
本日ここに、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、全国戦没者追悼式を挙行するにあたり、政府を代表し、慎んで式辞を申し述べます。
あの、苛烈を極めた先の大戦において、祖国を思い、家族を案じつつ、戦場に斃れられた御霊、戦禍に遭われ、あるいは戦後、遥かな異郷に亡くなられた御霊、皆様の尊い犠牲の上に、私たちが享受する平和と繁栄があることを、片時たりとも忘れません。衷心より、哀悼の誠を捧げるとともに、改めて、敬意と感謝の念を申し上げます。
未だ、帰還を果たされていない多くの御遺骨のことも、脳裡から離れることはありません。おひとりでも多くの方々が、ふるさとに戻っていただけるよう、全力を尽くします。
我が国は、戦後一貫して、戦争を憎み、平和を重んじる国として、孜々として歩んでまいりました。世界をよりよい場とするため、惜しみない支援、平和への取り組みを、積み重ねてまいりました。
戦争の惨禍を決して繰り返さない。
これからも、この決然たる誓いを貫き、歴史と謙虚に向き合い、世界の平和と繁栄に貢献し、万人が心豊かに暮らせる世の中の実現に、全力を尽くしてまいります。明日を生きる世代のために、希望に満ちた国の未来を切り拓いてまいります。そのことが、御霊に報いる途であると信じて疑いません。
終わりに、いま一度、戦没者の御霊に永久の安らぎと、御遺族の皆様には、御多幸を、心よりお祈りし、式辞といたします。
平成二十八年八月十五日
内閣総理大臣 安倍晋三
安倍総理大臣 全国戦没者追悼式式辞<動画リンク>
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg14091.html
菅義偉 内閣官房長官談話<全文>
平成二十八年八月十四日
明日八月十五日は、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」であります。
政府は、日本武道館において、天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、遺族代表及び各界代表の参列の下に、先の大戦における三百万余の戦没者のため、全国戦没者追悼式を挙行いたします。
この式典を政府が主催する趣旨は、今日の我が国の平和と繁栄の陰に、先の大戦において祖国を思い、家族を案じつつ、戦禍に倒れた戦没者の方々の尊い犠牲があったことに思いを致し、全国民が深く追悼の誠を捧げるとともに、恒久平和の確立への誓いを新たにしようとするものであります。
明日の正午には、国民一人ひとりが、その家庭、職場等、それぞれの場所において、この式典に合わせて、戦没者をしのび、心から黙とうを捧げられるよう切望いたします。
出典:宮内庁、首相官邸