ドゥテルテ大統領来日 日・フィリピン首脳会談・晩餐会、共同声明<全文> | 政治備忘録

ドゥテルテ大統領来日 日・フィリピン首脳会談・晩餐会、共同声明<全文>

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16.10.27 現場の様子が伝わる産経ニュースの記事を所々引用 追記

フィリピン ドゥテルテ大統領 来日 共同記者発表

昨日25日、フィリピンのドゥテルテ大統領が来日しました。

26日全体の流れは下のリンク記事にまとめていますが、その中から「首脳会談」「共同声明全文」「安倍首相の晩餐会挨拶」をこのページに記録しています。

フィリピン・ドゥテルテ大統領来日、2日目の動き<まとめ>
来日しているフィリピン・ドゥテルテ大統領の2日目の動き。経団連会長らと昼食会、議連メンバーと会談、講演で2年以内の米軍撤退を要求、フィリピン・ヤサイ外相会見、日比首脳会談、フィリピンに対する円借款に関する書簡の交換など。
10月26日、安倍総理は、総理大臣官邸でフィリピン共和国のロドリゴ・ドゥテルテ大統領と首脳会談を行いました。
その後、署名式、文書交換式及び共同記者発表を行いました。

日・フィリピン首脳会談

首脳会談の冒頭発言は短いのが通例だが、この日は違った。

安倍首相は「大統領の初来日を心から歓迎する。日比関係を飛躍的に発展させたい」などと1分足らずだったが、ドゥテルテ氏が通訳を交えず約5分にわたってぶっ続けで話し始めたからだ。

ドゥテルテ氏は南シナ海問題を切り出し、「日本とフィリピンは同じような状況にある」「われわれは常に日本側に立つ」とそれぞれ2度も繰り返した

中国に関して「プレーヤーではないにもかかわらず、いろいろなノイズを出したりしている」とも言及した。

安倍首相は今回、首脳会談後に少人数会合をセットした。参加したのは両首脳を含め計6人のみ。安倍首相が日米同盟の重要性などを伝えるとともに、ドゥテルテ氏の本音を聞き出すのが目的だったとされる。

会合は首脳会談の2倍に当たる約70分に及んだ。

出典:産経ニュース (2016.10.27 00:19)

プレスリリース

(1)冒頭,安倍総理大臣から,大統領としての初訪日を心から歓迎,先月,ラオス・ビエンチャンでお会いして以来,再会することができ嬉しい,本年は日・フィリピン両国の国交正常化60周年であり,その記念の年の1月に天皇皇后両陛下がフィリピンを御訪問され,今般,ドゥテルテ大統領を日本にお迎えすることができた,ドゥテルテ大統領の今回の訪日を通じて,日本とフィリピンの関係を,飛躍的に発展させたい旨述べました。

これに対して,ドゥテルテ大統領から,ご招待に感謝する,日フィリピン両国は植民地時代前から交流のあった関係である,現在,フィリピンは日本の親密なパートナーである旨述べました。

(2)また,安倍総理大臣から,日本はフィリピンを極めて重視しており,これまでJICA等を通じて長年にわたりフィリピンの発展を後押ししてきた,今後も,特に,ドゥテルテ大統領が重視する海洋安全保障,テロ対策,ミンダナオ和平,長期開発計画に基づく国造り等で,最大限の支援を行っていく旨述べました。
安倍総理大臣から,海洋安全保障では,フィリピンの能力向上を力強く支援したい,大型巡視船2隻の交換公文の署名を歓迎する,海洋安全保障対話を立ち上げ,具体的な協力について議論したい旨述べるとともに,海上自衛隊航空機TC-90の移転に向けた取極の署名を歓迎し,安保・防衛協力を積極的に推進していきたい旨述べました。
さらに,安倍総理大臣から,テロ対策では,フィリピン沿岸警備隊に対し,高速小型艇等を供与したい旨述べました。
安倍総理大臣から,ミンダナオ和平定着に向け,引き続き人材育成等,他地域との格差是正に貢献していく,「アグリビジネス促進事業」の交換公文の署名を歓迎する,バンサモロ地域の電力分野の支援を早期に決定したい旨述べました。
安倍総理大臣から,長期開発計画に基づく国造りを協力したい,マニラ首都圏だけでなく,ダバオほか地方都市における,電力,運輸交通等のマスタープラン策定,また,マニラ地下鉄の調査を来年9月までに終了し,事業化につなげたい旨述べるとともに,「産業協力イニシアティブ」の発出及びICT分野の覚書の署名を歓迎する,「クラーク・グリーン・シティ構想」の実現のため,マロロス・クラーク間の鉄道の調査を行いたい旨述べました。

これに対し,ドゥテルテ大統領は,JICAの支援について,心より感謝申し上げたい,ダバオ市長を22年務めたが,空港を始めJICAは様々なプロジェクトを完了させてくれた旨述べ,日本の支援に対する謝意を表明しました。

(3)また,安倍総理大臣から,日本は一貫して,対等な戦略的パートナーとして,ASEAN共同体の強化を支援してきており,ASEANの中心性と一体性を強く支持している,来年はフィリピンがASEAN議長国を務める予定であり,日本はフィリピンの成功を心から願っており,フィリピンを最大限支援していく旨述べました。

(4)また,北朝鮮問題について,安倍総理大臣から,北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威は新たな段階である,北朝鮮の行動を変えるには,新たな安保理決議の採択や関連決議の厳格な履行等を通じ,いかなる挑発行動も容認しないという力強いメッセージを発出すべき,拉致問題に関するドゥテルテ大統領の力強い支持に感謝する,北朝鮮に拉致問題の早期解決に向けた具体的な行動を強く求めたい。フィリピンの理解と協力を期待する旨述べました。

これに対し,ドゥテルテ大統領は,北朝鮮による核実験の継続は非難することを確約する,国際社会が結束して働きかけ,北朝鮮を六者会合に戻さなければならない旨述べました。

(5)また,両首脳は,南シナ海情勢についても意見交換しました。ドゥテルテ大統領は,南シナ海問題については,仲裁判断が出されたので,それに基づいて話をすることしかできない,国連海洋法条約を含む法の支配の原則に従っていずれかの時点で話をする,日本とフィリピンは同じような状況にある,フィリピンはいつも日本と同じ立場に立っているので安心してほしい,海洋問題においては,航行の自由の確保が必要である旨述べました。

安倍総理大臣から,先ほど,日本の立場に常に寄り添うことを明言いただいたことを感謝する,日本国民はドゥテルテ大統領の友情を感じることができた旨述べました。

安倍総理大臣は,南シナ海の問題は,地域の平和と安定に直結する,国際社会全体の関心事項である,仲裁判断に関し,海洋における紛争は武力による威嚇又は武力の行使に訴えず,国連海洋法条約等に従って,平和的に解決することが重要である旨述べました。さらに,安倍総理大臣は,日本は,ドゥテルテ大統領が,比中関係の改善と発展に尽力され,地域の平和と安定に貢献していることを歓迎する旨述べました。

日フィリピン共同声明<全文>

フィリピン ドゥテルテ大統領 来日 日・フィリピン首脳会談

日本国政府の招待によって,ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ・フィリピン共和国大統領は,2016年10月25日から27日まで日本国を公式訪問した。

安倍晋三内閣総理大臣とロドリゴ・ロア・ドゥテルテ大統領は,友好的で,前向きかつ建設的な雰囲気の中で生産的な首脳会談を行った。

共有された基本的価値によって結びついている二つの海洋国家としての日本国とフィリピンの戦略的パートナーシップを更に促進するため,両首脳は,以下のとおり声明した。

  1. 両首脳は,ドゥテルテ大統領の訪問が両国間の外交関係樹立60周年を祝う重要な訪問であると認識した。この訪問は,二国間関係の深化を強調し,往来や協力を更に増進させる,二国間関係の重要な節目である。
  2. 東アジアと東南アジア地域との間の平和的及び活発な関係を維持するため,両首脳は,両国が,自由,民主主義,法の支配,基本的人権の尊重,自由で開かれた経済等の共通の価値に基づいた戦略的パートナーシップの更なる強化に完全にコミットしていることを再確認した。また,両首脳は,二国間関係を強化し,地域の平和と安定を維持するため,両国の継続的な協力について議論した。
  3. 両首脳は,地域の安全保障環境が多くの課題に直面しているとの認識を共有し,地域の平和,安定及び繁栄の維持のために更に協動することを決定した。
  4. 両首脳は,両国が,アジアの海洋国家として,地域及び世界の平和,安定及び繁栄を維持し,促進していくことが共通の利益であることを確認した。
  5. 両首脳は,両国及び地域の平和,安定及び継続する繁栄にとって極めて不可欠の要素である,海洋安全及び海洋安全保障を確保することの必要性を強調した。
  6. 両首脳は,日本国海上保安庁とフィリピン沿岸警備隊との間の長きにわたる協力を考慮し,フィリピン沿岸警備隊に対する人材育成,能力構築支援,巡視艇その他の機材の供与を通じた,フィリピンによる自国の海洋分野の能力強化への努力に対する日本からの長年にわたる重要な貢献を確認した。これに基づき,両首脳は,海洋安全保障及び海洋安全上の共通の利益となる様々な分野において更に協力する意図を共有した。
  7. 両首脳は,フィリピンへの2隻の大型巡視船の供与のための日本の政府開発援助(ODA)に係る交換公文への署名,及び既に日本が供与を決定した10隻の巡視艇の供与の着実な進展を歓迎した。ドゥテルテ大統領は,この分野における日本の継続的な支援に感謝を表明した。
  8. 両首脳は,日本の海上自衛隊の練習機TC-90の移転のための細目取極及び当局間取決めの署名を歓迎した。さらに,安倍総理は,フィリピン海軍のパイロット教育及び整備基盤の能力向上を含む,安全保障及び防衛協力の促進を継続する意図を表明した。
  9. ドゥテルテ大統領は,フィリピンのテロ対策能力を高めるための,高速艇その他の機材の供与に係る日本の意向に感謝を表明した。
  10. 両首脳は,あらゆるレベルで二国間の対話及び政策協議を一層促進するとの認識を共有した。
  11. 開かれ安定した海洋の維持は,地域において不可欠である。両首脳は,南シナ海が世界経済の活動及び成長のために極めて重要なシーレーンである
    との認識を共有した。この観点から,両首脳は,航行及び上空飛行の自由並びに海賊対策に係る取組及び協力の重要性を強調した。
  12. 南シナ海に関する仲裁判断に関して,両首脳は,武力による威嚇又は武力の行使に訴えることなく,1982年の海洋法に関する国際連合条約(U
    NCLOS),国際連合憲章その他の関連の国際条約に従った海洋紛争の平和的解決に向け,ルールに基づいたアプローチの重要性を認識した。
    両首脳は,自制及び非軍事化の重要性を強調した。この観点から,両首脳は,2002年の南シナ海における関係国の行動宣言(DOC),2016年7月24日の第49回ASEAN外相会議共同コミュニケ,2016年9月7日の第19回日ASEAN首脳会議議長声明及び2016年9月8日の東アジア首脳会議議長声明の重要性も認識した。
  13. 両首脳は,日本国とフィリピンとの間のかつてなく強固な絆を始めとする,両国の種々の友好関係及び同盟関係のネットワークが,地域の平和,安定及び海洋安全保障を促進することに期待*を寄せた。
  14. 安倍総理は,ASEANの中心性及びそのビジョン「ASEAN2025:共に前進する」に対する日本の支持を再確認した。フィリピンによる2017年のASEAN議長国に期待しつつ,安倍総理は,ASEANの連結性及び包摂的成長を担う,ルールに基づいた,人間志向・人間中心の地域共同体に対する,日本からの継続的な支持を保証した。
    ドゥテルテ大統領は,共に繁栄する日本とASEANの戦略的パートナーシップ,日・ASEAN包括的経済連携協定その他の取決めを通じた,ASEAN共同体構築に向けた日本の貢献を認識した。
  15. ドゥテルテ大統領は,安倍総理に対して,都合の良い時期にフィリピンを訪問するよう招待した。安倍総理は,喜んでその招待を受け入れた。

2016年10月26日
東京

*共同声明には「両国の種々の友好関係および同盟関係のネットワークが、地域の平和と安定、海洋安全保障を促進する」との文言が入った。

政府関係者は「日本が比米間をつなぐことで南シナ海の平和と安定に寄与するということだ」と解説し、こう言い切った。

「首脳会談は成功だ」

出典:産経ニュース(2016.10.27 00:19)

晩餐会 安倍首相挨拶

フィリピン ドゥテルテ大統領 来日 総理主催晩餐会で挨拶する安倍総理

総理は晩餐会を開催し、挨拶で次のように述べました。

ドゥテルテ大統領の訪日を改めて心から歓迎申し上げます。

まず、お招きさせていただいた皆様を、30分お待たせしてしまったことをお詫び申し上げたいと思います。それも、私とドゥテルテ大統領の二人の会話があまりにも弾んだ結果、伸びてしまったということで御理解をいただきたいと思います。本当に有意義な会話をすることができました。中身については申し上げることができません。

本年は、日本とフィリピンが国交を正常化してから60周年であります。この素晴らしい記念の年にあって、1月には天皇皇后両陛下がフィリピンを御訪問されました。そして今回は、大変親日的なドゥテルテ大統領が、就任早々に訪日をされました。大歓迎をしたいと思います。日本とフィリピンの関係は、深くて温かい家族や兄弟のような関係であり、ドゥテルテ大統領と両国で未来を大きく花開かせたいと思います。

ドゥテルテ大統領は、日本食が大好きと聞いています。本日は、和食でおもてなしすることにいたしましたので、気に入っていただけたら、和食を食べに何度でも日本にお越しをいただきたいと思います。

ドゥテルテ大統領は、ダバオ市長を長く務められ、天皇誕生日レセプションに何度も足を運んでいただきました。日本も、ミンダナオのことを大変大切に思い、長年に渡って支援をしています。本日の晩餐会にも、ミンダナオに縁のある人々を何人かお招きをさせていただいております。

フィリピンの国民的英雄、ホセ・リサール氏は、若き日に日本各地を旅行し、将来に両国が様々な交流や関係を持つであろうと書き残しました。まさにそのとおり、日本とフィリピンの関係は、政治、経済、文化、人的交流など、あらゆる分野で大きく発展してきています。本日の晩餐会には、両国のかけがえのない友好関係を様々な分野で支えていただいているリーダーの方々を各地から御招待いたしました。皆様のおかげで、今日の素晴らしい日本・フィリピンの関係があります。皆様には、この場をお借りをいたしまして、感謝申し上げるとともに、更なる関係の発展に向けて引き続きお力添えをいただければ幸いでございます。

ドゥテルテ大統領と御出席の皆様の御健康と御多幸、そして日本国民とフィリピン国民の友好協力関係の一層の発展を祈念し、乾杯をしたいと思います。

マブハイ。

出典:首相官邸

夕食会で、ドゥテルテ氏は「日本は真の友人で、しかも兄弟よりももっと近しい関係にある」とあいさつした。

出典:産経ニュース(2016.10.27 00:19)

その他出典:外務省、画像出典:首相官邸

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