日米首脳会談 安倍晋三総理・トランプ大統領・河野外務大臣・ペンス副大統領 2018.06.07

【安倍首相米国訪問】日米首脳会談・日米共同記者会見「拉致問題、首相の望む形で」

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日米首脳会談・共同記者会見 安倍首相 トランプ大統領

安倍晋三総理大臣は6日、米国訪問及びG7シャルルボワ・サミット出席のため、日本を出発しました。

このページでは、アメリカ訪問における日米首脳会談・日米共同記者会見などの流れが分かるよう簡潔にまとめます。

安倍首相、米国訪問及びG7シャルルボワ・サミット出席についての会見

安倍首相は出発に先立ち、総理大臣官邸で会見を行い以下のように述べていました。

米国訪問及びG7シャルルボワ・サミット出席についての会見

2018年6月6日

まず北朝鮮の問題については、トランプ大統領とは首脳会談や電話首脳会談を通じて緊密に連携してきており、立場を完全に一致させています
そして、この史上初めての米朝首脳会談を前にして、ワシントンにおいてトランプ大統領と会談を行い、核・ミサイル問題、そして何よりも大切な拉致問題が前進するようしっかりと大統領とすり合わせを行い、米朝首脳会談を成功させたいと思っています。

G7においては、北朝鮮問題についてトランプ大統領と議論をリードし、そして歴史的な米朝首脳会談に向けてトランプ大統領を支持、G7として支持するというメッセージを出し、G7の結束を示したいと思います。
また、国際経済については、貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもならないということ、そして自由で公正な経済秩序を発展させ、成長を牽引(けんいん)してきたG7こそが、世界の経済の安定にその役割をしっかりと果たしていくべきだということを訴えていきたいと思っています。

出典:首相官邸

Twitterで見る安倍首相とトランプ大統領のやりとり

Twitterで見ると、臨場感があって面白い。

安倍総理大臣、ワシントンに到着。

トランプ大統領「正午に日本の友人安倍首相と会えることを楽しみにしている。北朝鮮と貿易について議論する」
安倍首相「偉大な友人のトランプ大統領と実りある話をすることを楽しみにしている」

トランプ大統領「安倍首相をホワイトハウスに迎えることは大変光栄です!」

トランプ大統領「今日、私の親友、日本の安倍首相をホワイトハウスに迎えることを大変光栄に思います。過去16ヶ月間、安倍首相と私は共通の課題に取り組むために緊密に協力してきました」

トランプ大統領「日本の安倍首相と会談を行う素晴らしい日!」

日米首脳会談

急遽予定が変更され、河野太郎外相とペンス副大統領が同席することに。

平成30年6月7日

日米首脳会談 安倍晋三総理・トランプ大統領・河野外務大臣・ペンス副大統領 2018.06.07

6月7日(現地時間),米国ワシントンD. C. 訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は,ドナルド・トランプ米国大統領(The Honorable Donald J. Trump, President of the United States of America)と日米首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。(マイク・ペンス副大統領と河野太郎外務大臣が同席する形でのテタテ(1対1)形式:12時10分頃から約45分間,ワーキングランチ形式:12時55分頃から約55分間。)。

1 両首脳は,6月12日に予定されている米朝首脳会談への対応を含め,北朝鮮問題に関する今後の方針について綿密なすり合わせを行い,米朝首脳会談が,拉致,核・ミサイルといった諸懸案が前進する歴史的な会談となるよう日米,日米韓で緊密に連携していくことで一致しました。

2 両首脳は,北朝鮮に対して安保理決議の完全な履行を求め,現行の措置を継続して,北朝鮮から具体的な行動を引き出していくことで一致しました。

3 安倍総理から,昨年11月のトランプ大統領訪日の際,拉致被害者御家族にお会いいただいたことへの感謝を伝え,改めて拉致問題に関する経緯や御家族の切実な思いを説明したのに対し,トランプ大統領からも,改めて,米朝首脳会談で拉致問題を提起する旨の力強い発言がありました。両首脳は,引き続き拉致問題の早期解決に向けて,日米で緊密に協力していくことを再確認しました。

4 安倍総理から,明8日から開催されるG7シャルルボワ・サミットでは,G7の首脳で結束して,米朝首脳会談に向かうトランプ大統領を後押しする力強いメッセージを発出したい旨を述べ,両首脳は,G7サミットにおいても緊密に連携していくことで一致しました。

5 両首脳は,米朝首脳会談後,速やかに日米,日米韓で情報共有を行い,方針のすり合わせを行うことを確認しました。

6 また,両首脳は,経済,貿易についても議論を行いました。安倍総理からトランプ大統領に対し,対日貿易赤字額以上に米国にある日系企業が輸出を行っていることや,日本企業による米国への投資を通じた米国の雇用への貢献,防衛装備品や日本企業による米国産エネルギーの購入額の増大等を説明したのに対し,トランプ大統領から一定の評価が示されました。両首脳は,今後,「自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議」(FFR)の場で議論していくこと,第一回会合を茂木内閣府特命担当大臣(経済財政政策)とライトハイザー米国通商代表との間で7月に開催する方向で調整していくことを確認しました。

出典:外務省

日米首脳会談・共同記者会見 安倍首相 トランプ大統領

日米共同記者会見

日米首脳会談・共同記者会見 安倍首相 トランプ大統領

概要については、以下、産経新聞 田北真樹子記者の記事でご覧ください。
安倍総理冒頭発言全文はその後に記しています。

安倍晋三首相は7日午後(日本時間8日未明)、米ワシントンのホワイトハウスでトランプ大統領と会談し、12日の米朝首脳会談でトランプ氏が日本人拉致問題を提起することを再確認した。会談後の共同記者会見で首相は拉致問題解決のために、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談に意欲を示した両首脳は北朝鮮の非核化に向けて緊密に連携し、制裁と圧力を維持する考えで一致した。

日朝首脳会談について首相は会見で「拉致問題を早期に解決するため、私は北朝鮮と直接向き合い、話し合いたい。あらゆる手段を尽くしていく決意だ」と述べた。「最終的にはやはり私と金委員長との間で解決をしなければならない」とも語った。

首脳会談で首相は、米朝首脳会談で拉致問題をどのように提起すべきかを説明した。トランプ氏は会談で拉致問題を「首相の望む形で必ず協議すると明言。首相は会見で「提起すると約束してもらったことを、うれしく思う」と語った。

首相は日本による北朝鮮への経済支援は、核、ミサイル、拉致問題が包括的に解決し、国交正常化が実現した後になることも改めて説明した。トランプ氏は理解を示したという。

両首脳は、全ての大量破壊兵器とあらゆる射程の弾道ミサイルの完全放棄を定めた国連安全保障理事会決議の履行が必要であることを確認した。制裁についても、北朝鮮が行動するまで制裁を解除しない考えで完全に一致した。

トランプ氏はこの日も「最大限の圧力」という表現について「この言葉はもう使わない。(北朝鮮と)友好的な交渉を行いたいと思っているからだ」と述べた。一方で「(米朝の)交渉後、再び使う可能性もある」「(北朝鮮と)合意に達するまで制裁は解除しない」とも語り、北朝鮮を牽制した。

米朝首脳会談の結果については、首相がトランプ氏から直接、説明を受けることを確認した。まずは電話会談になる可能性もある。

首脳会談は当初、両首脳と双方の通訳のみの「一対一」形式を取る予定だったが、河野太郎外相とペンス副大統領が同席して約45分間、開かれた。その後、ほかの関係者が同席してワーキングランチを行った。

出典:産経新聞 田北真樹子 記者

安倍総理冒頭発言<全文>

日米首脳会談・共同記者会見 安倍首相 トランプ大統領

トランプ大統領。G7サミット、そして米朝首脳会談を控え、大変お忙しいときにこうして心温まる歓待をいただいたことに御礼を申し上げたいと思います。
そして、同盟国として常に私たちを温かく迎えてくれるアメリカの国民の皆様にも深く感謝申し上げたいと思います。

5日後の米朝首脳会談、過去のどの大統領も成し遂げることができなかった決断を下した、トランプ大統領の力強いリーダーシップに対して、まず心からの敬意を表したいと思います。

この1年半、私たちは本当に多くの時間をかけてこの問題について話し合ってきました。過去の過ちを決して繰り返してはならない。大統領とこの思いを完全に共有する中で、歴史的な会談へとたどり着くことができました。

本日、トランプ大統領とは北朝鮮問題に多くの時間を費やして話し合いました。来るべき米朝首脳会談、さらにはその後の北東アジアの平和と安定に向けて私たちが何をなすべきか、そのことについて時間をかけて相当突っ込んだ率直な意見交換を行うことができました。その詳細について今申し上げることはできませんが、ただ一つ申し上げることができるのは、日米は常に共にある。シンガポールで行われる、歴史的な会談の成功を強く期待しています。

新潟という、日本海に面した美しい港町に住む、僅か13歳の少女が北朝鮮によって拉致されました。それから41年、家族はただひたすらに、その帰りを願い、待ち続けてきました。御両親も高齢となり、残された時間が少なくなる中で、お元気なうちに、めぐみさんを、再びその手で抱き締めることができる。全ての拉致被害者が帰ってくる日が訪れることを、日本国民は、切に願っています。

拉致問題を早期に解決するため、私は、もちろん、北朝鮮と直接向き合い、話し合いたい。あらゆる手段を尽くしていく決意です。
そして、この拉致問題の解決に対する、トランプ大統領を始めアメリカ国民の皆様の御理解と御支援に、日本国民を代表して感謝申し上げたいと思います。
累次の安保理決議の完全な履行を求めていく。これまでの方針に、全く変更はありません。

拉致、核、ミサイルの諸懸案を包括的に解決し、北東アジアに真の平和が実現することを、我が国は、強く願っています。
今、正に、そのための大きな一歩を踏み出そうとしている。トランプ大統領、あなたが、その新しい歴史をつくろうとしています。
日本だけではありません。国際社会全体が、米朝首脳会談によって、北東アジアの平和と安定に向けた扉が開くことを、強く期待しています。

北朝鮮には、豊富な資源があり、勤勉な労働力があります。北朝鮮が正しい道を歩むのであれば、明るい未来を描くこともできる。我が国も、日朝平壌(ピョンヤン)宣言に基づいて、不幸な過去を清算し、国交を正常化し、経済協力を行う用意があります。できる限りの役割を果たしていく考えです。

ドナルド。世界の平和と繁栄への強いコミットメントを高く評価します。そして、米朝首脳会談の成功に向けて、日本としていかなる支援も惜しまないことを、最後に申し上げます。
私からは、以上であります。

日米首脳会談・共同記者会見 安倍首相 トランプ大統領

出典:首相官邸内閣広報室

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