北朝鮮核実験 新開発の核弾頭爆発実験実施、過去最大規模
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9日午前9時半ごろ、北朝鮮北東部の咸鏡北道豊渓里一帯で人工的な地震波が観測され、日本でも揺れを観測しました。
北朝鮮の核実験だと報じられています。
以下、現在のまでの流れと日本の動きをまとめました。
韓国軍合同参謀本部の発表によると、9日午前9時半ごろ、北朝鮮北東部の咸鏡北道豊渓里一帯でマグニチュード5・0規模の人工的な地震波が観測された。
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米地質調査所(USGS)では、M5・3としている。
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韓国国防省当局者も「北朝鮮が核実験を強行した」と語った。
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韓国軍によると、爆発の規模は10キロトン程度と推定され、過去最大規模とみられる。
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北朝鮮の朝鮮中央通信は、核兵器研究所の声明として、新たに開発した「核弾頭」の威力を判定するための「核爆発実験」を実施したと報じた。
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9日は北朝鮮の建国記念日で、この日に合わせて核実験を行った可能性があると報じられている。
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北朝鮮による核実験は1月6日に続き5回目。金正恩体制下では3回目。
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朴大統領は「国際社会への重大な挑戦であり、全ての手段を動員し北に対する圧力を強める」と非難した。
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地下核実験に伴う放射性物質の影響について、一般的に地下核実験の場合は大気中に放射性物質が放出される可能性は少ないといわれている。
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以下、これまでの日本の動きです。
総理指示(9:38)
- 関係省庁においては、緊張感を持って情報収集・分析に努めること
- 国民に対して的確な情報提供を行うこと
- 米国、韓国、中国及びロシアを始めとする関係諸国と連携を図ること
菅義偉官房長官会見 午前
平成28年9月9日(金)午前
本日9時30分頃、気象庁が北朝鮮付近を震源とする自然地震ではない可能性のある地震波を観測した。
本件地震は、過去の事例などを踏まえると、北朝鮮による核実験の実施に伴い発生した可能性があると考えている。
気象庁によると、当該地震は、発生時刻は、平成28年9月9日、9時29分57秒。地震の震源は、北緯41.3度、東経129.2度、深さ0キロメートル。地震の規模は、マグニチュード5.3とされる。
本事案を受け、政府としては、官邸対策室において情報収集とともに、関係省庁の局長等を官邸に緊急参集をさせ、この関連では、総理から、関係省庁において、緊張感をもって情報収集・分析に努めること、国民に対して的確な情報提供を行うこと、米国、韓国、中国及びロシアを始めとする関係諸国と連携を図ること、この3点について指示がありました。
こうした総理指示を踏まえ、引き続き、情報収集・分析を行っているところであります。なお、当該地震波に関する詳細については、後刻、気象庁が発表します。
総理指示(11:34)
- 北朝鮮の今後の動向等に関し、情報収集・分析の徹底を期すこと
- 核実験に伴う放射性物質の影響を把握するため、関係各国と連携しモニタリング態勢を強化すること
- 不測の事態にも備えるなど、国民の安全・安心の確保に万全を期すこと
内閣総理大臣声明
平成28年9月9日
- 本日午前9時30分頃、気象庁が北朝鮮付近を震源とする、自然地震ではない通常の波形とは異なる可能性のある地震波を探知した。
これを含む諸情報を総合的に勘案した結果、政府としては、北朝鮮が核実験を実施したものと考えている。- 我が国を含む関係各国及び国際社会は、累次にわたり、北朝鮮に対し、関連の国連安保理決議の完全な遵守を求め、核実験や弾道ミサイルの発射等の挑発行為を決して行わないよう強い警告を示しつつ、繰り返し求めてきた。
また、北朝鮮が本年1月に核実験を、本年2月に「人工衛星」と称する弾道ミサイルの発射を強行したこと等を受けて、国連安保理は本年3月にこれらを強く非難するとともに、制裁を大幅に追加・強化する内容の安保理決議第2270号を採択した。
こうした中、今回、北朝鮮が核実験を強行したことは、我が国として断じて容認できない。
北朝鮮がこれまでになく短期間のうちに立て続けに核実験を強行したことや、今年に入って短・中距離弾道ミサイルやSLBMを含む大量破壊兵器の運搬手段となり得る弾道ミサイルを21発発射し、その能力を増強していること等を踏まえれば、北朝鮮の核開発は、我が国の安全に対するより重大な脅威であり、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものになっている。
今回の北朝鮮による核実験の実施は、関連する国連安保理決議の重ねての明白な違反であり、核兵器不拡散条約(NPT)を中心とする国際的な軍縮・不拡散体制に対する重大な挑戦である。
また、日朝平壌宣言や六者会合共同声明にも違反するものである。
我が国は、北朝鮮に対して厳重に抗議し、最も強い言葉で非難する。- 我が国は、北朝鮮による更なる核実験の場合には、更なる重要な措置をとる決意を表明した国連安保理決議第2270号を念頭に、国連安保理が速やかに協議を実施するよう、調整を開始している。
北朝鮮に対しては、改めて、関連する国連安保理決議を即時かつ完全に履行するとともに、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向け具体的な行動をとるよう、強く求める。- 政府としては、自分の指示を踏まえ、引き続き、本件を含む北朝鮮情勢に関する情報収集・分析に徹底を期するとともに、国民に対して的確な情報提供を行う。
また、不測の事態の発生を防ぎ、発生した場合、これに万全の対応を行うため、我が国として不断に必要な態勢をとるとともに、米国等と緊密に連携し、もって我が国の平和と安全の確保、国民の安全・安心の確保に万全を期す。
核実験に伴う放射性物質の我が国に対する影響については、政府の放射能対策連絡会議を中心に、関係各国と連携しモニタリング態勢の強化等に全力を挙げる。
我が国としては、本年2月に決定したものを含めた我が国独自の措置及び関連国連安保理決議に基づく措置を着実に実施していく。
また、米国、韓国、中国及びロシアを始めとする関係各国や国際社会との協力を更に強化し、国連安保理決議第2270号及び関連国連安保理決議の実効性の確保を図るとともに、国連安保理における更なる対応を含め、北朝鮮に対する対応を検討する。
岸田外務大臣会見
平成28年9月9日(金曜日)11時37分 於:官邸エントランスホール
冒頭発言
本日,朝9時30分に,自然地震とは異なる可能性のある地震波が検知されたという件でありますが,引き続き米韓などの関係国と情報共有,そして情報分析に努めています。そして核実験であるならば,これは国連安保理決議,日朝平壌宣言,六者会合共同声明に反し,NPTを中心とする国際的な軍縮・不拡散体制に対する重大な挑戦であると考え,断固非難をいたします。
そして10時44分,北京の大使館ルートを通じて抗議を行いました。そして国連の場におきましても連携を行わなければならないということで,日本時間の10時前に,既に緊急会合招集の調整を開始いたしました。是非,国連の場においても,強いメッセージを発出しなければならない,このように考えます。
質疑応答
【記者】
北朝鮮に抗議したということですが,日本政府としてはこれは核実験の可能性が高いというか,蓋然性が高いというふうに見ているということでしょうか。
【岸田外務大臣】
引き続き,情報共有・分析中ではありますが,まずは自然地震とは異なる可能性のある地震波を検知したということ,そして核実験であるならば,断固非難するという内容の抗議を行った次第です。
【記者】
米韓との連携についてなんですけれども,今後電話会談なり,何か予定するものはありますでしょうか。
【岸田外務大臣】
引き続き調整中ではあります。電話会談も含めて連携を確認,深めるためにどうあるべきなのか,調整をしていきたいと考えます。
【記者】
それから国連の場での緊急会合ですけれども,3月にですね,制裁決議が出ていると思いますが,これに加えて更に強い制裁というか,更に強い対応というのは何か考えているものというか,考えられるものはあるんでしょうか。
【岸田外務大臣】
国連の安保理としては,強いメッセージを発することは重要であると考えます。ただ,その具体的な形につきましては,緊急会合,今調整を開始したところですので,その場で議論をされ,結果として確定されるものでありますので,今の段階では具体的なことは控えます。
【記者】
総理から,中国やロシアとも連携するようにというように指示があったかと思うのですけれども,今後,中国やロシアを含めて,電話会談など,どのような連携を…。
【岸田外務大臣】
関係国との連携は先ほど申し上げたとおりです。電話会談も含めて,連携をこれから調整していきたいと思います。ただ,今現在,何も決まっておりません。
【記者】
北朝鮮との話合いの場として六者協議があると思うんですけれども,EASでも六者協議の再開ということに言及されていましたが,その六者協議再開をする考えはあるのかということと,今の六者協議の枠組みの実効性というのはどのようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】
六者会合の枠組みというのは,議論の場として,対話の場として有効な枠組みではあるとは思いますが,そのためにも,まずは北朝鮮側から核・ミサイル開発について国際社会と協調する建設的な言動がですね,示されることが重要であると考えます。話合いのための話合いであってはならない,これは従来から申し上げてきたとおりであります。
【記者】
建設的な言動とは,核の実験はしないということなのか,そういうことがあった場合は六者協議というのは…。
【岸田外務大臣】
六者会合は六者会合の枠組みでどうあるべきかを考えるべきだと思います。今申し上げたのは,日本として話合いのための話合いであってはならないということから,従来から申し上げている態度について,今お答えさせていただきました。
出典:外務省
菅義偉官房長官会見 午後
先ほど、国家安全保障会議を開催をし、「北朝鮮による核実験の実施情報」について審議をいたしました。通常とは異なる地震波の観測等これまでの情報を総合的に勘案した結果、本日、北朝鮮が核実験を実施したものと判断をされます。
北朝鮮は、本年1月6日に続き、これまでになく短期間のうちに立て続けに核実験を強行しました。また、短・中距離弾道ミサイルやSLBM等弾道ミサイルについても発射を繰り返しています。
こうした北朝鮮の核・ミサイル開発は、我が国の安全に対する重大な脅威であり、地域及び国際社会の平和と安定を著しく損なうものであり、そして、関連安保理決議の明白な違反を繰り返すもので、日朝平壌宣言や六者会合共同声明にも違反するものであります。
これは、我が国として到底容認できるものではなく、北朝鮮に対して北京「大使館」ルートを通じて直ちに厳重に抗議をし、最も強い言葉で非難しました。
また、政府としては、直ちに日米韓で国連安保理の緊急会合の開催に向けて調整を開始いたしております。
先ほど行われた国家安全保障会議の結果を踏まえて、総理から既に指示のあった3点に加えて、北朝鮮の今後の動向等に関し、情報収集・分析の徹底を期すこと、核実験に伴う放射性物質の影響を把握するため、関係各国と連携してモニタリング態勢を強化すること、不測の事態にも備えるなど、国民の安全・安心の確保に万全を期すこと、この3点について新たな指示がありました。
また、先ほどの国家安全保障会議では、内閣総理大臣声明を審議し、お手元の配布資料のとおりとしましたので御参照ください。
なお、地下核実験に伴う放射性物質の我が国に対する影響についてでありますが、一般的に地下核実験の場合は大気中に放射性物質が放出される可能性は少ないといわれております。実際過去4回の北朝鮮による核実験実施発表後に我が国において異常値は検出されておりませんでした。
国民の皆様におかれましては、冷静に、平常どおりの生活を送っていただきたいと思います。
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg14170.html
安倍首相会見
平成28年9月9日
北朝鮮の核実験を受けまして、オバマ大統領と、そしてまた先ほど、韓国の朴槿恵大統領と電話による首脳会談を終えました。
今回の北朝鮮の核実験、そしてまた、その前の弾道ミサイルの発射等については、今までの脅威のレベルとは異なるレベルの脅威となっている、ということで認識が一致したわけであります。
新たな段階の脅威に対して、我々は今までとは異なる対応をしていかなければならない、ということでも一致をいたしました。
この北朝鮮の暴挙に対して、国際社会が一致して、断固として対応していくことが求められていると思います。日米、そして日米韓、更には中国やロシアや関係国と、国連を含めてしっかりと連携をして対応していきたいと思います。
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg14183.html?t=103&a=1
出典:首相官邸
気象庁報道発表
平成28年9月9日9時30分頃(日本時間)、気象庁において北朝鮮付近を震源とする地震波を観測しました。この地震は、自然地震ではない可能性があります。
気象庁で分析したところ、震源の位置等は以下のとおりと推定されます。
発生時刻: 9時29分57秒
北緯: 41.3°
東経: 129.2°
深さ: 0km
マグニチュード: 5.3
出典:気象庁