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【都構想】菅官房長官「全く理解できない」 民主、共産と共闘の自民大阪府連を批判

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大阪都構想について世論調査ではこれまで、拮抗しながらも賛成が多かったが、上西小百合議員が国会を休み、呑んだり泊ったりしたことが追及された時期を境に逆転し、反対派が多数になった。

世論調査では、都構想の内容をどの程度理解しているか尋ねたところ、

● 都構想の内容について「よく」「ある程度」を合わせて「理解している」と答えた人は63.6%(前回53%)
● 「あまり」「ほとんど」を合わせて「理解していない」と答えた人は36%(前回46.7%)
(毎日新聞が9、10日、大阪市内の有権者を対象に電話による3回目の世論調査を実施)

という結果が出ている。「結局は橋下氏への好き嫌いで賛否が分かれている」と言った識者が最近になっても数人いたが、3月の調査でも「ある程度理解している」を含めれば「理解している」という人が半数を超えていたので、必ずしもそれは当たらないような気もする。

「理解している」という人が増える中、どのような理由で反対派が増加しているのだろう?

反対派の自民党議員は「そもそも二重行政にムダはない」と言い出した。
説明を聞けば「どこの自治体だって色んな物を作ってきたではないか、決して府と市が競争して作ったのではない」という話。
あるいは、再編されると「区役所が遠くなる」など行政サービス低下への懸念。

菅官房長官は後述のように、「人口約370万人の横浜市の職員が1万9千人なのに対し、人口約270万人の大阪市の職員が約3万5千人いる」と指摘している。驚くほど人数が多いうえ、この人口減少が著しい中において、なんとも無責任な発言だなと思うのだが、市民にとっては心に響くのかもしれない。

また、都構想を導入した場合にどのくらいムダを削減できるかという計算が、期限の区切り方によって大幅に結果が異なるから、片方の試算を聞いて「それほどメリットはない」と思う人が増えたのだろうか。

反対理由として、先の調査では、

「メリットが分からないから」が32.1%(前回41%)で最も多く、
● 次いで「住民サービスが良くならないから」が14.6%(前回13.8%)で続いた。

要するに、地域全体よりも個人の利益優先ということだろうか。

ところで辛坊治郎氏が言うには、大阪では反対派のネガキャンが凄いらしく、たとえば、

「知ってますか?選挙に行かなかったら賛成とみなされるんですよ!」

というキャンペーンを張っているらしい。
要するに、これを聞いた賛成派は「じゃあ行かなくていいか」となるし、反対派は「じゃあ行くか」となるから、いずれにせよ反対派の得になるわけだ。

ただ辛坊さんは賛成派だから、反対派に厳しくなるかな? でもまあ普通に考えて、反対派の中枢には現在利権を握る側の人がいるわけで、そりゃ大変なネガキャンが起きるだろうということは分かる。

「もし反対が1票でも多かったら政治家を辞める」と言う、5年間闘ってきた橋下氏。
選挙は17日。大阪市の人々はどのような判断を下すのだろう。

菅義偉官房長官 11日の記者会見

17日に住民投票が行われる「大阪都構想」に反対する自民党大阪府連の国会議員が民主、共産両党と合同街頭演説を行ったことに関し「個人的には全く理解できない」と批判した。自民党の谷垣禎一幹事長は「(府連に)大きなシンパシーを持っている」と述べており、政府・与党内で見解の違いが浮き彫りになった。

菅氏はこれまでも「二重行政の解消」の観点から都構想に理解を示してきたが、府連を批判するのは初めて。11日の記者会見では、人口約370万人の横浜市の職員が1万9千人なのに対し、人口約270万人の大阪市の職員が約3万5千人いると指摘。「(課題解決に向け)いろんな案が出ており、都構想もその一つだ」と語った。

谷垣氏

11日の記者会見で「同志が必死に戦っているのに、党本部は『知らん』と言っていていいのか」と府連に賛同。民主、共産両党との演説にも「都構想という極めて特殊な事案の問題だ」と述べ、黙認する考えを示した。

世論調査(5月9、10日)

都構想に関し産経新聞社が9、10両日に大阪市民に行った電話世論調査では、自民党支持層のうち反対は53.3%、賛成は36.6%で、前回4月の調査から反対が7.9ポイント減る一方、賛成は9.6ポイント増えている。

国政で対立する自民、民主、共産3党

10日、それぞれ竹本直一府連会長、辻元清美政調会長代理、山下芳生書記局長らが大阪市の2カ所で合同街頭演説を行ったほか、公明党関係者や市民団体などとの反対集会も開いた。

安倍晋三政権の「暴走ストップ」を掲げ国政・地方選で躍進を続ける共産党の山下氏は11日、党本部で記者団に「愛する大阪市が壊されようとしているときに自民党も共産党もない。力を合わせて守るのは当たり前だ」と語り、共闘に理解を求めた。

参考文献:産経新聞 2015.5.11

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