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正社員との待遇格差めぐる訴訟、「不合理」「不合理といえず」異なる最高裁判決

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政府は同一労働同一賃金のルールを推進している。

だが待遇をどこまで「同一」にすべきかなど企業の現場に戸惑いは根強く、司法判断の積み重ねを求める声も多い。

争点は改正前の労働契約法20条が禁じた「有期雇用による不合理な格差」に当たるかどうか。

今回の裁判では、1.「手当」や「休暇」、2.「賞与」や「退職金」の格差是正を求めて争われていた。

1.非正規に手当・休暇なしは「不合理」最高裁

POINT
  1. 「手当」や「休暇」の格差是正を求めた。
  2. 日本郵便の契約社員らの訴訟。
  3. 山口厚裁判長は「不合理」と判決。

 日本郵便の契約社員らが年末年始勤務手当の支給や夏期・冬期休暇の付与など正社員との待遇格差の是正を求めた3件の訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は15日、いずれも手当や休暇を与えないことは「不合理」として日本郵便側の上告を棄却した。

 争点は改正前の労働契約法20条が禁じた「有期雇用による不合理な格差」に当たるかどうか。非正規労働者の退職金とボーナス(賞与)をめぐる2件の訴訟では、最高裁が13日、職務内容の差などを理由に不支給でも「不合理ではない」と判断していた。

産経新聞 2020.10.15 15:31

2.非正規に賞与・退職金なしは「不合理といえず」最高裁

POINT
  1. 「賞与」や「退職金」の格差是正を求めた。
  2. 「賞与」は、大阪医科大の元アルバイト職員の訴訟。「退職金」は、東京メトロ子会社『メトロコマース』の元契約社員の訴訟。
  3. いずれも二審の高裁判決は一定額を支払うべきだとしていた。
  4. 大阪医科大を巡る訴訟は裁判官5人全員一致の意見。メトロコマースは5人中4人の多数意見。

非正規従業員に賞与や退職金が支払われなかったことの是非が争われた2件の訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は13日、不支給を「不合理とまでは評価できない」との判断を示した。いずれも二審の高裁判決は一定額を支払うべきだとしていた。原告側の逆転敗訴が確定した。

最高裁は他方で「格差の状況によっては不合理との判断があり得る」とも指摘した。今回の司法判断が、政府が進める「同一労働同一賃金」の運用に一定の影響を与える可能性もある。

賞与が争点となったのは、大阪医科大(大阪府高槻市)の元アルバイト職員が訴えた訴訟。同小法廷(宮崎裕子裁判長)は、正職員は試薬の管理などに携わり、仕事が易しかったアルバイトとは業務内容に違いがあったと指摘した。

退職金が争われたのは東京メトロ子会社の「メトロコマース」(東京・台東)の元契約社員を巡る訴訟で、同小法廷(林景一裁判長)は正社員の間で役割などに差があったと判断。契約社員として10年前後働いた点を考慮しても、退職金の不支給は不合理とまでは評価できないとした。

大阪医科大を巡る訴訟は裁判官5人全員一致の意見。メトロコマースは5人中4人の多数意見だった。

非正規への不合理な格差は、2013年施行の労働契約法旧20条で禁じられた。ただ逆にいえば格差があっても不合理でなければ容認されることになる。最高裁は今回の訴訟では「格差は不合理とまではいえない」と結論付けた格好だ。

日経新聞 2020/10/13 15:09 (2020/10/13 21:34更新)

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