第7回太平洋・島サミット<結果概要> | 政治備忘録

第7回太平洋・島サミット<結果概要>

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安倍総理大臣とレメンゲサウ・パラオ大統領 第7回太平洋・島サミット(PALM7)共同記者発表

安倍首相は首脳会議で、海洋の安全保障について「各国が緊張を高める一方的な行動を慎み、法の支配に基づき行動することが重要だ」と述べ、首脳宣言でも、国際紛争を「武力による威嚇や武力の行使に訴えることなく」解決するとの方針が明記された。

前回(2012年)の首脳宣言にも中国をけん制する文章があったが、「武力」という文言は使っていなかったそうだ。


関連第7回太平洋・島サミットにおける安倍内閣総理大臣開会式基調演説<全文>

第7回太平洋・島サミット(結果概要)

平成27年5月23日

1 全体像

(1)5月22日~23日,福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズにおいて,安倍総理とレメンゲサウ・パラオ大統領の共同議長の下,第7回太平洋・島サミット(The Seventh Pacific Islands Leaders Meeting: PALM7)が開催された。今回のサミットは,「福島いわきから太平洋への誓い 共に創る豊かな未来」というキャッチフレーズの下,日本,島嶼14か国を含む17か国の首脳等が参加した。

(2)サミットでは,太平洋島嶼国の優先課題に対応するためには継続的かつ一貫した取組が必要であることを踏まえ,今後3年間,(ⅰ)防災,(ⅱ)気候変動,(ⅲ)環境,(ⅳ)人的交流,(ⅴ)持続可能な開発,(ⅵ)海洋・漁業,(VII)貿易・投資・観光の7つの分野に焦点を当てつつ,協力を進めることを決定した。また,議論の成果として,「福島・いわき宣言-共に創る豊かな未来-」を採択した( 骨子(PDF))。

(3)安倍総理から,太平洋島嶼国の自立的発展を促すための協力として,今後3年間で550億円以上の支援を提供するとともに,4,000人の人づくり・交流支援を行うことを表明した。また,太平洋島嶼国の気候変動対策能力強化や日本とのビジネス交流を一層進めることを発表した。太平洋島嶼国の首脳等からは,日本の寛大な支援に感謝するとともに,継続的な支援に高い期待が示された。

2 各セッションの概要

(1)開会

安倍総理が,日本の対太平洋島嶼国外交の新たなビジョンについて基調演説( 日本語(PDF)英語(PDF))を行った。

(2)第1セッション

ア 島サミット・プロセス

安倍総理から,第1回サミット以降,日本と太平洋島嶼国の関係が深化する中,我々が直面する国際社会の課題も変化しており,そのような環境の変化に対処すべく,日本の対太平洋島嶼国外交の新たなビジョンを表明した旨述べた。 また,安倍総理は,太平洋島嶼国とより頻繁かつ重層的な意思疎通を図りたいと述べ,PALMを3年に1度の単発行事ではなく,一連のプロセスとして位置付ける意向を表明した。
これに対し,首脳等からは,安倍総理が表明した対太平洋島嶼国外交の新たなビジョンへの支持が示された。

イ 日本の支援策

安倍総理から,前回サミット以降,日本はサミットで表明した額(3年間で5億米ドル)を超える支援を達成し,自然災害,環境・気候変動,持続可能な開発,人的交流等の分野において大きな成果を上げたことを報告した。
また,安倍総理は,今後3年間の協力の重点分野((I)防災,(II)気候変動,(III)環境,(IV)人的交流,(V)持続可能な開発,(VI)海洋・漁業,(VII)貿易・投資・促進)を提案し,これらの分野を中心に協力を進めるため,日本の知見や経験を生かしたい旨表明した。
これに対し,太平洋島嶼国の首脳等からは,太平洋島嶼国のニーズを踏まえた日本の継続的な支援表明に深い謝意が表明された。

ウ 持続可能な開発

安倍総理から,インフラ整備,社会サービスの向上,女性や青少年への支援において,人間中心のアプローチに沿った支援を行うこと,また,太平洋島嶼国の将来を担う若い世代を対象に,長期人材育成プログラム「Pacific-LEADS」を立ち上げることを表明した。
これに対し,太平洋島嶼国の首脳等からは,日本による社会経済基盤整備や人材育成は,自国の持続可能な開発に大きく貢献しているとして感謝の意が表明されるとともに,今後もニーズを踏まえた継続的な支援を実施してもらいたいとの要望が示された。

(3)第2セッション

ア 防災

安倍総理から,本年3月に太平洋地域を襲ったサイクロン・パム及び台風メイサックによる被災者にお見舞いを述べるとともに,第3回国連防災世界会議において議論した「防災の主流化」の重要性を改めて強調し,首脳等から賛同を得た。
また,安倍総理は,太平洋島嶼国において災害に強靱な社会を構築するため,太平洋早期災害警報システムの一層の強化及び太平洋自然災害リスク保険の拡充を図る支援を行うことを表明した。
福島第一原発について,安倍総理から,今後とも国際社会への情報提供に努める。風評に惑わされることなく,日本の取組を引き続き支援して欲しい旨述べ,太平洋島嶼国から,情報提供を評価するといった発言があった。
さらに,安倍総理は,早期に警報を発することにより尊い命を救った先人の有名な史実に基づき,津波の脅威と対策について理解と関心を高めるため,11月5日を「世界津波の日」に制定することを提案したところ,首脳等から支持が表明された。

イ 環境・気候変動

安倍総理から,太平洋島嶼国にとって最優先課題である気候変動対策に関し,日本の主要な取組として,以下を紹介した。

(I)「適応イニシアチブ」の考えに基づく,太平洋島嶼国等の脆弱国の対処能力向上支援。
(II)緑の気候基金(Green Climate Fund: GCF)への15億米ドルの拠出。

(III)太平洋地域環境計画(SPREP)における気候変動センターの整備。同センターを通じた人材育成等。

(IV)エネルギー安全保障向上のための,再生可能エネルギー導入やディーゼル発電効率化支援。

また,安倍総理は,本年末にパリで開催されるCOP21において,全ての締約国に適用される新たな国際枠組みに合意できるように連携したい旨述べた。
これに対し,太平洋島嶼国の首脳等は,気候変動は太平洋島嶼国の持続可能な開発の実現を妨げている要因であると述べ,日本その他の開発パートナーが,太平洋島嶼国による気候変動対策に引き続き支援を行う必要性を強調した。その関連で,太平洋島嶼国の首脳等は,GCFを始めとする気候変動分野における日本の具体的な支援に謝意を表明した。

ウ 海洋・漁業

安倍総理から,太平洋を共有する海洋国家として,海洋分野での協力を推進する重要性を強調し,首脳等は,違法漁業対策を含め,漁業資源の適切な保存管理等海洋資源の持続可能な利用のために協力することを確認した。また,安倍総理は,太平洋地域における日本漁船の安定的な操業への配慮を要請した。さらに,安倍総理は,海洋国家として,「開かれ安定した海洋」を確保するため,国連海洋法条約等の国際法の原則に基づく海洋秩序の維持の重要性を再確認し,首脳等はこれを支持した。また,各国が緊張を高める一方的な行動を慎み,「法の支配」の原則に基づき行動することが重要であることを強調した。

エ 人的交流

安倍総理から,「人」の重要性を強調しつつ,人的交流・人材育成を進める考えを表明したのに対し,太平洋島嶼国からは,青少年交流,ビジネス交流等,幅広い人的交流を進めていきたいとの要望が表明された。

(4)第3セッション(ワーキングランチ)

ア 貿易・投資促進

安倍総理から,情報交換やビジネス・マッチングなどのビジネス交流を促進したい旨述べ,今後,年1回程度のペースで,太平洋島嶼国において貿易促進ワークショップの開催と経済ミッションの派遣を組み合わせたプログラムを行う意図を表明した。また,安倍総理は,観光交流の促進は,相互理解を増進し,友好関係を強化するものであるとの認識の下,日本と太平洋島嶼国の観光促進に向けた取組を支援する観点から,本年,日本において,太平洋島嶼国観光大臣会合を開催することを紹介した。
これに対し,太平洋島嶼国からは,貿易・投資や観光の促進のための日本の取組に高い期待が表明された。

イ 国際場裡における協力

安倍総理から,国連創設70周年である本年に,安保理改革について具体的成果を得るために連携したいと述べた。太平洋島嶼国からは,国連を始めとする国際場裡において,引き続き,日本の立場及び取組を支持する旨の発言がなされた。
また,安倍総理は,国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から,太平洋地域を始めとする国際社会の平和,安定及び繁栄の確保のために,これまで以上に貢献していく意思を表明し,首脳等は,これを支持した。

(5)閉会

安倍総理から,今回のサミットの成果をフォローアップするとともに,次回サミットに向けた準備を進めるため,1年半後を目処に第3回中間閣僚会合を開催したく,また,島嶼国の要望があれば,中間閣僚会合を島嶼国で開催する可能性を検討したい旨述べた。

出典:外務省、内閣広報室

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