佐藤優氏の沖縄を巡る発言に異議あり | 政治備忘録

佐藤優氏の沖縄を巡る発言に異議あり

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佐藤優氏の発言にはこれまで随分学ばせて頂いた。

人権侵害に触れることには特に厳しい佐藤氏だが、それは自身が国策捜査で逮捕・起訴された経験や、もともとの優しい心根や正義感が根底に大きく存在しているからだと思っている。その人柄も好きだ。

しかし、最近の沖縄に関する発言はよくない。

佐藤氏は、特定秘密保護法案の時に「外務省職員には帰化した在日韓国・朝鮮人が多数いる。特定秘密保護法案は彼らを切り捨てる人種条項だ」と発言した。また、集団的自衛権の閣議決定時には「公明党が圧倒的に勝利した。個別的自衛権の枠を超えることが一切ないという枠組みを、安倍首相の『集団的自衛権という言葉を入れたい』というメンツを維持しながら実現した」と発言した。その後の公明党、創価学会の持ち上げぶりは本の出版までしているから言うまでもない。
これらの発言に「なんと的の外れた見解だろう」と思ったが、恐らく彼なりの政治的な意図もあるだろうし、意見の相違がある事に問題はない。

ただ、佐藤氏の沖縄に関する発言は、意見の相違では済まないところまで来ていると思う。

私は本土の人間だから、佐藤氏が言うなら理解しようと努力し、素直な気持ちで氏の本も読んだしラジオも聴いたし沖縄の新聞も読んだ。疑問に思うことがあっても結論は出さず、長い間耳を傾けてきた。だがやはり、全く納得ができないという結論に達してしまった。

佐藤氏の沖縄を巡る発言は、沖縄と本土の溝を深める働きしかしない。

佐藤氏はよく「安倍首相は自分の心の物語で政策を行う」と言うが、佐藤氏の沖縄を巡る発言こそ彼の心の物語のように思える。特に最近は感情論が多い。しかも憶測や異なる意見を語る人への脅しを含む。インパクトが残りやすい「感情」や「イメージ」から入り込んで、聞く人の心を操作しようとしているように思えることもある。安倍政権を「反知性主義」と言いながら、自身は感情論で煽っているではないか。本土の私にはむしろ、そのような発言こそ沖縄の人々を馬鹿にしているように見える。
もちろん、佐藤氏は様々なことを計算の上でやっているのだろう。

佐藤氏がこのような発言に至る理由は大きく2つあると思う。

1つは、自身は東京に生まれたが、母親が沖縄の人だったというのが、沖縄への発言を偏ったものにしているのではないか。もしそうでないなら、この親子関係を政治的に活用しているのかもしれない。
佐藤氏の沖縄を巡る発言には、よく母の話が出てくる。そして聞く人の感情に訴えかける。
また、都合のよい一面だけを述べることがあまりに多い。発言を並べると、辻褄が合わないことも珍しくない。

中国が隠すこともなく沖縄を狙っている今、本当に沖縄の負担を減らし改善を図りたいと考えるなら感情論で煽るのはやめ、具体的な解決策を提示するだけにして欲しい。反知性を嫌う佐藤氏が敢えて感情論を繰り返すのは、何か意図があるのではないかと勘繰ってしまう。

それから2つめに、鈴木宗男氏との関係性も佐藤氏が変な発言をする理由だと思う。
佐藤氏が安倍政権を批判するとき、いかにも納得のいかない話も多い。たとえば仲井眞氏が基地移転の意見を翻したことに対し、「私はこういう印象を持っている。東京に呼ばれた時に、窓のない部屋に呼ばれて厳しいことを言われたんじゃないかと。それで人間として相当弱ってしまったんじゃないかと」と憶測で語り、聞く人の心証を悪くしようと演出している。

沖縄と安倍政権に限っては、突如この手のやり方が増える。
安倍政権を揺さぶることで彼らの存在感が増し、カードを持つことができるという考えなのだろう。

このような時、議員としての宗男氏をどう有利に持っていくかが念頭にあるのだろうと思ってしまう。政治家のブレーンなのだから当然と言えば当然だ。今年は宗男氏の長女、鈴木たかこ氏が民主党公認で出馬することになった。しかも驚いたことに比例重複で、名簿順位は単独1位だ。
関係ないが、大地塾ではこの公認について鈴木宗男氏と佐藤氏が「考えは何も変わっていない!」「本当は小選挙区でも勝てる!」などと力んでおり、正直冷ややかな気持ちになった。

宗男氏は北方だけでなく沖縄とも関係が深い。北海道、沖縄、公明党、民主党…この辺を鈴木親娘の活動に利用して、仕掛けるつもりなのだろう。

沖縄県民の意見

これは昨夜、YOUTUBEで佐藤氏のラジオを聴いていたときに見つけた書き込みだ。
たった一人の沖縄県民の意見だが、少しほっとする思いがした。

沖縄の人々の心の中に複雑な思いが根強く残っているのは事実だろう。今後沖縄がどのような未来を選ぶのか、それは沖縄の人々が判断すればいい。ただ私は互いの平和な未来のために、溝を深めるような感情論で煽るのはやめ、冷静で具体的な発信、対話をして欲しいと願う。

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Comment

  1. 加藤謙三 より:

    辺野古の基地問題、鳥越氏の左派ぶりは以前から、しかし佐藤優氏も同等とは思い違いでした。沖縄の友人は中国は困ると言う。昔の米軍と今では大きく違う。異常な拡張主義中国は大変な恐怖だ。問答無用な残酷性に日本人は目を向けるべき。佐藤優氏は日本でなく沖縄を選ぶそう。日本なくて沖縄無しではないでしょうか。沖縄は豊かで活気があるように感じられる。

    • 見習い書記 桜山苑子 見習い書記 桜山苑子 より:

      加藤謙三さん、コメントありがとうございます!

      沖縄にご友人がいらっしゃるんですね。
      わたしにも数人いるんですが、同様に佐藤氏の発言とは全く異なることを言います。

      仰る通り、佐藤氏は「日本よりまず沖縄を選ぶ」と宣言していましたね。その発言こそ、日本を2つに分けた発想、対立構造を煽る発言ではないでしょうか。わたしには、佐藤氏が先頭に立って煽っているようにしか見えませんでした。彼なりの交渉、政治的な判断もあるでしょうが、到底納得のできる内容ではありません。

      佐藤氏の沖縄を巡る発言について、当初は「沖縄の人々の心の中の不満を敢えて出し、決定的な亀裂を避けようとしているのか?」などと好意的な考えも捨てずにいましたが、それにしても、あまりに対立を煽る発言を繰り返すので、その考えは選択肢から消すことにしました。

      それと、中国への恐怖は本当に現実の話ですよね。
      佐藤氏は「沖縄の人々はヤマトンチュには反感があるが、中国にはない」というような事も言っていましたね。目の前に中国船が迫り不安を抱える人々、漁業ができない人々のことをどのように思っているのでしょう。
      彼の発言は「沖縄の意見を聞かなければ中国と手を組むぞ」という脅しのようにも聞こえましたが、もしそうしたとして、沖縄は幸せになれるのでしょうか。わたしには疑問です。

  2. 工藤M より:

    佐藤優氏の「創価学会の平和主義は本物である」を読みました。
    宗教的平和主義を現実的な防衛に有効であるかのような言い草でした。
    そして、明らかに、公明党に「憲法9条2項」に手をつけさせないための煽りを目的とする本だと思います。
     沖縄のことといい、護憲の件と言い、明らかに極左思想を秘めていますが、不思議な事にSAPIO、WILLなどの反中国、反韓国論調の雑誌にもたびたび登場しています。
    実に怪しい人物と思います。

    • 見習い書記 桜山苑子 見習い書記 桜山苑子 より:

      工藤Mさん、コメントありがとうございます!

      まさに最近の創価学会や公明党に対する発言の根底はそれですよね。
      創価学会内部が安保法案で割れていたとき、わざわざ選挙前に「よいしょ本」を出版して解説していたのも印象的でした。

      左から右まで様々な出版社から本を出しているというのは、ある意味「さすが」ですね。
      幅広い読者を取り込みましたし、出版業界は作家の悪口は言いません。売れる作家となれば尚更ですよね。

      著書は随分読ませてもらいましたが、現在は佐藤氏の発言にしらけてしまいます。あまりに計算が透けて見える気がして。
      工藤Mさんがおっしゃるとおり、本当に怪しい人物だと思います。

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