フィリピン・ドゥテルテ大統領来日、2日目の動き<まとめ>
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25日に来日した、フィリピン・ドゥテルテ大統領の26日の動き。
全体の流れの中はこのページにまとめています。今日の動きの中で「首脳会談」「共同声明全文」「安倍首相の晩餐会挨拶」は下のリンク記事に記録しています。
経団連会長らと昼食会
経団連、日本商工会議所などは、東京都内のホテルで昼食会を開いた。
ドゥテルテ大統領は、昨夜の岸田大臣との夕食会に続いてまた遅刻。開始予定時刻から30分以上たって、ようやく姿を見せた。
ドゥテルテ大統領は、「雇用を創出し、国民に所得の機会を与える企業を奨励する」と日本企業の投資拡大に期待を示した。
経団連の榊原定征会長は、フィリピンが進める外資規制の緩和などの経済対策を高く評価。「投資のさらなる推進とインフラ整備や技術革新で協力したい」と述べた。
出典:時事通信(2016/10/26-16:31)
昼食会後、榊原氏は「大変友好的で、和やかな意見交換だった。『日本が好き』と何度も強調していた」と述べ、大統領と強い信頼関係を築けたと成果を強調した。
出典:産経ニュース(2016.10.27 12:39)
議連メンバーと会談
日本の国会議員でつくる日比友好議員連盟メンバーと、東京都内のホテルで会談。
来日しているフィリピンのドゥテルテ大統領は26日、日本の国会議員でつくる日比友好議員連盟メンバーと東京都内のホテルで会談し「中国が大きくなってくれば、米国との間で衝突が起こる可能性はある」と述べた。
会談後、出席した自民党の竹本直一衆院議員が記者団に明らかにした。具体的な衝突の中身は不明。ドゥテルテ氏は「われわれは中国に対して同じ立場にあるのだから、手を合わせなければならない」とも述べ、日比両国の連携の重要性を強調した。
出典:産経ニュース(2016.10.26 15:43)
三菱自、フィリピン生産で覚書に調印
三菱自動車は26日、フィリピンの貿易産業省と自動車の現地生産の拡大を通じ同国経済に貢献していくとの覚書に調印したと発表した。
来日中のドゥテルテ大統領が立ち会い、益子修会長兼社長が調印した。
出典:時事通信(2016/10/26-17:24)
講演で「2年以内の米軍撤退」を要求
都内のホテルで開かれた「フィリピン経済フォーラム」で講演。
来日中のフィリピンのドゥテルテ大統領は26日午後、都内のホテルで開かれた「フィリピン経済フォーラム」で講演し、「2年以内に外国軍部隊の駐留からわが国が解放されることを望んでいる」と述べ、比南部に巡回駐留する米軍部隊の撤退を求めた。ドゥテルテ氏はこれまでも米軍部隊の撤退要求発言を行っているが、時期を明言したのは初めてとみられる。
ドゥテルテ氏は米比間の問題として「軍の駐留」があると指摘。「独立した外交政策を行うことを宣言する。外国軍部隊は(フィリピンから)出ていってほしい」と訴えるとともに、部隊の撤退に向け、これまでの合意を見直す方針を示した。
米比間では巡回駐留のほか、中国の南シナ海進出をにらんで米軍の事実上の再駐留を可能にした米比新軍事協定を2014年に締結しているが、これも再検討する可能性が高まってきた。
一方、先の中国訪問で習近平国家主席と会談し、巨額の経済支援を取り付けたが、ドゥテルテ氏は訪中目的を「経済のためだけだ」と言明。ただ「私は中国の友人でありたいと思っている」とも訴え、緊密な関係を維持する意向を示した。
一方、フィリピンが米国の植民地になった過去にも触れ、「われわれは米国の支援なしに生き続けていく。少し生活の質は落ちる可能性はあるが、生き残っていける」と述べ、米国と決別する姿勢を改めて鮮明にした。
ドゥテルテ氏の強硬な麻薬犯罪対策への批判を続ける米国などに対し、「私を国際社会の場で叱りつけるのであれば、そういうことはやめろと言いたい」と反発。「私が決して許さないのは尊厳や栄誉が傷つけられることだ。国際社会の前で辱められるということを決して許さない」と感情をむき出しにした。
出典:時事通信(2016/10/26-17:52)
フィリピン・ヤサイ外相会見
フィリピンのドゥテルテ大統領と共に来日したヤサイ外相は、東京都内の日本記者クラブで会見した。
フィリピンのドゥテルテ大統領と共に来日したヤサイ外相は26日、東京都内の日本記者クラブで会見し、南シナ海の領有権問題をめぐり「あくまでも中国との争いは平和的解決を追求したい。そのために大統領は訪中した」と自身の見解を強調、中比両国の関係改善に意欲を示した。
ドゥテルテ大統領は米軍との合同軍事演習の中止を表明し、米国離れを印象付けているが、外相は「合同演習を行うと、中国側の疑念を高めてしまいかねない」と対中配慮であることを認めた。
一方で米比相互防衛条約を引用しながら「条約や、これを補完するさまざまな合意は、必ずしも合同演習を要件付けていない」とも釈明した。
出典:時事通信(2016/10/26-17:56)
日比首脳会談
安倍晋三首相と、首相官邸で会談。
安倍晋三首相は26日午後、フィリピンのドゥテルテ大統領と首相官邸で会談した。
中国がフィリピンと領有権を争う南シナ海の問題に協調して対応することで一致したとみられる。首相は米国を含む3カ国の連携も確認したい考えだ。
大統領は冒頭、南シナ海問題について「平和裏に問題を解決したい。(中国と)いずれ話をしなければならない」とした上で、「私は日本側に立つつもりだ」と表明。
中国の主張を退けた仲裁裁判所の判決については「判決の範囲外の立場をとることはできない」と述べた。
首相は「日本とフィリピンの関係をさらに発展させていきたい」と語った。
両首脳の会談は9月のラオス以来2回目。首相は仲裁判決を尊重するよう大統領に求めたとみられる。大統領は先に中国と判決の事実上の「棚上げ」で一致していたが、26日は当事者に対して拘束力を持つとの認識を示した。
出典:時事通信(2016/10/26-19:06)
日比首脳会談プレスリリース 他
フィリピンに対する円借款に関する書簡の交換
平成28年10月26日
1 本26日,東京において,日・フィリピン首脳会談の後,安倍晋三内閣総理大臣及びロドリゴ・ドゥテルテ・フィリピン共和国大統領(H.E. Mr. Rodrigo R. Duterte, President of the Republic of Philippines)の立ち会いの下,我が方石川和秀駐フィリピン大使と先方ペルフェクト・ヤサイ外務大臣(H.E. Mr. Perfecto R. Yasay, Jr., Secretary of Foreign Affairs)との間で,213億8,300万円を限度額とする円借款案件2件に関する書簡の交換が行われました。
2 対象案件の概要
(1)フィリピン沿岸警備隊海上安全対応能力強化計画(フェーズII)
(Maritime Safety Capability Improvement Project for the Philippine Coast Guard (PhaseII))
この計画は,フィリピン沿岸警備隊において使用する船舶2隻を建造し,沖合及び沿岸域内での海難救助や海上法執行等の業務を迅速かつ適切に実施するための能力向上を図るものです。この協力により,フィリピンの海上安全の向上に寄与することが期待されます。
(2)アグリビジネス振興・平和構築・経済成長促進計画
(Harnessing Agribusiness Opportunities through Robust and Vibrant Entrepreneurship Supportive of Peaceful Transformation: HARVEST)
この計画は,ムスリム・ミンダナオ自治地域及びその周辺地域において,民間企業や農業協同組合に対して設備投資・運転資金等必要な資金を提供することにより,同地域の金融アクセスの改善,経済活動の活性化を通じた雇用創出及び生計向上に資する活動の促進を図るものです。この協力により,同地域の平和と開発に寄与することが期待されます。3 供与限度額及び供与条件
案件名 : フィリピン沿岸警備隊海上安全対応能力強化計画(フェーズII)
供与限度額 : 164.55(億円)
金利 : 0.1(年,%)
償還(据置)期間 : 40(10)(年)
調達条件 : 日本タイド案件名 : アグリビジネス振興・平和構築・経済成長促進計画
供与限度額 : 49.28(億円)
金利 : 1.4(年,%)
償還(据置)期間 : 25(7)(年)
調達条件 : 一般アンタイド(参考)フィリピン共和国基礎データ
フィリピン共和国は,面積約29万9,400平方キロメートル(日本の約8割),人口9,234万人(2010年),人口一人当たりの国民総所得(GNI)は3,270米ドル(2013年,世界銀行)。
出典:外務省
画像出典:首相官邸