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【青山繁晴】「世界遺産登録の結着に反対。しかしこれで終わりではない」『インサイト』7月8日より<ほぼ全文>

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今日(7月8日)放送の、『ニュース新発見 インサイト』(RKBラジオ)より、青山繁晴氏の発言をテキストにしました。

また、インサイトでは語られなかった「外務省のチョンボ」について、後日、7月9日に放送された『ザ・ボイス』(ニッポン放送)で説明されていたので、それも記述します。

国際社会の公式の場で言ってしまったことは、引っ込めることはできませんよね。わたしはそれで随分落ち込みましたが、青山氏の「決してこれで終わりではない。まだ国民にできることがある」という発言に、微かな光明を見たような気がしました。

世界遺産登録の結着に、反対

この結着ぶりには、明確に反対です。
どうしてかというと、要は歴史と異なることを、日本が自ら世界に向かって示してしまったということになります。

たとえば軍艦島の海底炭鉱で、働いていた労働者の中に日本・朝鮮・台湾それぞれの労働者が働いていたが、皆それなりの高い給料をとって、証言によると食堂なんかでも日本・朝鮮・台湾という拘りなく、みんなで共にしんどい労働をやる、しかし家族に仕送りができる、仲間として本当に和気あいあいとやっていたという証言しか残っていない

それを、日本の代表団がわざわざ「forced to work」つまり、働かされていたと表現し、外務省代表団の言い分は、国際法で禁じられているところの「forced labor」、強制労働とは違うんだ、法律に基づいて働いていたのだという話をしただけだと弁解しているが、韓国だけでなく欧米の反応をみても、「日本はついに韓国の言い分を認めた」ということになってしまっています

河野談話の二の舞

僕のところに、メールやブログの書き込みを紹介しきれないほど頂いているが、国民は冷静に見ている。たとえば、「河野談話の二の舞ではないか」という指摘があって、これは決して偏った主張ではなく、例の慰安婦についても、河野談話の文書そのものは「日本軍が強制連行した」などとは書いていない。質問を受けたときに当時の河野官房長官が、勝手に「そういうこともあった」という趣旨の応答をしてしまっている

だから、代表団の言いぶりが問題でしかもそれが歴史を捻じ曲げることになり、今生きている私たちだけでなく将来の日本国民の名誉と、歴史をちゃんと捉えるということに悪影響を及ぼすということでは同じではないかという問題提起は本当に正しいと思うですね。

交渉の裏で、何が起きていたのか

知られざる経緯を少しだけ話すと、これは当事者から直接聞いた話で全部ウラを取ってます。

例えば、韓国側が軍艦島をアウシュビッツと同じだと言い出した。まさか韓国がこんなことまで言うとは思わず、現地の交渉団が慌ててしまったそうです。
なおかつ、欧州でアウシュビッツと言うと絶対の言葉なんですね。根拠を探るまでもなく、このアウシュビッツと言われてしまったら、投票に持ち込むと負けるかもしれないと現地の外務省交渉団が慌てて総理官邸に問い合わせをした。「投票になったら負けちゃうかもしれません」と言ってきて、官邸の側は「forced to work」と言えとかそういうことは一切言っていないが、「登録できないということは避けるように」と抽象的な指示を出して、後は外務省が考えて、「forced labor」ではなく「forced to work」にしようとなってしまった

もう一点、外務省のチョンボとしか言いようのない失敗があって、それを韓国側に追及されてもっと慌てたということがあるがそれは今は敢えて申しません。

「外務省のチョンボ」とは

後日7月9日、「ザ・ボイス」での発言によると

日本の外務省は「韓国が言っているのは時代が違う」と言っていた。日本の登録は幕末から1910年までのことを言っているので、第二次世界大戦(大東亜戦争)のとは時代が違うと言っていた。

しかしドイツの委員会で韓国が突如、「日本が登録しようとしている遺産の中に、1910年まで一度も使っておらずその後使ったものがあるぞ」と言い始めた。どこの何かは、国益のために言わないですけどね。

それを、日本の外交官は全然知らず動揺した。そのタイミングで韓国は軍艦島をアウシュビッツだと言い始めた。そこで慌てて、決選投票になったら勝てないのではないかと外務省に訓令を求めた。すると、それまでろくにコミュニケーションをとっていなかった官邸に、外務省が「どうするんですか」と聞いてきた。外務省も、財務省も、安倍さんのことを憎んでいるから、それまでコミュニケーションができなかったんだけど、安倍さんは拉致事件で外務省は信頼できないと分かっているはずなのに、それをぼんやり見てたから、官邸は安倍さんに意見を求めず、抽象的な訓令を出した。「登録ができないようなことは避けよ」と。これを外務省は都合よく解釈した。これは妥協しろという意味だと。

官邸の中枢の人は、僕に「訓令の意味は違う、決選投票になったときに負けるな。必ず票固めしろという意味だ」と。
僕は、それだったらそう書きなさいよと怒った。

その訓令が現地に来た時に、韓国が救いの手を差し伸べて「forced labor」というのをやめますよと

「forced labor」はILOで強制労働をさす。しかし、国際法ではたとえば、裁判で有罪になった人が労役をやる、戦争で兵役につく、あるいは災害時や戦争時に国民徴用令のような、普段の仕事と違うものをやらせるというのは、全部強制労働ではありませんと書いてあって、それが「forced to work」という表現。
受験勉強の絞りかすの外務官僚はそういうことだけが頭に入っているから、「強制労働にならない」とそれに飛び乗ってしまい、「forced to work」と言っただけでなく、さらに韓国の求めに応じて「victim(犠牲者)」と言ってしまった。

韓国はいきなり現地のブリーフィングで、韓国のメディアに「大勝利だ。日本は史上初めて強制労働を認めた」とハングルで言った。ハングルだから、「forced labor」も「forced to work」も関係ない。全部描かれた一連のストーリーで、最終責任は全部安倍さんにある。

しかし、これは戦争以前からの外務省の本質的な在り方に問題がある。外務省は一旦解体するべき。

これで終わりではない「国民にできること」

その上で、これで終わりかというと「終わりじゃない」ということをリスナー国民の方々と、いち国民の僕達が一緒に考えたい。

というのは、日本側がこういう経緯で韓国側と約束したことのひとつに、インフォメーションセンターを作るという話がある。これは単に看板を立てるということではなく、軍艦島なら軍艦島がどういうふうに産業革命を成し遂げたかを詳しく解説する場を作ることになっていますね。これを逆手にとって「forced labor」と「forced to work」というのは違う、どう違うかというと日本が表明した話と言うのは、そもそも軍艦島の産業革命の当時と時代が違うんですけれども、戦争になった時代に、どこの国でも戦時に基づいて国民に働いてもらうということはありました。戦争に参加したほぼすべての国にあったわけです。日本でいうと国民徴用令といって、戦争に勝つために普段の仕事と違うこういう仕事をしてくれというのがあった。それはもちろん、日本人、当時日本と一緒だった朝鮮半島であれ台湾であれ皆同じだったわけです。ILOで禁じられているところの強制労働はありませんでしたということをはっきり書く

これに対して韓国は激しく反対するでしょうが、それをむしろ議論の場と捉え直し、外交とは揉めないことだという敗戦後の思い込みを脱却する機会にして、韓国といくら揉めようとも歴史の真実を追求するという事を打ち立てて、総理自らが反省をなさってこれをやるべきだと思う。

その時1点注意しなければならないのは、日本側は働いていた方々に対して犠牲者という表現をしてしまっている。犠牲者っていうのは、この言葉が残る限りは、「forced labor」なのか「forced to work」なのかという議論が吹っ飛んでしまいますよね。
ここを、この言い方は間違いであるという展示にすべきで、これは誰の力によるかというと責任者安倍総理。自らの反省をなさってこれをやるべきですが、それをさせるのは私たち、日本国の主権者である私たちであるということをみんなで一緒に、立場の違いを乗り越え、子々孫々のために一緒に考えたいと思います。

※見出しはブログ主が勝手に書いています。

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