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藤井厳喜 太平洋戦争の大嘘

【藤井厳喜】飯田浩司のOK!Cozy up!書き起こし「米朝首脳会談は成功した」

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2018年6月12日に行われた米朝首脳会談について、様々な感想や分析を見聞きしました。専門家や知識人、あるいは一般の人々のものも。

色々考えさせられましたが、その中で藤井厳喜氏の話をご紹介したいと思ます。北朝鮮と在韓米軍の行く末、日本人に迫られる覚悟、国家としての在り方など多岐にわたる分析です。

ぜひ読んで下さい。

飯田浩司のOK!Cozy up! 解説:藤井厳喜

飯田浩司
米朝首脳会談、一連の流れを見てどうか。

藤井厳喜
成功、大成功と言っていい。
一言で言うと、北朝鮮のメンツを重視してトランプが金正恩を一国のリーダーとして認め、メンツを失わないようにした。
最終的には核兵器、大量破壊兵器を放棄させるわけだから、メンツを大事にする国としてはマズい。

アメリカは名を捨てて実を取る方向で、北朝鮮は実(核兵器)を捨てて名を取った
北朝鮮はアメリカという超大国のトランプと会談をして、一国のリーダーであることを世界と国内に示すことができた。
トランプは北のメンツを非常に大事にして、丁寧に外交をしたという印象を持った。

飯田浩司
トランプが実を取ったというのは核兵器の放棄のことだと思うが、これが曖昧ではないかという批判もあるが。

藤井厳喜
去年の暮れから見たら、二人が直接会談をし、金正恩が朝鮮半島の非核化に対して首を縦に振ることは想像もできなかった。
合意文書は曖昧だが、すべてはここから始まる。
書いてあることよりも書いてないことが大事で、今後の実務的なことは、北朝鮮のメンツが潰れるため敢えて書かない。

我々が日本人として心配だったのは、アメリカが合意文書や口約束だけで妥協することだったが、それはなかった

飯田浩司
国内外で「具体策なし」という批判があるが。

藤井厳喜
反トランプのリベラルメディアは予想通りのことを言っているが、まずプロセスを始めないと動かない。
北朝鮮は「遷延策」、引き伸ばし策がやりたい。核・ミサイル放棄の方法についてはゆっくり考えましょうと引き伸ばしてくる。

気になったのは中国の飛行機に乗ってきたこと。北朝鮮問題は、大きな枠組みは米中対決時代が来ているということ

中国側としては、アメリカに北朝鮮問題で長い間躓いていて欲しい。
アメリカは早く北朝鮮問題を片付けて、南シナ海を中心とする対中国との対決をやりたい。
5月7~8日の大連会談で、金正恩は習近平から「抵抗しろ」とネジを巻かれたのではないか。

トランプとポンペイオが米朝首脳会談の直前に「時間かかるよ」という言い方をした。
リビアの非核化をしたときも、アメリカとイギリスはカダフィのメンツを非常に重んじていた

リビアの核は発展段階が低かったため簡単だったが、英米とカダフィの交渉は9か月続いた
北朝鮮は核弾頭も長距離ミサイルも持っている。全部運び出すのは時間がかかるが、方向性は早く決める。

アメリカとして一番大事なのは、妥協してご褒美を与えないこと。その点については、何の妥協もしていない。
それで我々も問題はない。

北朝鮮がゆっくりやってもいい。その代わり、経済制裁は続ける。
北朝鮮にとって頼りになるのは中国やロシア位かもしれないが…裏では色々あるでしょう。しかし、時間がかかるほど制裁は厳しくなる。

日本の新聞は「体制を保障した」と書いているが、別に保証はしていないし、経済制裁も緩めない。
「核を廃棄すれば体制保障」であり、「体制保障」ということは、正式な国交樹立。そこまで行く。

恐らく実務会話のために、お互いに代表事務所のようなものを開設すると思う。そうすれば直接話合いができるし、将来の大使館になる。

飯田浩司
米朝の新しい関係という表現があったが。

藤井厳喜
正常な外交関係、国交を樹立する方向に動く。そうすれば最終的な体制保障になる。
アメリカが大使館のある国に何の前触れもなく攻撃することは有り得ないですから。

今回はそういう方向に向けて動くという意思を、お互いに確認したということではないか。

最終的に、朝鮮半島から在韓米軍は撤退すると思う。平和条約を結べば、いる理由はなくなる。

飯田浩司
トランプはプレゼンスは維持すると言っていたが。

藤井厳喜
とりあえずそう言う。それは最後の切り札だから。
ただ、削減は考えると言っている。

飯田浩司
対馬海峡がパワーバランスの結節点になっているが。

藤井厳喜
日本の国防ライン、アメリカの防衛ラインは、38度線から対馬海峡に移る。

飯田浩司
日米の安全保障の枠組みより、さらに踏み込んだ形になるのか。

藤井厳喜
日米関係は強化される方向だから問題はない。
日本にとっては、韓国のことや米韓関係に気を遣わず外交ができるから有難い。

飯田浩司
すると米韓同盟も形が変わる?

藤井厳喜
事実上、長期的に見れば米韓同盟は廃棄される。最終的にはそこまで行くと思う。

飯田浩司
まさに冷戦が終わる。

藤井厳喜
朝鮮半島における、ね。
手を読んでいくと、そこまで行くと私は予測している。

飯田浩司
日米韓の外相会談には、実務を担うポンペイオ国務長官も来ることになっている。

藤井厳喜
だけど、韓国の立ち位置は親北朝鮮だからね。始めから。

中国やロシアが周りから入って来ようとしている。
いまは基本的に米露関係は良いと思うし、トランプは対中国と対ロシアの態度は全然違う。ロシアに対しては融和的。
だけど、6か国協議はいくらやっても意味がなかったことは分かっている

基本的にはアメリカが直接、軍事的にも経済的にも圧力をかけてようやく北朝鮮が軟化したのだから、これが軸。その2か国の軸が話し合いをしっかりやればうまくいくし、相反して交渉の席を立ってしまえば6か国協議をやっても無駄ということ。

米朝はこれまでも、バックチャンネルで交渉をしている。韓国が仲介した米朝首脳会談ではないことも明らか。

米朝2か国がどう話し合っていくかが一番大事

飯田浩司
拉致問題については。

藤井厳喜
日本はふがいない立場にいる。根本的なことを言うと、日本には憲法9条があり軍隊も情報機関もない
それでまともな外交をやれというほうが無理なんだ。

だからアメリカべったりでやっていくしかない。非常に情けないんだけれども、それしか他に手はないでしょ。
両手両足を縛られてケンカしろってな話なんだから。

本来なら国家というものがあれば、日本の海軍でも北朝鮮沖に派遣して、拉致被害者を返さないと報復するぞと言うのが本当の国家です。
北朝鮮は、日本がそういうことができないと思っているから人間を拉致して行った。

アメリカはなぜ3人の人質が返ってきたんだ。「交渉しましょう、しかし交渉が失敗したら我々は戦う気ですよ」というのが外交です。
日本はそれができない。あるいは奪い返すと言っても情報機関がないからどこにいるか分からない。

やむを得ず、安倍さんはアメリカべったりをやっている。それしかない。

アメリカに言いたいのは、拉致問題解決をどういう定義にするのか分からないが、日本国民がある程度納得するまでアメリカも経済制裁を解除しないでねと。そこが一番大事だと思う。

核や大量破壊兵器だけの問題で解除されては、北朝鮮にとっての拉致問題解決のインセンティブがなくなってしまう。

その時トランプは、通商問題、貿易問題を持ち出してくるだろう
そのことは日本人も考えておかなくてはならない。
日本は通商問題で、有り得ないような妥協をしなくてはならないかもしれない

安倍さんは限られた手段しかない中で、非常によくやっていると私は思う。

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