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【佐藤優】沖縄県知事選挙の結果を受けて (2/2)

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前日の沖縄県知事選挙の結果を受け、『くにまる「沖縄振興策の未来」塾』開講。以下、佐藤優氏のコメントからポイントと思える箇所をまとめた。

佐藤氏はご母堂が沖縄の方だった。いま沖縄の人たちが何を思っているのかを知ることは、互いの幸せのためにとても大切な手掛かりになると思う。

 

 

 

 

佐藤優氏発言より 沖縄のいま、そして今後について

・沖縄の基地は原発とは違う。原発は民意の同意があるが沖縄の基地は民意の同意を一度も得ていない

・アラブ諸国、ロシアの富裕層が医療ツーリズムで沖縄に来ている。沖縄への関心が世界の富裕層から高まっている。

・琉球大学の医学部が非常に優秀。こことビジネスをどう繋げていくか。沖縄はビジネスのセンスもある。

・沖縄は新聞がよく読まれ、新聞が与える影響が大きい。

翁長さんの心の中では、日本は「おきなわ」とそれ以外の日本の2つの国が合わさって1つの国が成り立っている。本土に甘えてはいけない、自分たちの足で立つんだ、という思い。

・(辺野古移設について)今の安倍政権では菅官房長官が担当しているが、ごり押し1本。だが自民党内にもゴリ押しだけではない人がいる。沖縄の公明党は反対し、中央の公明党はこれを容認。その意見の差を考えれば、国が方針を変える可能性はある。

・石破さんは無理を分かっている一人。翁長さんと何とか手を握って、自民党が何とかできないか動いていた。

・仲井眞知事に関しては、同情するのではなく、脅しに近い圧力が加えられた。沖縄の人間は、日本・沖縄の複合アイデンティティーを持っている。仲井眞さんを見ると、何とも言えない悲しさ、辛さ、苛立ちが出てくる。

今起きているのは「琉球処分」の完成。沖縄の特殊性の中で琉球処分を強行しようとすればどうなるかが分かっていない。いきなり「独立論」ということではないが、「果たして我々を同胞と思っているのか」となると気持ちが離れていく。このまま「分離」ということになれば、日本にとってもよくないことになる。ここを心配しているが、なかなか伝わらない。

差別が構造化されているのではないか。構造化すると、差別している側は意識していないのが普通。しかしされている側は差別だと思っている。翁長さんに対する「中国の手先だ」というキャンペーンを見ると、「一体この人はどこまで我々のことを分かっているのか。本当に同胞なのか」と思う。こういう行動が、沖縄の気持ちをどんどん遠ざけている。沖縄では口に出していうのは最終段階。今、エネルギーがだんだん高まっている。

本土から来てヘイトスピーチをやっている人が大手を振って度々来るようになると、「もう放っといてくれ。私たちは本土に行って邪魔していない。別々に住もう」という気持ちに、自然となってくる。

今回のヘイトスピーチは、これまでと質が違っていた。何故こういうことが起きたのか、本土側でよく検証をして欲しい。これが沖縄との間の亀裂を相当深めた。

文化放送 くにまるジャパン(11月17日)より

 

佐藤氏の発言はすんなり納得できない点もある。しかし、本土の人々の感覚として何の疑問もなく沖縄も同じ国の人々だと思っている人が大半だと思うが、それこそが沖縄から見れば傲慢なことかもしれない。そして何気ない発言が、差別を含む言葉になっていることはままあると思う。そのことはよく理解し気を付けねばならないと思う。

(1/2)でも書いたが、街宣車によるヘイトスピーチに関しては私も詳しく調べて欲しい。

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