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新たな火種?「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産登録

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2015.07.07
正直に書きます。実は、「forced to work」という表現が使用されたとニュースで知った夜、わたしは胃痛に苦しみました。そして翌日の午後、なんとかこの記事を書きました。
いま読み直してみて「わたしは正直でなかった」と反省しています。
メンタルが弱いわたしは、もう不安になったり苦しんだりするのが嫌で、小さなイイコトを見つけてそこに焦点をあて、少しでも安堵しようとしていました。しかし、それではこのブログを開設した意味がなくなってしまう。
だからところどころ、正直に、論調を変えました。
ほとんど誰も読んでいない、影響力も全くない小さなブログですが、己を恥じ反省しています。

 

「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産登録されたのはいいが、「forced to work」という表現が使用された。
これをどう捉えるかで困惑している人が多いと思う。

第2の河野談話 ” になるのではないか 」と危惧する人もいると思うし、わたし自身、真っ先にそれが不安になった。

今後設立されることになる、展示施設における実際の文言が、いずれ火種となるかもしれない

これまでの韓国のやり方をみれば、慰安婦同様これを政治利用するのではないかと危惧するのは、日本人の当然の反応だと思う

日本側の担当者もそれなりに頑張ったようで、今後韓国に政治利用させないようにするなど、日本にしてはきちんと詰めている。しかし、相手は韓国。約束を守るわけがない。世界遺産に登録などしなければよかったのに、と思ってしまう。

今回のことでひとつはっきり言えることは、

韓国は、やはり約束を守らない。決して、信用してはならない。

ということ。

6月21日の日韓外相会談で、「世界遺産登録」に互いに協力しようと約束したはずだ。
岸田外務大臣は登録決定後の記者会見で「ギリギリの調整を行った。丁寧に作業を行った結果だ」と述べている(後述)。しかしそう言われても、韓国が最後まで日本を貶めるためにゴネたというふうにしか見えない。

なぜなら、韓国側は当初、「forced labor」(強制労働)と陳述する予定だったのだ。互いに協力する約束をした国の対応とは思えない。
検索すれば分かるが「forced labor」はとても強い言葉だ。

それでなくとも世界遺産の申請に横から口出しされ、不可解・不愉快なのに、そのうえ事実と全く異なる主張をされれば、改めて韓国を「信頼できない」と思った日本人は少なくないだろう。

この時の動きを簡単にまとめると、以下の通り。

ギリギリの調整、日韓の動き
1 韓国世界遺産委員会での登録決定時、朝鮮半島出身者への「forced labor」(強制労働)があったと陳述をする構えだった。
2 日本これを察知した日本は、意見陳述の中身について内容の開示を求め、修正を要求。この調整のため審査が翌日に持越しとなる。
韓国は当初反発したが結局譲歩し、5日の審査では日韓とも「forced to work」との表現を使用。
3 「forced to work」を、
日本「働かされた」と訳し、岸田文雄外相は「強制労働を意味しない」と説明。
韓国国内向けに「強制労役」と訳し、強制性がある労働だと主張

参考文献:共同 2015.7.6

日本としては、「ギリギリの調整を行った」というのは事実なのだろう。結果の良し悪しは別として。

外務省「当時は合法」「『強制労働』を意味するものでは全くない」

日本政府が推薦した「明治日本の産業革命遺産」(福岡県など8県計23施設)が世界文化遺産に登録されたことを受け、内閣府と外務省は6日未明、東京都内で記者会見を開いた。

産業革命遺産は5日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で審議され、韓国を含む全会一致で登録が決まった。

決定後、佐藤地(くに)ユネスコ大使が英語で行ったスピーチ

一部の施設で「意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者らがいた」との文言があった。

外務省 水嶋光一参事官の会見

文言について「『強制労働』を意味するものでは全くない」「意思に反して日本に連れて来られた方もいたことは否定できないが、合法だった。違法な形で強制労働を行ったことを意味するものではない」と説明。
その上で、従来の日本政府の見解に「何ら新しい内容を含むものではない」との認識を示した。

政府は昭和14年に国民徴用令を制定し、勤労動員を実施。当初は朝鮮半島出身者は除外されたが、戦況悪化に伴う労働力不足から19年9月以降は適用された。

政府は、徴用は国内法の下で合法的に労働が行われたとの認識で、この問題をめぐり、政府見解や公式文書などに「強制」の文言が記述された前例はない。

スピーチでは「犠牲者を記憶にとどめるために適切な措置を説明に盛り込む」として、登録施設の展示に「情報センター」の設置を検討するとした。具体的な内容は「自治体など関係者と相談する」(内閣府)としている。韓国関係者が相談対象に含まれるか否かについて、内閣府地方創生推進室の成瀬茂夫次長は「含まれるとも、含まれないとも、今は言えない」と明言を避けた。

外務省によると、今回の世界遺産委での日本側の発言はユネスコの議事録に残される。登録をめぐり、日本側から追加文書の提出はなかった。

参考文献:産経 2015.7.6 10:44

岸田外務大臣臨時会見(登録決定後)

Point

1 日韓間の財産・請求権の問題は完全かつ最終的に解決済みであるという立場に変化はない。
2 韓国政府は、今回の我が国代表の発言を、日韓間の請求権の文脈において利用する意図はない。その根拠は、外交上のやりとりにおいて、韓国政府とハイレベルなやりとりで確認している。
3 「forced to work」は「強制労働」を意味するものではない
4 韓国側の演説は、事前に日韓間で調整を行っている

 

(平成27年7月5日(日曜日)22時49分 於:大臣接見室前)

冒頭発言

「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼,造船,石炭産業」のユネスコ世界遺産一覧表への記載決定について(第39回ユネスコ世界遺産委員会における審議結果)

【岸田外務大臣】
本日(現地時間同日),ドイツのボンで開催されている第39回ユネスコ世界遺産委員会において,我が国が世界遺産に推薦していた「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼,造船,石炭産業」が,世界遺産一覧表に記載されることが決定されました。

登録を確実なものにするため,ギリギリの調整を行ってまいりました。記載されることが決定されましたことは,誠に喜ばしいことであり,関係者の皆様とともにこの決定を歓迎し,祝意を表したいと思います。
本件は,1850年代から1910年にかけて,我が国における製鉄・製鋼,造船,石炭産業といった重工業の産業化に中心的役割を担った遺産群として,高く評価されました。試行錯誤の中,非西洋で初めて産業化に成功した先人達の努力に心から敬意を表するとともに,今回の決定により,同遺産群の果たした世界的役割が一層広く世界に知られる契機となることを期待します。
本件の登録決定後,我が国は,世界遺産委員会の責任あるメンバーとして,国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告に真摯に対応していく姿勢を示すため,発言を行いました。この発言は,これまでの日本政府の認識を述べたものであり,1965年の韓国との国交正常化の際に締結された日韓請求権・経済協力協定により,いわゆる朝鮮半島出身者の徴用の問題を含め,日韓間の財産・請求権の問題は完全かつ最終的に解決済みであるという立場に変わりありません。

この点,外交上のやりとりを通じ,韓国政府は,今回の我が国代表の発言を,日韓間の請求権の文脈において利用する意図はないと理解をしています。なお,我が国代表の発言における「forced to work」との表現等は,「強制労働」を意味するものではありません
我が国としては,今後とも,同遺産群を含めた日本の資産について,世界中の方々に世界遺産としての価値を御理解いただけるよう,関係省庁と連携し,その魅力を更に世界に発信してまいります。
この後,担当部局による記者会見が予定されていると承知しており,詳細は,そちらに委ねたいと思います。

質疑応答

【NHK 小嶋記者】
本来でしたら昨日登録の審議が行われているはずでしたが,一日延びたということで,今の大臣のご発言ですと,請求権のところとforced to work,その辺がもめたのかと感じがするのですが,日韓間でどういうぎりぎりなやりとりが行われたのかということと,一日延びたということに対する関係者が現地に残ったりと,そういう点の大臣の評価について大臣がどう思われてるかお願いします。

【岸田外務大臣】
まず,一日延びたということについては相手のある話です。そして関係者が多く関係している話です。登録を確実なものとするためにギリギリの調整を行ったその結果だと思います。そして具体的なやりとり,事務的な調整,事務レベルの調整につきましては,外交上のやりとりですので,詳細を明らかにするのは控えなければならないと思います。いずれにしましても相手がある中にあって登録を確実にするため,ギリギリの調整が行われたと認識しております。

【読売 佐藤記者】
最後の日韓請求権のくだりで韓国政府が外交上,今後利用することはないと話されていますが,その根拠をお願います。

【岸田外務大臣】
ご指摘の点につきましては,外交上のやりとりにおいて,韓国政府とハイレベルなやりとりで確認をしております

【共同 蒔田記者】
詳細に確認していないんですけれども,登録後の韓国側の演説に対するご所感はいかがでしょうか。

【岸田外務大臣】
外交上のやりとりは,先ほど申し上げましたように控えたいと思いますが,韓国側の発言についても,事前に日韓間で調整を行いました。そして,その上での発言ですので問題はないと受け止めております。

【TBS 深井記者】
先日の日韓外相会談で,完全に日韓で一致したと大臣はおっしゃっていましたけれども,そうした中,ここまでもつれたことについては大臣は,今,どのように御所見をお持ちでしょうか。

【岸田外務大臣】
日韓で協力することは一致をしておりました。ただ,事務レベルにおいて,さまざまな調整を行ったということであります。相手のある交渉事でもありますし,また,多くの理事国も関与している会議であります。多くの関係者に理解をし,そして,丁寧に作業を行い,そして登録を確実にする,こういった作業が行われたものであると認識をしております。

【NHK 小嶋記者】
これで日韓関係にですね,ここまでもつれたというのは,何か影響があるというふうにお考えなのか,それともこの前の外相会談での一致点は履行されたというふうに大臣としてはご認識なのでしょうか。

【岸田外務大臣】
まあ「もつれた」という表現を使われましたが,先ほど申し上げましたように,これは事務レベルで相手のある中にあって,ギリギリの調整を行った,丁寧に作業を行った結果であると思っております。結果的に,登録が実現をいたしました。これは,大変喜ばしいことであると思っております。日韓がともに協力をし,そして日本の推薦した案件,韓国の推薦した案件,ともに今回,登録が実現をいたしました。これは,関係者とともに歓迎し,喜ぶべきことであると認識をしております。

テレビでは、韓国側がロビー活動を行う姿が映っており、「日本のネガティブキャンペーンをしている」というナレーションつきだった。
テレビをすべて信用はしないが、ロビー活動をする姿ははっきりと映っていた。

関係者によると、韓国側は委員会でも激しいロビー活動を展開。「軍艦島」の通称で知られる端島炭坑(長崎市)をナチス・ドイツによるアウシュビッツ強制収容所と比較して、他国に理解を訴えたという。

出典:産経 2015.7.5 20:23

アウシュビッツ強制収容所と比較してロビー活動を行うとは、「なんと汚い国だろう」と改めて怒りを覚えるが、今更これについて述べるのは置くとして、6月21日の日韓外相会談での「互いに協力しよう」という約束が反故にされたことは明らかだ。

約束を守らない韓国が今後どう動くか、とても不安だ。

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