【宮崎哲弥】民主党に「安倍演説」を批判する資格はあるのか
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5月5日(火)ニッポン放送 『ザ・ボイス』
今回は、ザ・フォーカスで「民主党に安倍演説を批判する資格はあるのか」について述べておられた話をご紹介します。
宮崎哲弥(評論家)
1962年、福岡県生まれ。評論家。慶應義塾大学文学部社会学科卒業。政治哲学、仏教論、サブカルチャー分析を主軸とした評論活動を行う。
安倍演説 野党の反応について
野田政権時代、消費増税を国際公約!
民主党に「安倍演説」を批判する資格はあるのか。
民主党・枝野氏はどの口でそれを言うのか
「安倍演説」について、賛同できる部分もあるしできない部分もあるから、「全面的に乗るわけではない」ことが前提だが、民主党の枝野氏が、米議会の安倍演説で、安全保障政策を夏までに成立させるという安倍さんの考えについて、「国家の代表としてあるまじき発言だ。日本の議会は米議会の下請けではない。これから国会で議論する。しかも法案も提出されていないことを他国の議会で約束するとは大問題だ」と述べ「国会軽視」「国民軽視」と憤っている。
そのこと自体は分からなくもない。約束までは踏み込み過ぎで、強い意志があるというくらいにしておくべきだったと私も思うが、でも民主党はどの口でそれを言うか。
野田政権時、突然の消費増税国際公約
というのは、野田佳彦さんが首相だったとき…2011年ですが、野田さんは、11月3日のG20首脳会議で、消費増税について2010年半ばまでの10%引き上げを約束している。
この時、所信表明演説でもそのことは触れていないし、法案も出ていなければ国会での審議もなかった。
結果として国内メディアは「これをもって国際公約だ」とさかんに書き立てた。
これに対して野田さんは明確な否定もしなかったし、いわばそれが既成事実であるかのように消費増税は着々と進んでいった。
私は、こういうやり方は絶対によくないとあらゆるメディアで批判した。TPPも同じ。
こういう黒船に頼るような、黒船ドクトリンみたいなやり方は絶対によくないと批判しましたが、民主党政権はこれについて反省した色が全くないにも関わらずどうしてこのようなことを言うのでしょう。
「ガイドライン見直し」はすでに選挙公約で名言され、民意に問うている
安倍さんを弁護するわけではないが、新ガイドラインの見直しに関しては、日米同盟強化、日米防衛協力のためのガイドライン見直し、同盟国・友好国と防衛協力を推進するということについて、2013年参議院選挙公約においても、2014年の衆議院選挙の重点政策集においても明言されている。いわば民意はここで問うている。ここは国民軽視ともいえない。
じゃあ野田さんはどうだった。民主党政権はどうだった。そもそも消費税増税というのは、民主党のマニフェストにあったでしょうか。
民主党が反省しなければ、全く耳を傾けようと思わない
野田佳彦氏は「シロアリを退治しないで、今度は消費税を引き上げるんですか。シロアリを退治して天下り法人をなくして天下りをなくす。そこから始めなければ消費税を引き上げる話はおかしいんです」と、選挙前に街頭で演説されています。
そしてもちろん、2009年のマニフェストにも消費税を上げるなんてことは一言も言っていなかったし、そもそも日米関係の防衛指針については、日米関係の中で(約束をするのはどうかと思うが)意志を語ることは不思議ではない。
なぜG20で、「自国だけ通貨」(国内で95%程度消化されている他国と関係ないもの)を公約したのか。(民主党は)そういうことをやった政党です。反省して頂かないと、全く耳を傾けようと思いません。
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