TPP協定に署名、世界約4割を占める巨大経済圏誕生へ
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甘利大臣辞任を受け野党が大騒ぎしていたが、無事にTPPの署名は終わった。
参加12カ国は4日、ニュージーランドの最大都市オークランドで協定文に署名。昨年10月に大筋合意した協定文が確定し、今後は議会承認など国内手続きにうつる。
菅官房長官は4日午前の記者会見で「速やかに関連法案を国会に提出し、国会の承認ができるだけ早く得られるよう努力する」と述べた。
協定が発効すれば、GDPで世界の約4割を占める巨大経済圏が誕生する。
TPPは、太平洋周辺地域での貿易と投資の自由化、サービスや知的財産などのルールを決める包括的な経済連携協定だ。
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の署名
平成28年2月4日
1 本4日(現地時間同日),ニュージーランドのオークランドにおいて,我が国から政府代表として派遣された髙鳥修一内閣府副大臣が,他の11か国の代表とともにTPP協定に署名しました。
2 TPP協定は,アジア太平洋地域において,物品及びサービスの貿易並びに投資の自由化及び円滑化を進めるとともに,知的財産,電子商取引,国有企業,環境等幅広い分野で21世紀型の新たなルールを構築するものです。我が国を含む同地域の経済成長を促進するとともに,新たな経済秩序の構築を通じ,この地域の国々との関係を一層強化し,繁栄を共有することで,地域の平和と安定にも寄与するという大きな戦略的意義を有しています。
(参考1)環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉概要 [*1]
TPP協定は,2010年に交渉が開始され,徐々に参加国を拡大しながら最終的には,オーストラリア,ブルネイ・ダルサラーム,カナダ,チリ,マレーシア,メキシコ,ニュージーランド,ペルー,シンガポール,米国,ベトナム及び日本の12か国で交渉が行われてきた。2015年10月のアトランタ閣僚会合において大筋合意 [*2] に至った。(参考2)この協定の条文(英文 及び仮訳文 )は,内閣官房TPP政府対策本部ホームページ に掲載。
[*1] 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉概要
[*2] 環太平洋パートナーシップ(TPP)交渉の大筋合意について(外務大臣談話)
平成27年10月6日
1 10月5日(現地時間同日),米国のアトランタで行われた環太平洋パートナーシップ(TPP)閣僚会合において,TPP交渉が大筋合意に至りました。我が国は2013年7月の交渉参加 [*3] 以来,幅広い分野で21世紀型の新たな通商ルールを構築するTPP協定の実現に向け,国益にかなう最善の道を追求し,各国と建設的な議論を重ねてきました。今回の成果を歓迎します。
2 TPP協定は, 成長著しいアジア太平洋地域において,貿易・投資を更に促進するにとどまらず,新たな経済秩序の構築を通じ,この地域の国々との関係を一層強化し,ともに繁栄を共有するという大きな戦略的意義を有しています。このことは我が国及びアジア太平洋地域の平和と安定にも寄与するものと確信します。
3 また,今般の大筋合意が,更に広範囲のアジア太平洋地域の自由貿易圏の構築に向けた礎となり,我が国が推進する他の経済連携交渉にも推進力を与えることが期待されます。
4 我が国は引き続き各国と緊密に連携しつつ,TPP協定の早期署名を目指していく考えです。
(参考1)
環太平洋パートナーシップ(TPP)交渉の参加国(閣僚声明での記載順)
オーストラリア,ブルネイ・ダルサラーム,カナダ,チリ,日本,マレーシア,メキシコ,ニュージーランド,ペルー,シンガポール,米国,ベトナム(参考2)
米国との間では,TPP協定の交渉と並行して自動車貿易及び非関税措置に関する交渉に取り組んできたところ。
[*3] 日本のTPP交渉への正式参加について
7月15日から25日まで、マレーシアのコタキナバルにおいて、第18回TPP交渉会合が開催され、我が国は23日午後から正式に交渉に参加した。
同会合には、鶴岡公二首席交渉官(政府代表)をはじめとする各分野担当の交渉官らを派遣し、精力的に交渉させるとともに、自分も担当閣僚として、現地との連絡を緊密に維持してきた。日本のTPP交渉への参加について、各国からは歓迎の意が表明された。
我が国は、首席交渉官会合の他、知的財産、政府調達、原産地規則、環境、制度的事項の5分野の作業部会に参加した。24日午後と25日は「日本セッション」が開催され、首席交渉官に加えて、各分野の交渉官が参加し、分野別の議論を行った。また、代表団は二国間でも各国と頻繁に接触した。
今回の交渉会合では、TPP交渉に臨む我が国の基本的立場を説明したほか、交渉状況について各国から説明を受け、議論を行った。安倍総理が常々述べているように、アジア太平洋地域における新たなルールを作り上げていくことは、日本の国益となるだけでなく、世界に繁栄をもたらし、この地域の安定にも貢献するものであり、日本が一旦交渉に参加した以上、重要なプレイヤーとして、新たなルールづくりをリードしていく旨表明するとともに、我が国として、守るべきものは守り、攻めるべきものは攻め、積極的かつ建設的に議論に参加するという基本的な姿勢を明らかにした。
限られた時間を最大限に有効活用するため、我が国の主催により、24日の夕刻以降に非公式分科会を開催し、各国の首席交渉官及び分野別の交渉官の参加を得て、議論を行った。交渉参加と同時に交渉テキストにもアクセス可能となり、現在、21分野の交渉官が交渉テキストの精査・分析を鋭意進めており、今後の交渉に備える。
次回(第19回)交渉会合は、8月22日から30日まで、ブルネイで開催予定である。
今後も我が国としては、強い交渉力を持って、守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めていくことによって、我が国の国益を最大限に実現するよう全力を挙げて交渉にあたる。平成25年7月25日
TPP政府対策本部長 甘利 明
出典:外務省
*印=引用者記入