【安倍首相訪米】日米首脳会談と共同声明<全文(和文・英文)>、日米首脳共同記者会見

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ゴルフをする安倍首相とトランプ大統領

ゴルフなんかやってる場合じゃねぇ!
トランプ大統領と親密すぎ!
なぜアメリカに内政干渉しないのか(要約)!

などというよく分からない批判が多々あるようで、あまりの難癖に怒りも湧いてこない今日この頃です。

政治に携わる人・語る人は、愛国者なら右でも左でも応援したいんですけどね。子供の喧嘩レベルの発言を繰り返して、言ってて恥ずかしくないんでしょうか。
豆腐メンタルのわたしとしては、その神経の図太さが羨ましい限りです。

トランプ大統領の出迎えを受ける安倍首相

さて、安倍首相の訪米から数日過ぎてしまいましたが、備忘録ブログとしてはこれを記録しておかないわけにはいかないですね。

やはり首脳会談と共同声明、そして日米首脳共同記者会見だけは残しておきましょう。

POINT
日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されていることが明文化された。
核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類の米国の軍事力を使った日本の防衛に対する米国のコミットメントは揺るぎない」と明文化された。

日米首脳会談

平成29年2月10日

ワシントンDC出張中の安倍晋三内閣総理大臣は、ドナルド・トランプ米国大統領と、午前12時10分頃から約40分間、日米首脳会談を行い、その後、共同記者会見を実施した。

1.日米首脳会談

(1)冒頭・総論

安倍総理から、就任後の早い時期に首脳会談ができ、再会を大変嬉しく思うと述べ、本日、エアフォースワンで一緒にフロリダに行き、トランプ大統領と長い時間を過ごすことができるのは大変楽しみである旨述べた。

これに対しトランプ大統領から、再びお目にかかれて嬉しい、総理の訪米を歓迎する旨の発言があった。

また、安倍総理から、トランプ大統領が掲げる偉大な米国、強い米国を歓迎し、両首脳は、日米同盟の絆を一層強固にするとともに、アジア太平洋地域と世界の平和と繁栄のために、日米両国で主導的役割を果たしていくことを確認した。

(2)地域の安全保障環境と日米同盟

両首脳は、新たな段階の脅威となっている北朝鮮の核・ミサイル開発や東シナ海・南シナ海における一方的な現状変更の試みを含め、一層厳しさを増すアジア太平洋地域の安全保障環境について議論し、懸念を共有するとともに、こうした状況において、日米安全保障条約と地位協定に基づく在日米軍の存在が重要であり、日米同盟を不断に強化していく必要があること、さらに、日米同盟を基軸として、同盟国・有志国との間で重層的な協力関係を強化し、同盟ネットワークを構築していくことが重要であるとの認識を共有した。

また、安倍総理から、これまでの安全保障に関する日本の役割や取組について、しっかりと説明し、両首脳は、共同声明にある認識で一致した。

(3)日米経済

両首脳は、幅広い分野を含む日米の経済関係を更に高め、協力をしていくことにより、双方にとって利益のある関係を構築してくことができるのかについて、率直かつ建設的な議論を行った。

安倍総理からは、日本企業による米国における投資や雇用の実績など、日米経済関係の現状についての考えも説明し、両首脳は、日米経済関係の重要性について認識を共有した。

また、両首脳は今後、日米経済関係を更に大きく飛躍させ、日米両国、アジア太平洋地域、ひいては世界の力強い経済成長をリードしていくために対話と協力を更に深めていくことで一致し、麻生副総理とペンス副大統領の下で経済対話を立ち上げることを決定した。

2.共同声明

日米共同記者会見 安倍首相とトランプ大統領

概要

安倍総理とトランプ大統領は、日米同盟及び経済関係を一層強化するための強い決意を確認する共同声明を発出した。

政治・安全保障分野に関しては、両首脳は、アジア太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増す中で、同地域における平和、繁栄及び自由の礎である日米同盟の取組を一層強化する強い決意を確認した。

特に今回、
(1)拡大抑止へのコミットメントへの具体的な言及や、
(2)日米安全保障条約第5条の尖閣諸島への適用、そして
(3)普天間飛行場の辺野古移設が唯一の解決策であることを文書で確認した。

経済については、日米両国が、自由で公正な貿易のルールに基づいて、両国間及び地域における経済関係を強化することに引き続きコミットしていくことを確認したほか、双方の利益となる個別分野での協力を積極的に推進していくことでも一致した。

これらの課題に取り組んでいく観点から、両首脳は、麻生副総理とペンス副大統領の下で経済対話を立ち上げることを確認した。

和文

共同声明
2017年2月10日

本日,安倍晋三内閣総理大臣とドナルド・J・トランプ大統領は,ワシントンDCで最初の首脳会談を行い,日米同盟及び経済関係を一層強化するための強い決意を確認した。

日米同盟

揺らぐことのない日米同盟はアジア太平洋地域における平和,繁栄及び自由の礎である。

核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類の米国の軍事力を使った日本の防衛に対する米国のコミットメントは揺るぎない。アジア太平洋地域において厳しさを増す安全保障環境の中で,米国は地域におけるプレゼンスを強化し,日本は同盟におけるより大きな役割及び責任を果たす
日米両国は,2015年の「日米防衛協力のための指針」で示されたように,引き続き防衛協力を実施し,拡大する。日米両国は,地域における同盟国及びパートナーとの協力を更に強化する。両首脳は,法の支配に基づく国際秩序を維持することの重要性を強調した。

両首脳は,長期的で持続可能な米軍のプレゼンスを確かなものにするために,在日米軍の再編に対する日米のコミットメントを確認した。
両首脳は,日米両国がキャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に普天間飛行場の代替施設を建設する計画にコミットしていることを確認した。これは,普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策である。

両首脳は,日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを確認した。両首脳は,同諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対する。
日米両国は,東シナ海の平和と安定を確保するための協力を深める。両首脳は,航行及び上空飛行並びにその他の適法な海洋の利用の自由を含む国際法に基づく海洋秩序を維持することの重要性を強調した。
日米両国は,威嚇,強制又は力によって海洋に関する権利を主張しようとするいかなる試みにも反対する。日米両国はまた,関係国に対し,拠点の軍事化を含め,南シナ海における緊張を高め得る行動を避け,国際法に従って行動することを求める

日米両国は,北朝鮮に対し,核及び弾道ミサイル計画を放棄し,更なる挑発行動を行わないよう強く求める。
日米同盟は日本の安全を確保する完全な能力を有している。米国は,あらゆる種類の米国の軍事力による自国の領土,軍及び同盟国の防衛に完全にコミットしている。
両首脳は,拉致問題の早期解決の重要性を確認した。両首脳はまた,日米韓の三か国協力の重要性を確認した。さらに,日米両国は,北朝鮮に関する国連安保理決議の厳格な履行にコミットしている。

日米両国は,変化する安全保障上の課題に対応するため,防衛イノベーションに関する二国間の技術協力を強化する。
日米両国はまた,宇宙及びサイバー空間の分野における二国間の安全保障協力を拡大する。さらに,日米両国は,あらゆる形態のテロリズムの行為を強く非難し,グローバルな脅威を与えているテロ集団との闘いのための両国の協力を強化する。

両首脳は,外務・防衛担当閣僚に対し,日米両国の各々の役割,任務及び能力の見直しを通じたものを含め,日米同盟を更に強化するための方策を特定するため,日米安全保障協議委員会(SCC:「2+2」)を開催するよう指示した。

日米経済関係

日本及び米国は,世界のGDPの30パーセントを占め,力強い世界経済の維持,金融の安定性の確保及び雇用機会の増大という利益を共有する。これらの利益を促進するために,総理及び大統領は,国内及び世界の経済需要を強化するために相互補完的な財政,金融及び構造政策という3本の矢のアプローチを用いていくとのコミットメントを再確認した。

両首脳は,各々の経済が直面する機会及び課題,また,両国,アジア太平洋地域及び世界における包摂的成長及び繁栄を促進する必要性について議論した。
両首脳は,自由で公正な貿易のルールに基づいて,日米両国間及び地域における経済関係を強化することに引き続き完全にコミットしていることを強調した。これは,アジア太平洋地域における,貿易及び投資に関する高い基準の設定,市場障壁の削減,また,経済及び雇用の成長の機会の拡大を含むものである。

日本及び米国は,両国間の貿易・投資関係双方の深化と,アジア太平洋地域における貿易,経済成長及び高い基準の促進に向けた両国の継続的努力の重要性を再確認した。この目的のため,また,米国が環太平洋パートナーシップ(TPP)から離脱した点に留意し,両首脳は,これらの共有された目的を達成するための最善の方法を探求することを誓約した。これには,日米間で二国間の枠組みに関して議論を行うこと,また,日本が既存のイニシアティブを基礎として地域レベルの進展を引き続き推進することを含む。

さらに,両首脳は,日本及び米国の相互の経済的利益を促進する様々な分野にわたる協力を探求していくことにつき関心を表明した。

両首脳は,上記及びその他の課題を議論するための経済対話に両国が従事することを決定した。また,両首脳は,地域及び国際場裏における協力を継続する意図も再確認した。

訪日の招待

安倍総理大臣はトランプ大統領に対して本年中に日本を公式訪問するよう招待し,また,ペンス副大統領の早期の東京訪問を歓迎した。トランプ大統領は,これらの招待を受け入れた。

英文

Joint Statement
February 10, 2017

President Donald J. Trump and Prime Minister Shinzo Abe held their first official meeting today in Washington D.C. and affirmed their strong determination to further strengthen the U.S.-Japan Alliance and economic relationship.

U.S.-Japan Alliance

The unshakable U.S.-Japan Alliance is the cornerstone of peace, prosperity, and freedom in the Asia-Pacific region. The U.S. commitment to defend Japan through the full range of U.S. military capabilities, both nuclear and conventional, is unwavering. Amid an increasingly difficult security environment in the Asia-Pacific region, the United States will strengthen its presence in the region, and Japan will assume larger roles and responsibilities in the alliance. The United States and Japan will continue to implement and expand defense cooperation as laid out in the 2015 U.S.-Japan Defense Guidelines. The United States and Japan will further enhance cooperation with allies and partners in the region. The two leaders underscored the importance of maintaining international order based upon the rule of law.

The two leaders affirmed the commitment of the United States and Japan to the realignment of U.S. forces in Japan, to ensure the long-term, sustainable presence of U.S. forces. They affirmed that the United States and Japan are ommitted to the plan to construct the Futenma Replacement Facility at the Camp Schwab/Henoko area and in adjacent waters. It is the only solution that avoids the continued use of Marine Corps Air Station Futenma.

The two leaders affirmed that Article V of the U.S.-Japan Treaty of Mutual Cooperation and Security covers the Senkaku Islands. They oppose any unilateral action that seeks to undermine Japan’s administration of these islands. The nited States and Japan will deepen cooperation to safeguard the peace and stability of the East China Sea. The two leaders underscored the importance of maintaining a maritime order based on international law, including freedom of navigation and overflight and other lawful uses of the sea. The United States and Japan oppose any attempt to assert maritime claims through the use of intimidation, coercion or force. The United States and Japan also call on countries concerned to avoid actions that would escalate tensions in the South China Sea, including the militarization of outposts, and to act in accordance with international law.

The United States and Japan strongly urge North Korea to abandon its nuclear and ballistic missile programs and not to take any further provocative actions. The U.S.-Japan Alliance is fully capable of ensuring the security of Japan. The United States is fully committed to defending its homeland, forces, and allies, through the full range of U.S. military capabilities. The two leaders affirmed the importance of an early resolution of the abductions issue. They also affirmed the importance of trilateral cooperation among the United States, Japan and the Republic of Korea. The United States and Japan are also committed to rigorous implementation of the U.N. Security Council resolutions on North Korea.

The United States and Japan will strengthen their bilateral technological cooperation on defense innovation to meet the evolving security challenges. The United States and Japan will also expand bilateral security cooperation in the fields of space and cyberspace. The United States and Japan also strongly condemn terrorism in all forms and manifestations and will enhance our cooperation to fight against terrorist groups that pose a global threat.

The two leaders instructed their foreign and defense ministers to convene a Security Consultative Committee (SCC: “2+2”) meeting to identify ways to further strengthen the U.S.-Japan Alliance, including through the review of the respective roles, missions, and capabilities of the two countries.

U.S.-Japan Economic Relations

The United States and Japan represent 30 percent of the world’s GDP and share an interest in sustaining a strong global economy, ensuring financial stability, and growing job opportunities. To advance these interests, the President and the Prime Minister reaffirmed their commitments to using the three-pronged approach of mutually-reinforcing fiscal, monetary, and structural policies to strengthen domestic and global economic demand.

The two leaders discussed opportunities and challenges facing each of their economies and the need to promote inclusive growth and prosperity in their countries, the Asia-Pacific region, and the world.

They emphasized that they remain fully committed to strengthening the economic relationships between their two countries and across the region, based on rules for free and fair trade. This will include setting high trade and investment standards, reducing market barriers, and enhancing opportunities for economic and job growth in the Asia-Pacific.

The United States and Japan reaffirmed the importance of both deepening their trade and investment relations and of their continued efforts in promoting trade, economic growth, and high standards throughout the Asia-Pacific region. Toward this end, and noting that the United States has withdrawn from the Trans-Pacific Partnership, the leaders pledged to explore how best to accomplish these shared objectives. This will include discussions between the United States and Japan on a bilateral framework as well as Japan continuing to advance regional progress on the basis of existing initiatives.

In addition, the two leaders expressed interest in exploring cooperation across sectors that promote mutual economic benefits to the United States and Japan.

The two leaders decided to have their countries engage in an economic dialogue to discuss these and other issues. They also reaffirmed their intent to continue cooperation in regional and global fora.

Invitations to Visit Japan

Prime Minister Abe invited President Trump for an official visit to Japan during the course of this year, and also welcomed an early visit of Vice President Pence to Tokyo. President Trump accepted these invitations.

3.ワーキングランチ

アジア太平洋地域の平和と繁栄の礎である日米同盟は、防衛・安保のみならず、経済によっても支えられており、「摩擦」という言葉に象徴された日米経済関係は遠い過去であることを確認した。この文脈で、安倍総理からトランプ大統領に対して、日本企業は現地生産を通じて米国に多くの雇用・投資を生み、米国の良き企業市民として米国と常に共に歩み、摩擦を乗り越えてきたことについても伝えた。これに対してトランプ大統領からは、日本企業による米国への投資への評価・歓迎の意が表され、両首脳は、ウィンウィンの関係を作っていくことで一致した。

また、安倍総理から、数年間に及ぶ困難な交渉を経て結実したTPP協定は最先端の貿易・投資ルールであり、21世紀のスタンダードとなるとの考えを踏まえつつ、同協定の経済的・戦略的意義について説明し、両首脳は、日米両国は戦後一貫して自由貿易を堅固に支持し、率先して推進し、そして現在の繁栄を実現してきたとの認識で一致した。

両首脳は、活力ある日米経済関係は、日米両国、アジア太平洋地域、ひいては世界経済の力強い成長の原動力かつ雇用創出の源泉であり、この両国の経済関係を更なる高みに発展させることで一致した。その上で、麻生副総理とペンス副大統領の下での経済対話においては、経済政策、インフラ投資やエネルギー分野での協力、貿易・投資ルールの3つを柱とすることで一致した。

日米首脳共同記者会見

日米共同記者発表

平成29年2月11日:米国・パームビーチ

安倍総理大臣

今般の北朝鮮のミサイル発射は断じて容認できません。北朝鮮は国連決議を完全に遵守すべきです。

先程トランプ大統領との首脳会談の中において,米国は常に100%日本とともにあるということを明言されました。そして,その意思を示すために,今,私の隣に立っておられます。

私とトランプ大統領は日米同盟を更に緊密化し,強化していくことで完全に一致をいたしました。私からは以上です。

トランプ大統領

安倍総理,どうもありがとうございます。

米国は,偉大なる同盟国である日本を100%支えるということを皆さんに理解し,十分に知ってもらいたい。

出典:首相官邸外務省

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