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【宮崎哲弥】 ニッポン放送 『ザ・ボイス』 1月20日(火)から、箇条書き

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1月20日(火)ニッポン放送『ザ・ボイス』
その日のニュースを分析・解説していく­「ニュースピックアップセブン」から、ポイントだと思える個所を短く箇条書きにしています。

お忙しい方が、内容を短時間で把握したい時などに利用して頂ければ幸いです。

宮崎哲弥(評論家)
1962年、福岡県生まれ。評論家。慶應義塾大学文学部社会学科卒業。政治哲学、仏教論、サブカルチャー分析を主軸とした評論活動を行う。

 

1.「イスラム国」が日本人殺害警告か

■2004年10月に発生した「イラク日本人青年殺害事件」の場合、聖戦アルカイダを名乗るグループが日本人青年を人質にして殺害した。この時日本政府に求めたのは、48時間以内のイラクからの自衛隊撤退だった。今回はお金。ここにアルカイダとイスラム国の違いが表れている気がする。実利的・現実的で、政治的な要求ではなく金銭を要求するやり方。

■総理が中東を歴訪しているタイミングに合わせた可能性はある。(総理が)イスラム国を始めとする、過激派、テロリストとの戦いという立場を宣明されているからそれに合わせた可能性はあるが、だからといって日本としてはテロリストグループに屈するわけにはいかない。

日本として救出するとすれば、他国に頼るしかない。72時間以内にそういう迅速な行動ができるかどうか。

日本は、イスラム国に対してそれほど具体的敵対行動、軍事行動に参加していないのに、こういう行動をするというのは、このグループの凶悪さ、凶暴性を世界に知らせることになる。

 

2.安倍総理 ホロコースト記念館で演説

■アメリカの朝日新聞=ニューヨークタイムズはともかくとして、ワシントンポストまでが、安倍首相について右寄り、場合によっては極右(extreme right)、歴史修正主義者ではないのかというような論調が、黙殺してもいいレベルを超えて出ている。それを払拭するために、このような演説をするのはいい手段だと思う。

今フランスで問題になっている2つの原理主義」の激突とも言うべき「西欧原理」対「イスラム原理」の文明の衝突は落としどころが見えない状況。イスラエル・パレスチナもかなり暗礁に乗り上げている。特に前者に対して調停できるのは、私はアメリカと日本だろうと言おうと思っていた。

フランスの風刺画問題について、アメリカは比較的慎重な姿勢をとっている。それは、アメリカは西欧、ヨーロッパとは違う歴史的な成り立ちでできているから。

・ヨーロッパ、とりわけフランスは政教分離について物凄くやかましく、反セクト法というのもある。宗教に対して一般的に警戒レベルが高い国。

・ところがアメリカは、イギリス国教会から追い出されたピューリタン達が作った国。憲法に政教分離はあるが緩く運用されている。

一方日本は、どちらからも遠い。神道と仏教が多い国だから、この2国が調停をするというのはあるいは可能かもしれないと思っていたが、(上記)一つ目のニュースを見ると空しく響く。

 

3.産経新聞前ソウル支局長公判にチョン・ユンフェ氏が証人出廷

(大統領と密かに会っていたと言われるチョン・ユンフェ氏が出廷し、記事は誤りであるとして処罰を求めた)
仮に(記事が)誤りであるとしても、刑事裁判にするのはおかしい。誤りであるなら民事訴訟を起こし、賠償請求をすればよい。まだ足止めして出国させないというのはすごいね、ほんとに。

■ナッツリターン事件だって、法律的に考えるとあそこまで重い罪に問うのはどうなのか。ナッツリターン事件というのは、朴槿惠政権が、自分に対する批判、(側近と会っていたという)噂に関する目を、財閥批判に逸らすために厳しい処遇を求めているというようにも見える。

 

4.フランス大統領 量的金融緩和の導入を明言

■遅い。遅いが、オランド大統領の考え通りにいけるかどうかは分からない。今のEU圏の経済をおかしくしている元凶は、ドイツのメルケル首相とその一派。ドイツのマスコミを含めて。

一貫して量的緩和に対して消極姿勢を続け、これを求めているアメリカの財務省やポール・クルーグマンといった人達を悪しざまにしてきた。(かつては日本も今のドイツのような姿勢だったが、)ドイツと英米の観点からすると、ドイツにはロクは経済学者がいない。進化したケインズ経済学とか新しい経済学を全く学んでいないままやっている。だから最近ドイツの経済が鈍化し、GDPもかなり低下してきている。ドイツと共にユーロ全体を沈ませようという感じがしてならない。

これに対抗するためには、もっと迅速に、もっと大胆に量的緩和をやるべきだった。

■これが何をもたらしているか。フランスで何故、反イスラム感情が高まっているのかというと、片方には国内の失業問題があり、若年層の失業率はもう20%。ドイツだって6~7%で、日本の倍以上。

地方では、特にフランスやドイツで、国民戦線とか、ルペン(フランスの極右政党国民戦線の創始者)の流れがあり、ドイツでも極右政党が台頭し始め、一方、ギリシャではEU脱退を主張する急進的左派政党が、今週末にも選挙で大勝しそう。EUはもうぐちゃぐちゃ。この責任は、メルケルとその不愉快な仲間たちにある。

 

5.民主党人事 政調会長に細野氏が内定

■この件については、どうでもいいや(笑)。長妻さんが、格差問題をどうするかという担当をするらしいが、この人マクロ音痴ですよ。維新との連携の可能性も極めて薄くなってきたので、野党再編の核にもなり得ない。顔ぶれ見ただけでうんざり(下記参照)です。

■今次の大阪都構想が維新有利に展開している。

安倍総理も大阪都構想に対して肯定的な発言をし、それと共に憲法改正も課題にしていきたいと発言。それに対し橋下さんも肯定的な談話を出した。

民主党代表が代表戦の討論で、いわば言ってはならない、まだ駆け引きもあるこれからの野党統合のあり方について、外交と同じで秘密にしておかなめればならないものなのに、細野さんの態度を糾すために(岡田克也氏が)言ってしまった。こんな政党、誰が信用しますか? もうどうでもいいよ、こんな話。

参考:民主党人事(宮崎氏「うんざりな顔ぶれ」)

代表代行:長妻昭元厚生労働相(54)と蓮舫元行政刷新担当相(47)
幹事長:枝野幸男(50・続投)
幹事長代理:近藤昭一元環境副大臣(56)と福山哲郎政調会長(53)
政調会長:細野豪志元幹事長(43)
国対委員長:高木義明代表代行(69)
国対委員長代理:安住淳(53・続投)
選挙対策委員長:玄葉光一郎元外相(50)

 

6.中国GDP成長率 2014年は7.4%に目標下回る

不動産バブルが崩壊しているということ。今の経済政策には無理があるということで、特に、投資ではなく消費を中心にした内需を高めなければならないが、そこをつなぐリンクが形成されていないのが最大の問題で、このリンクを形成しないとどうしようもない。この構造問題は数年前から全然変わっていない。

■(飯田アナ:中間層を分厚くしないといけないが、それができていない。)そう、それでGDPだけがどんどん上がっていって、日本は中国にドル建てで抜かれているじゃないかという話をやっていた政党や新聞があるが、実情はこんなもの。張り子の虎。

経済が悪くなると何らかの形で外に向かって、軍事的な行動や政治的な強圧性を押し付けることで誤魔化すのが中国共産党。周辺国は極めて警戒せねばならない。

■(飯田アナ:アジアインフラ投資銀行で新しい枠組みを作ろうとしているが。)興味深いのは、朝鮮半島においては北朝鮮ではなく韓国が入っている。日本は後手に回ってはいけない。中国と日本は、対立・対決ではないが対峙的な関係であることは避けられない。その中で対峙関係を維持しながら対立・対決に向かわせないことがポイント。仲間を増やしていかなければならない。経済的に成長が鈍化すると、さらに強硬な姿勢に出てくる可能性がある状況。

■(飯田アナ:中国もそこを意識しているから、「海上連絡メカニズム」をやろうとしている?)もちろん。それが嫌なら、中華帝国、中国の覇権を受任、影響を甘受する国になるしかないが、私は、日本はそういう国であってはならないと思っています。

 

7.チェチェンでシャルリ・エブドの風刺画掲載に抗議 80万人デモ

チェチェン戦争は非常に凄惨で、ロシア軍はかなり残虐な行為をしてチェチェンを抑圧してしまった。あの時私はチェチェンに対して非常に同情的な立場をとったが、いまだにその同情と、チェチェン戦争の状況を思い出すとプーチン政権に対する不信というのは拭いきれないが、その後抑圧的な姿勢をとったために、アルカイダが入り込んでかなり勢力を持ってしまった。東トルキスタンに中国政府が抑圧するので、やはりアルカイダが入り込んだのと同じような情勢。イスラム国とアルカイダが手を繋ぐ構図がここでも見えている。

(西欧との全面対決は)避けるべきなので、2つの原理主義(上記「2.安倍総理 ホロコースト記念館で演説」参照)をなんとか調停せねばならない。

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