トランプ米国大統領との電話会談についての会見

【北朝鮮ミサイル発射】日米首脳電話会談と各国の動きや分析など

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北朝鮮が2019年5月4日発射したミサイルに関し、安倍晋三首相は2019年5月6日夜、トランプ米大統領と約40分間の電話会談を行いました。

以下、日米首脳電話会談概要、電話会談後の安倍首相の会見、米国研究所・韓国軍・専門家の分析、各国の動きなど。

POINT
  1. 弾道ミサイルかどうかが焦点(=米研究所が5日、短距離弾道ミサイルである可能性が高いと明らかにした。[])
  2. 拉致・核・ミサイルの諸問題について緊密に連携
  3. 朝鮮半島の非核化について、プーチン大統領、習近平主席とも認識を共有している
  4. 拉致問題の解決に向け、金正恩委員長と「条件を付けず直接向き合う」

日米首脳電話会談<概要>

5月6日21時40分頃から約40分間,安倍晋三内閣総理大臣は,ドナルド・トランプ米国大統領(The Honorable Donald Trump, President of the United States of America)と電話会談を行ったところ,概要は以下のとおり。

1 両首脳は,北朝鮮をめぐる最新の情勢について意見交換を行い,北朝鮮問題に関する方針を綿密にすり合わせた。両首脳は朝鮮半島の完全な非核化に向け,引き続き安保理決議の完全な履行が必要との認識で一致した。

2 両首脳は,拉致・核・ミサイルの諸問題の解決に向けて,今後も日米で一層緊密に連携し,共に対応していくことで,完全に一致した。

3 安倍総理から,上皇陛下の御退位,天皇陛下の御即位に際し,トランプ大統領が声明を発出したことに対する感謝を述べ,両首脳は,5月25日から28日に予定されているトランプ大統領の令和の時代における初の国賓としての訪日の成功に向け引き続き緊密に協力していくことで一致した。

外務省

トランプ米国大統領との電話会談についての会見<全文>

安倍総理は、総理大臣公邸で会見を行いました。総理は、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領との電話会談について次のように述べました。

今回トランプ大統領と電話会談を行い、最新の北朝鮮情勢について、今回の事案も含めて意見交換を行い、情勢の分析を行いました。そして、今後の対応について、綿密なすり合わせを行いました。

昨年の米朝会談において、トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長が署名をして、朝鮮半島の完全な非核化で合意いたしました。この米朝合意の速やかな実現を目指していくことについて、トランプ大統領と完全に一致いたしました。

今後の北朝鮮への対応については、全ての面でトランプ大統領と完全に一致しておりますし、今後とも米国と日本は共に行動をしていく、完全に一致して対応していくということで認識を一つにしたところであります。そしてまた、朝鮮半島の非核化については、首脳会談を通じて、ロシアのプーチン大統領とも、そして中国の習近平主席とも認識を共有しているところであります。

今後とも日本として、国際社会と連携をしながら朝鮮半島の非核化、そして北朝鮮情勢を含め、この地域の平和と安定のために積極的な役割を果たしていく考えであります。

飛翔(ひしょう)体については、今後日米の専門家同士で協力して分析をしていくことになります。そして、北朝鮮との関係におきましては、日本にとって大切な問題は拉致問題であります。拉致問題を解決するためにあらゆるチャンスを逃さない。私自身が金正恩委員長と向き合わなければならない、条件をつけずに向き合わなければならないという考えであります。あらゆるチャンスを逃さない決意でこの問題の解決に当たっていく考えであります。

首相官邸

トランプ大統領「金正恩は私との約束を破りたくはない、交渉は行われるだろう!」

金正恩氏は、北朝鮮の大きな経済的潜在力を十分認識しており、その可能性を閉ざすようなことはしないと思う。また、彼は私が支持していることを知っていて、私との約束を破りたくはない。北朝鮮との交渉は行われるだろう!

アメリカ研究所・韓国・専門家の分析

米研究所、北の飛翔体は「短距離弾道ミサイル」の可能性高い

アメリカの研究所は、「短距離弾道ミサイル」だった可能性が高いと発表。

米ミドルベリー国際問題研究所のジェフリー・ルイス上級研究員は5日、発射直後の衛星画像を元に、飛翔体は国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議違反となる「短距離弾道ミサイル」の発射だった可能性が高いとの見方を明らかにした。
産経新聞

韓国軍は分析中…「短距離ミサイル」と発表したのち「飛翔体発射」に修正、韓国内から批判も

韓国軍は、発射は日本時間の午前9時6分から午前10時55分までのおよそ2時間にわたり、合わせて10発から20発余りが発射され、中には高度がおよそ60キロに達したものもあったと発表。

一方、飛しょう体の中に国連安全保障理事会の制裁決議に違反するおそれのある弾道ミサイルが含まれていたのかについて、韓国軍は当初、詳細不明の短距離ミサイルが発射されたと発表していたが、現在は「アメリカと共に分析中だ」と述べるにとどめている。

韓国国内では、国連の制裁決議に違反したことにならないよう文在寅政権が配慮しているのではないかとの批判も出ています。その一例が以下。

発射から2日たっても分析中、韓国軍のミサイル防衛が崩壊の危機

ロシア製の「イスカンデル」ミサイルに準ずる弾道ミサイル(推定)を北朝鮮が発射してから2日たっても、韓国軍は「細かな事項は確認中」だとしている。北朝鮮が発射したという「新型誘導戦術兵器」がミサイルなのか、そうでないのか、まだ確認できていないのだ。当初、韓国軍内外では、軍がこうした態度を公式に示しているのは「大統領府(青瓦台)の顔色をうかがっている」からだという解釈が優勢だった。だが情報判断が遅れ続けていることを受け、単に顔色をうかがうにとどまらず、北朝鮮の核・ミサイルへの韓国軍の対応能力に深刻な問題があるのではないか-という声が上がっている。
朝鮮日報

その他専門家らの様々な意見

以下はTwitterで目についた専門家らの分析。

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